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ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります  作者: はぶさん


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第三百二十四話:狂気の王宮ケータリング。黄金コンソメと熱々シーフードドリア、そして『王室御用達』の最強ブランド

「……ルークス君。信じられないことになった。手が、いや、全身の震えが止まらないんだが……」


 純喫茶とフルーツパーラーの二枚看板で、王都の富裕層の胃袋と財布を完全に支配し始めた『最強農園』の店舗裏。

 ガリウス所長が、一枚の重厚な羊皮紙を握りしめ、顔面を蒼白にしてへたり込んでいた。

 その羊皮紙には、王家の紋章である『双頭の獅子』の極印が、これでもかとばかりにデカデカと押されている。


「落ち着けって、所長。ただのケータリング(出張料理)の依頼書だろ?」

「ただの依頼なわけがないだろう!! こ、国王陛下だぞ!? 今夜、王宮で開かれるごく身内の晩餐会で、噂になっている我が店の料理を出せという『王命』だ! もし陛下のお口に合わなければ、我々は不敬罪で即刻、王都追放……いや、最悪の場合は死刑だぞ!!」


 ガリウス所長だけでなく、エレナ様やマリアさんも青ざめて身を寄せ合っている。

 だが、俺は漆黒のギャルソン服の袖をまくり上げ、不敵な、そしてどこまでも野心に満ちた笑みを浮かべた。


「不敬罪? 死刑? ……冗談きついぜ。これはピンチなんかじゃない。俺たちのビジネスを王都全域に、いや世界中に知らしめるための『最高の無料広告プロモーション』であり、最大のチャンスだ!」

「し、しかしルークス様! 王宮の料理人たちは、世界中から集められた超一流ばかりですわ! 私たちが普段お出ししているパンケーキやカツサンドでは、庶民的すぎるとお怒りになるのでは……」

「エレナ様、相手が王族だろうが神様だろうが、人間の胃袋の構造は同じだ。毎日毎日、気取ったソースと金箔まみれの冷めた高級フレンチばかり食わされてる王族にこそ、俺たち農民が作る『暴力的なまでの旨味と熱々(シズル感)』が、脳天に直接ぶっ刺さるんだよ!!」


 俺は、力強く拳を握りしめた。

 提示された報酬は『500万新ポイント』。大金ではあるが、今の俺たちの稼ぎからすれば、目が飛び出るほどの額ではない。

 だが、王族の胃袋を完全に掴んだその先に待っている『本当の報酬ブランド』を想像し、俺は武者震いを抑えきれなかった。


「行くぞお前ら! 王宮の厨房を乗っ取り、国王の舌と理性を、俺たちのチート農業の力で完全に屈服させてやる!!」


 ◇


 王宮の広大な厨房。

 そこでは、何十人ものお抱え料理人たちが、俺たち「田舎の農民」を親の仇のように冷ややかな目で睨みつけていた。


「ふん。大公爵閣下の口利きか何か知らんが、泥まみれの農民が陛下の晩餐会を任されるなど、王宮の歴史の汚点だ」

「どうせ、田舎臭い芋の煮っ転がしでも出すのだろう。陛下の舌を満足させられるはずがない」


 料理長らしき初老の男が鼻で笑うが、俺はそんな雑音を完全に無視し、持参した巨大な寸胴鍋を魔導コンロの火にかけた。


「まずは、王族の冷え切った胃袋を優しく、かつ強烈に目覚めさせる『黄金の魔法』だ」


 俺が寸胴鍋に投入したのは、フェンが狩ってきた『神話級・飛竜ワイバーン』の極上の骨付き肉と、地下農場で育て上げた神話級のタマネギ、セロリ、ニンジンといった香味野菜の数々。

