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ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります  作者: はぶさん


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第三百十九話:狂気の王都プレゼン(接待商談)。とろけるフカヒレと金目鯛の特濃姿煮、そして超高額サブスク契約の成立

第三百十九話:狂気の王都プレゼン(接待商談)。とろけるフカヒレと金目鯛の特濃姿煮、そして超高額サブスク契約の成立


「……ここが、この異世界においてシステム(国税庁)と結託し、経済の中心地を牛耳っている王都。そして、その中でも最大の権力と『莫大なポイント(金)』を溜め込んでいる大貴族の屋敷か」


 雲一つない青空の下。巨大な城壁に囲まれた王都の、さらにその中心に位置する一等地にそびえ立つ、城と見紛うばかりの豪奢で威圧的な大公爵邸。

 その巨大な鉄格子の門前で、俺は腕を組み、不敵で、そしてどこまでもガメつい笑みを浮かべていた。


 俺のアイテムボックスの最深部には、チート農業の極致と、幻獣モフ丸の導きによって誕生した奇跡の果実……『神話級・虹色王冠メロン』が、厳重な魔法冷却保存の状態で眠っている。

 これをただの市場マルシェに並べて、「はい、一玉数千ポイントです」などと、薄利多売の三流農民のような真似をして売り捌くつもりは毛頭ない。

 狙うは、この王都の最大派閥を率いるトップ・オブ・トップ。美食家として名高く、そして何よりも『老いと健康』に異常なほどの執着を持つという、この世界における最高の『超富裕層カモ』である大公爵だ。


「ル、ルークス君……。いくら何でも、いきなり大公爵閣下の屋敷に直談判なんて無謀すぎるんじゃないか? 私たちはついこの間まで、借金に追われて雑草を齧っていた身分だぞ。門前払いされるか、最悪の場合は不敬罪で地下牢行きだ……」

「ガリウス所長。ビジネスにおいて一番手っ取り早く、かつ最もリターンが大きいのは、『一番金を持ってるトップ』の胃袋と欲望を、直接この手で鷲掴みにすることなんですよ。俺がかつてブラック企業で血反吐を吐きながら鍛え上げた『接待プレゼンスキル』を舐めないでいただきたい!」


 俺は、事前に市場のギルド長ルートから大枚(開拓村で稼いだポイントのほぼすべて)を叩いてねじ込んでおいたアポイントメントの証明書を門番に突きつけ、堂々と、そして傲慢なまでの足取りで公爵邸へと足を踏み入れた。


 ◇


「……で? ただの田舎の限界集落の農民が、この私に何の用だと言うのだ? 私の1秒は、お前たちが一生かかって泥水すすって稼ぐポイントよりも遥かに高いのだぞ」


 最高級の大理石が敷き詰められ、金や宝石の調度品で飾られた、目が眩むほどに豪華な応接間。

 その奥にある、まるで玉座のようなふかふかの特注ソファに深々と腰掛け、傲慢な視線で見下ろしてくるのは、豪奢な絹の衣装に身を包んだ白髪の老人……王都の経済を裏で牛耳る権力者、大公爵その人だった。

 その目は、俺たちを同じ人間どころか、路傍の石ころ以下にしか見ていない。


「閣下の貴重にして至高のお時間をいただき、光栄の極みでございます。本日は、閣下のその強大な権力と、何よりその『寿命』を、永遠に強固なものにする『奇跡の果実』の、独占契約のご提案に上がりました」

「ほう? 永遠の権力と寿命、だと? ……フンッ。口の減らない、ホラ吹きの農民だ。いいか? 私はこれまでの長い人生で、世界中のありとあらゆる美食、そして不老不死を謳う怪しげな霊薬を数え切れないほど口にしてきた。もし、貴様が持ち込んだものが中途半端なチャチな代物であったなら、即座に不敬罪でその首を刎ね、一族郎党すべてを奴隷として売り飛ばすぞ」

「ご安心を。……ですが、その奇跡の果実をお見せする前に。まずは私の『農民としての腕(料理)』で、世界中の美食を知り尽くしたという閣下のその肥え太った舌を、完全に満足させてご覧に入れましょう」


 俺は不敵な笑みを崩さず、応接間に隣接する賓客用の巨大な厨房を借り受け、アイテムボックスから極上の食材を取り出した。


「今日はオークの肉や、屋台のソースのような暴力じゃねえ。王侯貴族を極限まで唸らせる、和食と中華の技術の最高結晶……『極上の照りと、暴力的コラーゲン』で勝負だ!!」


