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僕は 君たちの玩具じゃない   作者: 三ツ星真言
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28/59

濃い化粧は恋化粧

「ヘックション」

 僕が教室で笑いものになっている頃、

登校途中の龍美は、大きくクシャミをした。

「大丈夫ですか。姉さん。」

「昨夜の決闘の疲れで、風邪をひいたとか。」

「それは、ない、ない。馬鹿は風邪をひかないから。」

「そうですね。」

「違いない。」

バシッ バシッ

 龍美は、葵と紅子の頭をどつく。

「馬鹿、そこはフォローしねえか。」

「すんません。」

「アハハ、つい、うっかり。」

 朝から、お笑い芸人バリバリのノリの良さであった。

「ところで、姉さん、今日は一段とメイクが濃いみたいな。

 アチキの気のせいですかい。」

「そう、アタイもそう思ってたんですよ。」

「馬鹿野郎、昨夜の疲れで肌が荒れてて、化粧のノリが

悪かったから、いつもより濃くなったんだよ。」

 昨夜、コンドウムこと近藤奏夢りずむの首筋に

キッスマークをつけたことは、この二人に絶対に秘密。

 いくら、固い絆で結ばれた仲間でもな。

『コンドウムのくせに、生意気に、あの高慢ちきな女と、

私の眼の前であんなイヤらしいことをしやがって・・・。

 つい、対抗意識じゃなくて・・、そう、あれよ、

お仕置きをしてやってしまったじゃねえか。 』

 思い出して、つい顔が赤くなってしまう。

 泣く子も黙るデビルドラゴンのリーダーでも、一人の

乙女。あの日、自分の心に芽生え、秘められたもの、

日々成長しているものには気づかないし、気づいたとしても

素直に認めることができない年頃である。

 葵と紅子は仲間だけに、いつもと違う龍美の様子に

悪霊にでも憑かれたのではないかと心配していた。

  





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