 それらを大量の純水と共に、一切の妥協なく、アクを徹底的に取り除きながら何時間も、何時間も弱火で煮込み続ける。

 そして、最後に卵白を加えてスープの中の不純物を完全に吸着させ、静かにす。


「完成だ……。一切の濁りを持たない、究極の『神話級・黄金コンソメスープ』!!」


 鍋から立ち昇るのは、飛竜の圧倒的な旨味と、神話級野菜の優しい甘みが極限まで濃縮された、涙が出るほどに芳醇で、深すぎる香りの暴力。

 そのあまりに神々しい香りに、先ほどまで俺たちを嘲笑していた王宮の料理人たちが、信じられないものを見るような目で押し黙り、ゴクリと一斉に生唾を飲み込んだ。


「メインディッシュの準備だ! 気取ったフルコースなんて出さねえ! 一つの皿にすべての旨味を凝縮させた、熱々の『暴力』を叩き込む!!」


 俺は、特濃ジャージーミルクと神話級小麦のバターで、極上の『ホワイトソース(ベシャメル)』を練り上げる。

 そして、耐熱の巨大な陶器の皿に、バターライスを敷き詰め、フェンが海で命懸けで獲ってきた『神話級・大海老』と『魔王ホタテ』を惜しげもなくゴロゴロと乗せる。

 その上から、先ほど練り上げた極濃ホワイトソースを滝のようにたっぷりとかけ、さらにその頂上に、エルフの里で熟成させた『3種の神話級・特濃チーズ』を、まるで雪山のように山盛りに乗せた!


「王宮の魔導オーブン、最高火力で一気に焼き上げるぞ!! 焦げ目が命だ!!」


 数分後。


 ――グツグツグツッ!! ジュワァァァァァァァッ!!!!!


「うおおおおおっ!! チーズが! 表面のチーズが黄金色に焦げて、ホワイトソースがマグマのように煮えたぎっている!! 匂いが! 焦げたチーズとシーフードの匂いが理性を直接破壊するぞ!!」


 オーブンから取り出されたのは、表面がカリッカリに焦げ、内部からは暴力的なまでの熱気と磯の香りが吹き出す『神話級・特濃シーフードドリア』!!


「冷める前が勝負だ! 国王陛下の元へ、全速力でお持ちしろォォォッ!!」


 ◇


 王宮の豪華絢爛な大広間。

 長いテーブルの上座に座る、初老でありながら威厳に満ちた国王陛下。その前に、俺たちの作った料理が恭しく運ばれた。


「……ほう。農民が作ったと聞いていたが、美しい。まるで液体の宝石のようだな」


 国王は、金糸の装飾が施されたスプーンで、琥珀色に澄み切った『黄金コンソメスープ』を一口すくい、静かに口へと運んだ。


 ……コクッ。


「…………ッ!!?」


 国王の威厳ある瞳が、限界まで見開かれた。

 美味い!! なんだこの、限りなく透明でありながら、全身の細胞を歓喜で震わせるような圧倒的な旨味の爆弾は!!!

 口に含んだ瞬間、飛竜の強烈な動物性の旨味がガツンと響き、それを神話級野菜の奥深く優しい甘みが完璧に包み込み、喉の奥へと滑り落ちていく。

 それは、毎日豪華すぎる食事で疲労していた国王の胃袋を、まるで大自然の温泉に浸したかのように優しく、そして強烈に癒やし、活性化させたのだ。


「う、美味い……! なんという奥深さだ! ただのスープではない、命そのものを飲んでいるようだ!!」


 スープで胃袋が完全に目覚めた国王の前に、メインディッシュである『神話級・特濃シーフードドリア』の熱々の器が置かれた。


「な、なんだこれは!? グツグツと煮え立って、チーズが焦げているではないか! このような庶民的な……いや、しかしこの香りは……!」


 国王は抗いがたい暴力的な匂いに負け、銀のスプーンを、焦げたチーズの表面へと突き立てた!


 ――パリッ! トロォォォォォォッ……!!


「おおおおおっ!! スプーンを入れた瞬間、中から熱々の湯気と、濃厚なホワイトソースが……!!」


 国王は、とろけるチーズが糸を引く熱々のドリアをすくい上げ、火傷も構わずに「ハフッ、ハフッ!」と大きく口に放り込んだ!


 ……ハフッ!

 トロァァァァァァァッ!! プリィンッ!!!


「んんんんんんんんんッ!!!!??」


 国王の理性が、熱と旨味の暴力によって完全にメルトダウンし、消え去った。

 美味い!! 美味すぎる!! なんだこの、一口にすべてが凝縮された『熱々の暴力』は!!!

 口の中を火傷しそうなほどの高温のホワイトソースが、濃厚すぎるミルクのコクを大爆発させる! そこに、焦げたチーズの強烈な塩気と香ばしさが絡みつき、さらに! 噛み締めた瞬間、神話級の大海老とホタテから、海そのものを濃縮したような暴力的なまでの旨味エキスがジュワァァッと溢れ出し、バターライスと完璧に融合するのだ!!


