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42話「学園長は半神です」

翌日になり、暮露暮露団も流石に授業を放っておくわけにはいかないため俺は午後まで一人だ。


あと俺の自室が入室禁止エリアになっていることを昨夜妹からの電話から知った。

ちなみに本人も病気が移るとダメなのでウロスさんの部屋を借りたらしい……どうせパフパフしてもらって寝たのだろう。


それから、部屋に入れないこともあり電話……もとい生徒手帳が鳴り終わらない。

相手はラミア、ヴァンプ、ラミア、ハーピー、ラミア、ドル研、ラミア、先生、会長、ラミア、ラミア、鬼といった感じである。


ラミアからの電話はもう面倒だから無視し、通知を切っている。


それ以外の電話は全部事務報告だったが、やはり心配してくれている様子だった。


俺「しかし、パンデミックねぇ……」


そうなるものかな? 俺のは多分風邪だと思うし、問題ないと思うんだが。


せっかくなので少し外に出てみることにする。どうせ今は授業中で誰もいないだろう。


ベッドから這い出て扉に手を掛ける……。


俺「……え?」


部屋のすぐ外には手紙と一緒に大量の箱が置いてあった。


その中の一つの手紙を読んでみる。


『俺くんへ 病気回復して一緒に頑張りましょう カンヘルより』


……まさかこれ全部っ!?


それぞれの手紙も読む。


『俺くん頑張ってね。 鬼より』

『あとは任せて、心配しないで! ハーピーより』

『きっと上手く行きます! アルミラージより』

『食べて、元気。 ドリアード』

『あまり体を冷やさないように 雪女より』


……みんな。


俺「……心配……してくれてるんだ」


……どうせただの風邪なのに。他種族で、体力もない俺なのにっ……!


ふと手紙に黒いシミが出来た。

泣いてるのか……涙で字が滲んでしまった……。


……絶対学園祭は成功させよう! そのためにも今はゆっくり寝ないといけないな。


…………

……

数時間後


……がちゃ


スライム「♪……?」


俺「……スースー」


スライム「……」ピトッ


俺「冷たっ! ……ス、スライムさん? そっか授業終わったんだ」


スライムは肯定するように体をモニモニと変化させた。


俺「でもなんでスライムさんが?」


確かに、無機質だから病気が移る心配は無いだろうけど。


スライム「……」


俺「……ああ、お見舞い? ありがとう」


そう言うと、スライムさんは触手を伸ばすと箱を一つ手にとって俺に渡した。


開けろということだろうか?


俺「なんだ? あっ、これって!」


中に入っていたのは服などの絵が書かれたメモの束だった。


俺「学園祭の企画書とドル研の企画書! ドル研はもう衣装出来たんだ、あとは歌とダンスを鍛えるだけだな。 学園祭はステージの様子も見たかったから、こういうのあって助かったよ。スライムさん、ありがとう」


そう言うと、スライムは体をよじらせて照れるような動きをした。


……しかし俺、なんかスライムさんの言いたいことが分かるようになってきたな。もう末期かもしれない。


俺「……そういえばスライムさんはプリンだったよね。どんな様子?」


スライムは体の中心に空間を作り広がった


……なるほど、バッチリということらしい。


俺「……」


スライム「……」


……静かだなぁ。まあ昨日は暮露暮露団だったというのもあるけど温度差が凄い。


スライム「……!」


俺「ん? なにか思い出したの?」


すると別のところから新たな箱を出した。

スライムさんは人の姿(俺を配慮してか着衣バージョン)になると箱を器用に開けた。中からはほんのりと甘い匂いがする。


俺「……?」


スライム「……アーン」


俺「え、え? ……アーン」


口の中にスプーンを突っ込まれる。

仄かに甘く、ソースに少しの苦味もあり舌に乗った瞬間体温で溶けるように香りが広がった……これは。


俺「す、すごい! すごく美味しいよ、このプリン。スライムさんが作ったの!? 」


スライム「……コレデオーケー?」


俺「うん! 店も出せるレベルだよ!」


俺はそのまま食べさせてもらう体制に入った。


食べ終わる頃にはスライムさんの体が少し乾燥していた。


俺「……あ、ゴメンね。 お風呂沸かすよ」


ベッドから起き上がろうとすると、手を肩に乗せてスライムに制された。……結構力がある。


俺が困惑していると、スライムは全裸になった。思わず顔を背ける。


全裸……全裸ってなんだ?


……全裸待機?


俺「待てってこと?」


スライム「ハイ」


……別に待てぐらいなら変身で伝えなくても、スライムさん話せるだろ。


すると、スライムさんは風呂場に入ると扉の奥からシャワーの音が聞こえてきた。


ああ、沸かす必要は無かったんだ。


…………

……


翌日


門星学園 βクラス


ラミア「……おれくーん」


ヴァンプ「……流石に3日も会えないと、顔色えげつないな」


タウロ「あぁ……もはや近寄りがたい」


すると突然後方の扉が開いた。


俺「おはよー」


ラミア「ハッ! 俺くんの匂い!」


ヴァンプ「おい」


なんとか俺に突っ込んでくるラミアはヴァンプに抑えられ、押し倒されずに済んだ。


オオカミ「大丈夫なのか? マスクもしてるし」


俺「心配ないよ。熱も下がったし、それに今のうちにーー」


学長「おーれーくーん! コラアアアアアアア!」


俺「ちょっ! 学園長!? なんで!」


っていうかこの人も俺くん呼ばわりか。


学長「まだ微熱なんだから休んでなさいっ! パンデミックになったらどうするの!」


俺「で、でもぉ」


学長「いいから、ほら」


結局俺は引きずられて部屋に押し込まれた……今度はドアの封印もされてしまった。


ラミア「……俺くぅん」


タウロ「……無理するからだ」


******

門星学園 自室


学長「で、なんで無断登校したの?」


俺「……現世に招待券だけでもと」


学長「……俺くん、風邪で頭の回転遅くなったの? 平日は戻れないって」


……そういえばそうだった


学長「もう妹さんが代わりに配ってくれたから安心して」


そうか、アイツちゃんとしてくれたんだ。


学長「とりあえず、俺くんは残り一週間の学園祭までに元気になること。 それだけを守って」


俺「……はい」


…………

……


しかし、現実はそう上手くいくこともなく。


病気は収まることもなく、一週間が来てしまった。


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