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28話「日本妖怪は多種多様です」

門星学園 中庭


俺「……どこも合わないな」


妹「力量の差があるもんね……どうする?」


俺「……そうだね、帰宅部でいいんじゃないかな?」


結局文化部も俺には合わないものばかりだった。


オカルト研究会とかもあったが、そもそもここの生徒自体オカルト的だと思う。


妹「お兄ちゃん。部活は大事だよ」


俺「つってもなぁ……」


選び始めて3時間、外は明るくともかなり歩いた。

疲れたため、ベンチに腰を下ろしペットボトルからジュースを飲む。


?「あ、やっと見つけた。俺くん!」


突然、聞いたことのある声が耳に入った。


俺「ゆ、雪女さん?どうしたんですか」


雪女「俺くん。確か部活入ってないよな?なら私の部活に入って欲しい」


妹「でも、お兄ちゃん。運動神経も頭もそんなにいいというわけでは無いですよ」


事実、文化部も行ったが科学部は賢い種族、吹奏楽部は音楽関係の種族が集まっており俺の入る隙が無かったのである。


雪女は初めて見る生徒に誰何を問いた。


雪女「……君は?」


妹「日本人です。妹です」


雪女「日本人……なるほど、面白いな。それにしても妹か、なら君も入れ」


結局、有無を言わせずに部室に連れて行かれた


******

??部


門星学園 ??室


俺「……変な部活じゃないですよね」


雪女「いいからいいから」


息を呑み、一呼吸置いてから扉を開けた。


すると……


?「おお来たか」


?「待ってたよ!確か俺くんだっけ?」


?「ヘぇ〜思ったより、普通だな」


?「そ、そうかな?」


次々に色んな生徒から声を浴びせられ、困惑する。


俺「な、なんですかここ。見た感じ日本妖怪ばっかですけど、日本妖怪同類会かなんかですか?」


雪女「先輩静かにしてください。あー、悪いな俺くん、説明する」


とりあえず、俺と妹は椅子に座らされて、暫くするとお茶が出された……


俺「……毒とか入ってないですよね」


?「も、もちろん!毒は入れてないよ!毒は!」


妹「え!どうしようお兄ちゃん!私飲んじゃったよ!?」


雪女「震々(ぶるぶる)先輩、落ち着いてください。大丈夫だ俺くん、入ってるものと言えば抹茶くらいだ」


震々(ぶるぶる)?……これまたマニアックなのが居たな。


俺「……で俺に何部に入れっていうんですか?言っておきますけど何もできませんよ」


わざとぶっきらぼうに言ってみるが雪女は苦笑して答えた。


雪女「いや、それは分かっている。この部が欲しいのは君の異種族に感する知識だ」


妹「……この部って?」


?「言ってなかったのか?」


雪女「はい、先輩」


その声の主はキツネ耳をつけた少女だった。


?「すまんのう、何も聞かせず連れてきてもうた。質問に答えよう、ここは生徒会室、そして妾たちは生徒会執行部じゃ。ちなみに妾は大学部。生徒会長を務めておる」


せ、生徒会?

妹はそれよりもロリババアとか言い出しそうだったので、無理やり抑えた。


?「……何しとるんじゃ?」


俺「なんでもないです」


妹「んー!んー!」


?「まぁよい、しかし汝の実力は妾も耳にしただけじゃ。妾の種族名を当ててみよ」


いきなりクイズかよ。

まあいいや、えっと……キツネ耳か。玉藻前は確か妹の担任だったから違うと思う。

そうすると残りは妖狐かオサキ狐、もしかしたら管狐が変化した姿かもしれない。

うむぅ、キツネの妖怪って多いんだよな。


しかし、よく見ると尻尾が9本ある。

なんだ、簡単だった。


俺「九尾ですか」


九尾「うむ、さすがに簡単すぎたかの。それでは、こやつはなんじゃと思う」


?「私だね!よし、当ててご覧よ」


俺「むむ……」


感じは女の子に見えるけど、服が変わっていて着ぐるみみたいにモコモコしている。

……もしかすると、これは人間に化けているのか?