 用意したのは、俺たちの拠点のチート養殖場で手塩にかけて育て上げた『神話級・黄金金目鯛』と、フェンが荒狂う海で命懸けで狩ってきた『海竜の特大フカヒレ』だ。


 まずは、まな板の上に鎮座する、丸ごと一匹の巨大な黄金金目鯛のウロコを丁寧に引き、皮目に美しい飾り包丁を入れる。

 それを、特大の分厚い平鍋に入れる。

 そこに、最高級の熟成たまり醤油、極上の本みりん、香り高い神話級の高級料理酒、そして臭み消しと風味付けのための、たっぷりのスライス生姜と白ネギをぶち込み、強火で一気に煮立てる!


 ジュワァァァァッ!! ボコボコボコッ!!


「煮付けは火加減と『手当て』が命だ! 煮汁を何度も、何度も何度も魚の表面に回しかけ、極限の『照り』をまとわせるんだよ!!」


 甘辛い醤油とみりんが熱せられ、アルコールが飛んで旨味だけが凝縮されていく。日本人なら誰もがDNAレベルで悶絶する、あの暴力的で、それでいてどこまでも上品で香ばしい匂いが厨房に充満する。

 金目鯛の美しい赤い皮が弾け、中の純白の身がふっくらと煮上がり、表面全体が黄金色の煮汁でテカテカに光り輝いたところで、崩さないように慎重に巨大な有田焼の平皿へと移す。


「よし! ここからが接待飯の真骨頂、極限の足し算だ!」


 隣の魔導コンロでは、数日がかりで完璧に水で戻し、臭みを完全に抜き去った後、極上の『神話級・鶏白湯トリパイタンスープ』でトロトロになるまで何時間も煮込んだ『大人の手のひらよりもデカい、超極厚の海竜フカヒレ』が、琥珀色の特濃餡あんの中でグツグツと甘美な音を立てている。

 俺は、その極厚フカヒレを、ゼラチン質が溶け出した極濃の餡ごと巨大な玉杓子ですくい上げ、先ほどの黄金金目鯛の上へ、まるで黄金の滝のようにドバァァッ!と容赦なくぶっかけた!


「完成だ!! 『神話級・金目鯛と海竜フカヒレの特濃・黄金姿煮』!! エレナ様、冷めないうちに、熱々のまま一秒でも早く閣下のお持ちしろ!!」


 ◇


「……ほう。香りは悪くない。農民の泥臭い料理にしては、なかなかの見栄えではないか」


 応接間の巨大なテーブルにドンッと置かれた黄金の姿煮を前に、大公爵は依然として傲慢な態度を崩さないまま、訝しげに純銀の箸を手に取った。

 琥珀色のフカヒレ餡が、テカテカに照り輝く金目鯛の巨体を完全に覆い尽くし、熱々の湯気と共に、甘辛い熟成醤油の香ばしさと、濃厚な鶏白湯の圧倒的なコラーゲンの香りを放っている。

 大公爵が、銀の箸の先を、餡にまみれた金目鯛の身にスッ……と入れた瞬間だった。


「……むっ!?」


 何の抵抗もない。力を入れたわけでもないのに、箸を入れただけで、極限までふっくらと煮上がった金目鯛の純白の身が、まるで淡雪のようにホロリと美しく崩れたのだ。

 大公爵は目を見開き、その純白の身に、極厚のフカヒレの繊維と、ドロリとした濃厚な琥珀色の餡をたっぷりと絡め、ゆっくりと、警戒するように口に運んだ。


 ……ホロォッ。

 トロァァァァァァァンッ!!!!


「んんんんんんんんんッ!!!!??」


 傲慢に細められていた大公爵の両目が、眼球がこぼれ落ちんばかりに限界まで見開かれた。

 美味い!! なんだこの、舌の上で細胞そのものが溶けていくような、圧倒的で暴力的な旨味の津波は!!!

 口に入れた瞬間、金目鯛の繊細で極上の脂が乗った純白の身が、噛む前にホロリと溶けて消える。

 だが、それが消え去る間もなく、『海竜のフカヒレ』の強烈でプリプリとした弾力と、繊維の一本一本にまで限界まで染み込んだ鶏白湯の濃厚すぎるコラーゲンが、口の中を暴力的に蹂躙し始める!

 甘辛く、極限まで煮詰められた熟成醤油とみりんの深いコクが、フカヒレの餡と完璧に融合し、上品でありながら脳髄を直接ハンマーで殴りつけるような『超濃密な旨味の塊』となって、喉の奥へと滑り落ちていくのだ!