「う、美味ぇぇぇぇぇぇっ!!! 熱い! 熱いのにスプーンが止まらん!! 上品なフレンチのソースなど目ではない! この暴力的なまでのチーズのコクと、海の旨味が絡み合った熱々のメシこそが、王である私が真に求めていた『味』だァァァッ!!」


 国王は、王としての威厳も、テーブルマナーも完全に投げ捨て、額に大粒の汗をかきながら「ハフハフッ!」と音を立てて熱々のドリアを貪り食った。


「素晴らしい……! 見事だ、ルークスとやら! 余の舌と胃袋を、ここまで満足させた料理人は、そちが初めてだ!!」


 完全に、国王の胃袋と理性を屈服させた。

 俺はギャルソンとして深々と一礼し、腹の底で勝利を確信した。


 ◇


 晩餐会が終了し、王宮の控え室。

 俺たちの目の前には、報酬である『500万新ポイント』の振込明細と、そして……国王の直筆のサインと双頭の獅子の極印が押された、一枚の『豪奢な木札』が置かれていた。


「はぁ……はぁ……。助かった……。不敬罪で首を刎ねられずに済んだよ……」

「しかも、報酬500万ポイントですわ! これでまた一歩、1億ポイントに近づきましたわね!」


 ガリウス所長とエレナ様が安堵の息を吐きながら喜ぶが、俺は振込明細など見向きもせず、その『木札』を大切そうに両手で拾い上げ、狂喜に満ちた悪魔的な笑みを浮かべた。


「500万ポイント? バカ言え、そんなはした金なんかどうでもいい。……俺たちにとっての真の報酬は、こっちだ」

「えっ? その木札が、ですか?」


 俺は、その木札に刻まれた文字を、愛おしそうになぞった。

 そこには、こう刻まれていた。

 ――『国王陛下御用達ロイヤルワラント・最強農園』。


「ふ、ふはははは……アーッハッハッハッハ!!」


 俺は控え室の天井を仰ぎ見て、高笑いを上げた。


「分からねえか、所長! 一括で5000万ポイント貰うより、この『王室御用達』の看板の方が、ビジネスにおいては100倍、いや1000倍の価値があるんだよ!!」

「1000倍の価値……?」

「そうだ! この看板を俺たちの店の前に掲げれば、王都中のすべての貴族や大商人が、『国王様と同じものを俺にも食わせろ!』『王家と同じものを食べているという優越感が欲しい!』と、文字通り目を血走らせて群がってくるんだ! そうなれば、パフェが1杯50万だろうが、コーヒーが1杯10万だろうが、奴らは一切の文句を言わずに言い値(ぼったくり価格)で喜んでポイントを支払う!!」


 俺は、王室御用達の看板を高く掲げた。


「これはただの木札じゃねえ! 王都のすべての富裕層から、未来永劫、合法的に莫大なポイントを搾り取り続けるための『最強のパスポート』だ!! やったぞォォォッ!! これで1億ポイントへの道が、完全に、そして絶対的なものとして舗装されたぞォォォッ!!」


 王宮の静かな控え室で響き渡る、悪徳農民(経営者)の歓喜の叫び。

 現金という目先の利益ではなく、ブランドという『最強の権威』を手に入れたルークスのビジネスは、もはや誰にも止めることのできない、圧倒的な無双状態へと突入していくのだった。



**【読者へのメッセージ】**

第三百二十四話、いかがでしたでしょうか!

ご期待にお応えし、目先の大金ポイントインフレではなく、ビジネスにおいて最強の武器となる**「王室御用達ロイヤルワラント」のブランド**を勝ち取る、痛快な展開を描かせていただきました!


国王の威厳すら破壊する今回の飯テロは「黄金コンソメ」と「特濃シーフードドリア」!

飛竜と神話級野菜の旨味を極限まで澄ませた琥珀色のスープで胃袋を癒やし、その直後に焦げたチーズとホワイトソースがマグマのように煮えたぎる熱々のドリアを叩き込む!

「ハフハフ!」と火傷しそうになりながら、シーフードの旨味とチーズの暴力に陥落する国王の姿は、最高のカタルシスでしたね!


「500万ポイントなんかより、この看板の方が100倍価値がある!」と悪魔のように笑うルークス。

経営シミュレーションとして、自らの手で「永続的に稼ぎ出す仕組み」を構築していくこのワクワク感こそ、シーズン2の醍醐味です!


最強のブランドを手に入れ、1億ポイントへの道が完全に開けたルークス。

ここから一気にゴールへ向けてのラストスパートが始まるのか!? 次回の展開にも、ぜひご期待ください! ブックマークと評価もよろしくお願いいたします!


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