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35話「キスは不思議な味がします」

城下町 市場


俺「最後に晩御飯だけ買って帰るけどいいかな?」


タウロ「……今日はカフェテリアで食べないのか?」


なんだか少し残念そうな顔になったので少し訂正を加える。


俺「そのことなんだけどさ、今日は皆で僕の部屋で食べない?」


タウロさんも希望してたし、善は急げとも言うから折角だからと思い立ったから提案したのだが、どう返ってくるだろう。


タウロ「……つまり、俺くんの手料理……」


俺「まあ単なる思いつきだから他の人らも来るかわからないんだけどね」


まあいつものメンバーで食べるとしたら皆来そうだけど。

でもタウロさんは少し固いところがあるから難しいかも……


タウロ「……行く」


俺「えっ?」


よく聞こえなかったので聞き直すと、タウロさんは膝を折り曲げ俺と同じ目の高さになると両肩に手を乗せてきた。そして一言。


タウロ「ぜひ行かせてもらうっ!!」


な、なんか今日のタウロさん鬼気迫るものがある気がするな……。


******

門星学園 廊下


ヴァンプ「やっぱ演劇部大変だな……文化部とは言っても運動するし疲れる……!?」


ラミア「あ、ヴァンプ」


ヴァンプ「いやいやいや!なんでラミアが保健室から出てくんだよ!」


慌てるヴァンプにラミアは首を傾げながら応えた。


ラミア「いや、保健室に入ったから出たんだけど」


ヴァンプ「そういう哲学的な意味じゃなくって!なんでいつもバカ元気なお前が保健室から……」


ラミア「バカは余計だよっ!……強くは否定しないけど。……えーと、まあ俺くん関係かな」


ヴァンプは心の中で「俺くん、強くなったな」と復唱した。


ラミア「なんかすごい失礼なこと思わなかった?」


ヴァンプ「いや、寧ろ褒め称えてたぞ。


ラミア「なんで!?」


ヴァンプ「とにかく尻尾に包帯巻いてるってことは怪我だろ。肩ぐらい貸すぞ」


そういいヴァンプはラミアの腕を無理やり肩に回した。


ヴァンプ「うおっ、結構な重さだな」


ラミア「肩回すなっ!あと失礼だから!」


すると突如ラミアの生徒手帳に電話が入った。


生徒手帳『着いたぞ。着いたぞ。(俺くんボイス)』


ラミア「ん?あ、俺くんからだ」


ヴァンプ「……それ真面目に引くわ」


ラミアはヴァンプの首を腕で絞めながら電話に出た。


俺『あ、ラミアさん?』


ラミア「うん何ー?」


ヴァンプ「ぐほぉ……」


俺『あ、ヴァンプもいるんだ。ならヴァンプにも言ってて欲しいんだけどーー』


かくかくしかじか


…………

……


ラミア「行くぅ!絶対行くっ!っていうかすぐ行く、もう砂漠で打ち拉がれて砂かき分けてでも行く!」


俺『そ、そう?後半なに言ってんのか全然分からなかったけどならいいや。ヴァンプにも伝えておいて。それじゃあ』


ラミア「あっ!もうちょっと話したい……」


ブチッ


ラミア「……」


ヴァンプ「……あ、あんだって?」


ラミア「……皆で俺くんのご飯食べよってさ。なんかすぐに切られたけど」


ヴァンプ「そりゃあお前が……ぎやあ……」


ラミアは息をしてないヴァンプを肩に背負いながら部屋に向かって行った。


******

城下町 門星学園付近


俺「ってわけだから、カエ……妹よ。よろしく」


タウロ「俺くん。そろそろ本名を言いかけるくせは卒業したほうがいいぞ」


俺「前の世界の癖だから抜けないんだよ。妹の場合はずっとそう呼んでたから」


タウロ「自分の名前までか?」


うっ……

痛いところ突かれたなぁ


俺「……なんとかするよ」


タウロ「ならいい。……あ、その荷物預かろう」


俺「いや、いいよ。これくらい自分でしないと本当に貧弱になっちゃう」


タウロ「むぅ……ならせめてそっちを持とう」


タウロさんはそう言うと軽い方の荷物を手に受けた。


俺「悪いね、なんか付き合わせた上にこんなことさせて」


タウロ「構わない。何と言っても俺くんの騎士だからな」


俺「そうだったか」


まあ騎士は買い物袋を代わりに持つ役割では無いと思うけど。


タウロ「でも楽しかった……。すごく充実してたな」


俺「なら良かったよ」


タウロ「……」


俺「……」


う……会話が途切れると気まずいな。


タウロ「……お、俺くん。最後に頼んでもいいか?」


俺「ん?別に出来る範囲なら」


タウロ「……なら少し目を閉じてくれないか?10秒で構わない」


俺「……変なことしないよね」


俺は渋々目を閉じてタウロさんの許可が降りるのを待った。


…………

……


なんか顔の前に温かい何かある気がする。

少し甘い香りがするな、でも何処かで嗅いだことのあるようなーー



ーー!?



タウロ「も、もういいぞ……」


俺「タ、タウロさん! 今なにしたの!? く、唇に何かが……えっ?」


すると当の本人は先に学園に帰ろうと俺から顔の見えない場所まで行っていた。

そして、振り返らず正面を向いたまま叫んだ。


タウロ「……さあ!帰るぞ!」


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