俺「……化けるのってありですか?」


九尾「ほうバレたか。ほれ、元に戻れ」


?「えーっ!元の姿あまり好きじゃないんだけどなぁ」


すると、変化が解けたのか着ぐるみが広がって彼女の体が完全に無機質な着ぐるみに包まれた。

いや、この着ぐるみ自体が彼女なのか。


……よし分かったぞ。


俺「暮露暮露団(ぼろぼろとん)ですね」


暮露「凄いなぁ。まあいっか!改めまして!中学部!暮露暮露団です」


九尾「ふむ、思ったより面白い奴じゃのう。気に入った、お主よ生徒会に入れ。そこの童もじゃ。」


妹「わ、私も!?」


しかし、なんで俺なんだ?

そう首を捻っていると幼い見た目の会長さんが答えてくれた。


九尾「生徒会には色んな頼みが届く。すると、やはり種族の知識が必要となってくるのじゃ」


?「そこで俺たちは雪女から俺くんの噂を聞いたんだ」


太い声が聞こえ、そこを見ると人面の牛の姿が見えた。唯一人間に化けていない。


?「あー、すまない。俺は高等部の(くだん)……ってもアンタには分かるか」


俺「……予言する、鬼の妖怪ですね。確か予言すると死ぬと聞きましたけど」


件「まあな、だから普通の人面牛とでも思っててくれ」


そういうと、件は鼻を鳴らした。


九尾「……まあこやつらで全員じゃ」


妹「少なくない?」


九尾「ああ、少ない。しかし汝の力はかなりの役に立つ……頼む、我が生徒会に入ってくれ!」


生徒会一同は会長の言葉に合わせて頭を下げた。


……そこまでされると、流石に断れないな。

それに、俺にしか出来ないといわれたら……


俺「……頭を上げてください、分かりましたよ。入ります」


九尾「ほ、本当か!」


俺「ええ、でも妹はオマケみたいになるんですけどいいんですかね」


妹「オマケ言わないでよ!私だってそこそこ詳しいよ!」


妹は足を蹴りながら文句を垂らした。


けっこう痛い。


九尾「そうなのか?」


俺「……まあはい、俺が教えてたので」


九尾「ならお主も入れ、童が入ると華やかになる」


妹「なんで私、子供扱いばっかされてるの!?」


こうして、俺と妹は日本妖怪同類会及び生徒会執行部に入ることになった。

今回は日本妖怪メイン


震々(ぶるぶる):

今昔画図続百鬼に出てくる妖怪の一つ。

恐怖を感じた時にゾッとする現象の要因らしいとされており、人から寒気を食うとされている。ただ今作の震々は本人が代わりにブルブルしている。


九尾:

日本妖怪と思いきや、実は中国の妖怪(筆者も知って驚いた)狐憑きの一つ。

玉藻前と九尾は同じものとされているが、今作では尾の数が同じだけだということで違うものとしている。


妖狐:

人を化かすといわれている狐の妖怪、だが助けてくれた人間に対しては恩返しをすると言われている。油揚げが好き。また白狐や銀狐など様々な妖狐がいる(九尾やオサキ狐もその一種)。


オサキ狐:

日本の各地方に伝わる狐の憑き物。

尾が二つに裂けているため「尾裂狐」と表されることもある。九尾もその一種である。身のこなしが早く、神出鬼没。


管狐:

主に中部地方に伝わる狐の妖怪。

竹の筒の中に入るほどの大きさで、家にいると裕福になると言われている。

しかし、それも初めのうちで暫くすると75匹にまで増えるので家が食いつぶされてしまう。(個人的にはHOL○Cを思い出す)


暮露暮露団(ぼろぼろとん):

日本妖怪の一つ、百鬼徒然袋に出てくる妖怪だが民間伝承はない。

ぼろぼろの布団の九十九神とされている。


(くだん):

日本各地で伝承される妖怪。名前の通り人と牛が合わさった姿で人面の牛の姿として表現される。牛から生まれ災難を予言するがすぐに死ぬ。件の絵姿は厄除招福の護符とされている。


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