34話「アルミラージは肉食です」
城下町 洋服店
俺「ついでだし、なんか買っていこうかな。もうすぐ夏になるし夏服買わないと」
タウロ「……なあ俺くん、私の国では季節という概念があまりなかったんだが夏とはどんなものだ?」
俺「あつい、日が出てる時間も長くなるし台風は来るでかなり大変だよ」
するとタウロさんは口に手を当てて考えた。
タウロ「ふむ……俺くんは夏は嫌いなのか?」
俺「いや、どちらかというと好きかな? 夏休みがあるし……そういえば、学園から西の方に海が見えたな。また皆で行こうか」
タウロ「み、皆で……そうだな!楽しみだ!」
…………
……
俺「とりあえず、こんなものかな」
タウロ「随分買うんだな」
俺「そういえばタウロさんって私服でもいつも同じ服だよね、一張羅なの?」
タウロ「んなまさかっ!?変なこと言わないでくれ!……ちゃんと違う服なんだが、私に合う服があまりなくて、その結果どうしても似たような服になってしまうのだ……」
それは、生徒である以前に女の子であるタウロさんからすればかなりの問題だろう。
俺「……ちょっと先に行って待っててくれるかな」
タウロ「?……了承した」
また文句言われるかもしれないけど……
僕にも妹がいるから分かるんだよね。
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一方
門星学園 自室
ラミア「寝坊したぁっ!!……あれ。誰もいない」
オオカミ「……何してるんだお前」
ラミア「えっ!?……あ、いや、何もないよアハハ……」
オオカミ「俺くんなら今朝、学園を出て行ったのを見たぞ」
それを聞くとラミアは硬直した。
オオカミ「……?どうした」
ラミア「わ、私が早く俺くんを襲っておけば……」
オオカミ「襲っている自覚はあったんだな」
オオカミの冷静なツッコミを無視するとラミアは部屋から飛び出して行った……が、自分の尾に躓き壮大に転んだ。
オオカミ「……何してんだ本当に」
ラミア「……うぁあ痛い。お、俺くんを追いかけないと……別の女にぃ……」
オオカミ「……俺くんから種族的にもラミアは嫉妬深いと聞いていたが本当だな」
結局その後ラミアは保健室に向かうことになった。
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城下町 クレープ屋
俺「お待たせ」
タウロ「うむ、ではクレープだな」
俺「そうだね」
やはりそこそこの人気があるようで学園の他の生徒もいるようだ。
しかし、回転率が早くて、並んで10分で俺にまわってきた。
俺「えっと……じゃあ、ブルーベリーとチョコバナナを1つずつテイクアウトでお願いします」
店員「はーい。……どうぞ」
俺「ありがとうございます」
すると、タウロさんも
タウロ「えっと……ミルクベリーとチョコティラミスを頂きたい」
店員「はーい」
俺「なんだ、タウロさんも食べるんだ」
しかも2つか。
タウロ「いや、少し気になったのでな。ほら、俺くん」
俺「えっ?くれるの」
タウロ「構わない、ただ俺くんの好みがイマイチ分からなくて取り敢えず俺くんが買ったものと似たものを選んだ」
俺「えっ!タウロさんの好きなもの買えばよかったのに」
タウロ「私は……スイーツなら何でも好きだ……」
そう言いながらもタウロさんはミックスベリーを自分の胸に近づけた。
無意識だろうが、タウロさんらしいな。
俺「じゃあチョコティラミス貰うよ。チョコ好きなんだよね」
嘘ではないから、構わないだろう。
タウロ「そっそうか!ならよかった」
すると嬉しそうにタウロさんはハムハムとミルククリームを頬につけながら満面の笑みで食べ始めた。
これは……すごいギャップ萌えだ。
タウロ「ん?どうした、俺くん。食べないのか?」
俺「い、いや、頂くよ」
危ない危ない……。
もし悶絶してることがバレたら、タウロさんがまた顔真っ赤にして馬蹴りしてくるかもしれない。
……まあタウロさんに馬蹴りされたことないと思うけど。
……なんだろな、ここに来てから凄く怪我するようになったから色々混合しちゃったのかもしれない。
俺「……はぁ」
タウロ「……お、俺くん。私の食べるか?」
俺「えっ?」
すると、タウロさんは俺の頭の位置までクレープを持つ手を顔から下げた。
タウロ「い、いや。俺くん溜息ついたから、もしかして私に気を遣ってチョコ選んでくれたのかと思ってだな……食べかけで悪いが……」
……変な気遣わせちゃったな。
俺「気にかけてくれてありがとう。ううん、気持ちだけ貰うよ」
タウロ「むう……」
まあ、タウロさんは前に俺を護るって言ってくれたから、気にする問題じゃないな。
その日食べたクレープはほんのりと苦かった。




