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43話「俺は一人ではありません」

俺が病気になって10日が経った。夏風邪はしつこいとはよく言うが、ここまでとは思わなかった……。


……まあ熱が下がるたびに脱出を試みてたこともあるだろうけど。


しかし、残念ながら学園祭には参加できなかった。

俺自身、外に出ることは出来なかったからどんな様子かは分からなかったが混沌ながらも面白くなっていたのだろう。


ようやく完治した俺は学園からの許可もおり、今日から再登校できるようになった。


……まあ、とてつもなく教室には入りにくいが。


他の人にも迷惑かけてしまったからなぁ。


俺はため息を吐くと、扉に手をかけた。


******

門星学園 βクラス


タウロ「そこ! 左に傾いてるぞ!」


ラミア「ひーん……この飾りだけで15分くらい経ってるよ?」


俺「……えっ?」


教室ではクラスの皆が教室の飾り付けをしていた。


ラミア「あ! 俺く……いたぁっ!? タウロさん……まだ何もしてないよ」


タウロ「何かしようとしていたんだろ。悪いな、あと俺くんはステージだから今日は講堂だぞ」


俺「あ、えっと、うん」


結局タウロさんに言われるがまま講堂へ向かった。

学園祭は昨日で終わったんじゃなかったのか?


******


門星学園 講堂


さすが門星学園の講堂。えげつない大きさだ。ここでなら野球とサッカーと相撲ぐらいなら同時に出来るかもしれないな。


ヴァンプ「『この背中の桜吹雪、まさか覚えがねえとは言わせねえぜ!』」


俺「おーい、ヴァンプ」


ヴァンプ「あ、俺くん! 復活したんだな!」


俺「うん、あと劇は遠山の銀さんじゃないよ」


軽くツッコミを入れておく。


ヴァンプ「あれ、かっこいいと思うんだけどな」


俺「まあ確かにかっこいいけど……。っていうか学園祭昨日じゃなかったの!?」


ヴァンプ「あー、それな。……話すと少し長くなるがーー」


******

…………

……


遡ること1週間前


門星学園 βクラス


ラミア「おれくぅん……」


タウロ「無理するからだ……」


オオカミ「……でもあのペースだと回復は遅くなりそうだな」


いつの間にかいるオオカミにヴァンプは椅子を引いて驚いた。


ヴァンプ「……お前いつのまにいんだよ」


悪魔「でも実際間に合わないだろうな」


天使の顎を頭に乗せた悪魔がヒョイと話に入ってきた。


タウロ「……どういうことだ」


悪魔「ラプラスの悪魔だよ」


全員の頭にハテナマークが浮かぶ。


ラミア「まぁそのラプラスのなんたらは今度俺くんに聞こう。で、それは確実なの!?」


悪魔「あぁ、残念だけどな。……少しでも日が伸ばせたら別なんだが」


オオカミ「……ふむ」


暫しの沈黙。静寂を破ったのは意外な人物だった。


天使「ならさー、署名集めたら? たしか学園祭の詳細の変更は署名の数次第によっては変更できるんでしょ?」


ヴァンプ「……でも、この学園だぞ? 半分集めるとしても1000人以上いるってのに……」


…………

……


門星学園 廊下


ラミア「病気の俺くんのために署名お願いしまーす!」


タウロ「……しまーす」


ラミア「声小さいよ!」


タウロ「し、しかし、これは恥ずかしい……」


ラミアが切磋していると……


鉄鼠「先輩ー」


ラミア「あ、ネーちゃん」


鉄鼠「どうしたんですか?」


同好会の縁もあるため、ラミアは鉄鼠に始終を教えた。


鉄鼠「お、俺くん先輩が……。なら私たちに任せてください!」


タウロ「……?」


…………

……


鉄鼠「署名お願いしまーす!」


「「「「お願いしまーす!」」」」


13人の声に生徒は全員振り向く。


ラミア「なるほどーETOかぁ」


タウロ「ETOって確か、俺くんがプロデュースしたアイドルだったか?」


ラミア「うん。なるほどね、スクールアイドルなら人を集めるのもすぐかもしれない」


…………

……


ヴァンプ「で、どれだけ集まったんだ?」


ラミア「クラスの皆、ETOの皆、そして休み時間に集めた人数を足して……157人!」


タウロ「一日で集めたとしては多いな……しかし、それ以上に数が足りない」


せめて署名は全校生徒の半分以上は欲しいところだが、まだまだ1000人には程遠い。


オオカミ「このままだと直に学園祭が始まってしまうぞ」


ラミア「うーん……そうだ!」


…………

……


門星学園 生徒会室


九尾「して、署名を集めるために放送をさせてほしいと」


ラミア「はいっ!」


九尾「ダメじゃ、一般生徒には触らせるなと言われておる」


ラミア「えーっ!?」


肩を落とすラミアに九尾は軽く微笑んで続けた。


九尾「……妾も俺くんが心配じゃ。会長から直々に流そう。その方が効果もあるだろう」


…………

……


数日後


「署名書いた?」「うん、俺くんのことは有名だからすぐに書いたよ」「楽しみだけど、楽しみなのは俺くんもだからね」「とりあえず私たちも手伝おうよ」「そうだね、小学部にも手伝ってもらおう」「大学部にもね」


ラミア「これでついに1000人目だ!


オオカミ「よし、明日には学園長に出そう!」


そして


学長「……うん、先生の分も集まってるけど……もう少しほしいな」


ラミア「そんなっ!?」


学長「ごめんね……あと100人くらいいないと」


?「待ってくださいぃっ!」


扉から転けて入ってきたのは妹の姿だった。


学長「……えっと、大丈夫?」


妹「大丈夫です! それよりもこれ! 署名集めたのでなんとかしてください!」


学園長は妹の手からプリントを受け取ると……


学長「凄いね……これ合わせたら、全校生徒の8割だよ?」


ラミア「ということは!」


学長「流石俺くんの人脈。良かったね、承認するしかないじゃん」


「「「やったー!」」」


******


ヴァンプ「ってことだ。まあ泣ける話だ……っておい!」


俺「びんなぁ……ううぅ……ぼくなんかのためにぃ……」


ヴァンプ「本当に泣くなよ! あとぼくとか言うな!」


俺「でも本当に嬉しいよ。お礼、なにかしないとね」


その言葉を聞いたヴァンプは広角を釣り上げ


ヴァンプ「なら、俺が代表して一つ」


俺「えー。ヴァンプが代表?」


ヴァンプ「別に個人的な頼みじゃねえよ。……学園祭を最高のものにしてくれよ。お前にかかってるんだ」


俺は一瞬呆気にとられたが、息を整えて笑って言い返した。


俺「奇遇だな。頼まれるまでもなく俺もそうするつもりだった」

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