「う、美味い!! 美味すぎる!! なんだこれは!! 魚の繊細な旨味を、この暴力的なまでに濃厚なコラーゲンの餡が完全に包み込んでいる! 噛むたびにフカヒレの極上の食感が弾け、旨味が無限に、際限なく湧き出してくるぞ!!」

「閣下。驚かれるのは、そしてお箸を止めるのは、まだ早いですぞ。和食の繊細な煮付けと、中華の豪快なフカヒレ。この二つが完璧に合わさった時に現れる『究極の背徳の食べ方』をお見せしましょう」


 俺は、炊きたての、湯気がもうもうと立ち昇る『神話級・古代砂小麦の白飯』が山盛りに入ったおひつを、ドンッ!とテーブルのド真ん中に置いた。


「残った金目鯛のホロホロの身と、この琥珀色に輝く特濃のフカヒレ餡を……この熱々の白飯の上に、一切の遠慮なく、容赦なくぶっかけて、一気にかき込むのです!!」

「な、なんと下品な……! 貴族の頂点であるこの私が、そのような労働者のような食べ方を……」


 口ではそう言いながらも、大公爵の震える手は、放たれる暴力的な匂いの前に完全に理性を失っていた。

 大公爵は自らお玉を手に取り、琥珀色のタレと純白の身、そしてフカヒレを、真っ白なご飯の上にドバァァッと山盛りに乗せ、銀のスプーンでなりふり構わず一気にかき込んだ!


 ズズッ!! ジュワァァァァァッ!!!


「おおおおおおおっ!!! 美味い!! 美味すぎる!! 米の一粒一粒に、甘辛い醤油ダレと濃厚なコラーゲンが完全にコーティングされている! 私が今まで食べてきた王宮のフルコースなど、ただの残飯に等しい! このタレかけご飯こそが、至高だァァァッ!!」


 大公爵は、額に大粒の汗を浮かべ、貴族の矜持も、テーブルマナーも完全に投げ捨てて、お櫃の白飯を狂ったようにかき込み続けた。

 完全に、胃袋を掴んだ。

 接待プレゼンの第一段階は、大成功だ。


 ◇


「ふぅ……。見事だ、ルークスとやら。私をここまで満足させ、我を忘れさせた料理人は、私の長い人生において初めてだ。褒めてつかわす」


 すっかり腹を膨らませ、上機嫌で食後の高級な茶をすする大公爵。

 俺は、勝負の時が来たとばかりに、アイテムボックスの最深部から、本命中の本命である切り札を取り出した。


「お気に召していただき、何よりでございます。……ですが、本番はこれから。先ほど閣下にご提案した『永遠の寿命と権力』をもたらす奇跡の果実……本日のデザートでございます」


 テーブルの上に静かに置かれたのは、虹色に眩く輝き、周囲の空気すらも清浄にするような魔力を放つ『神話級・虹色王冠メロン』の切り身だった。

 大公爵がそれを一口、無造作に口に含んだ瞬間。


「……ッ!!?」


 大公爵の老いた身体が、ビクンッ!と大きく、激しく跳ねた。

 フルーツの概念を根底から覆す圧倒的な甘みが口いっぱいに広がるのと同時に、メロンの果汁に限界まで濃縮された『超回復(若返り)』の極大バフが、老いた公爵の衰えた細胞を、一瞬にして活性化させたのだ。

 曲がっていた背筋がメキメキと音を立ててピンと伸び、白髪混じりだった髪に黒々とした艶が戻り、シワだらけだった顔の肌が、見る間に20代のような若々しいハリと弾力を取り戻していく!


「な、なんだこれは!? 身体の底から、無限の力が湧き上がってくる! 20年……いや、40年は若返ったような、凄まじい活力が……!!」

「いかがでしょう? これこそが、我が最強農園のみが栽培に成功した、完全オリジナルブランド『神話級・虹色王冠メロン』です」

「す、素晴らしい!! これだ!! これこそ私が生涯をかけて求めていた、不老不死の霊薬だ!! おい農民! いや、ルークス殿! このメロン、一体いくらだ!? 私がすべて買い取ろう! 金に糸目は一切つけん!!」


 完全に食いついた。いや、喉から手が出るほど欲しがっている。

 俺は、かつてブラック企業の営業で磨き上げ、そしてこの異世界でシステム(国税庁)に散々苦しめられ、搾取されて学んだ『悪魔のビジネススマイル』を、口元に深く浮かべた。


「閣下。誠に申し訳ありませんが、このメロンは『1玉いくら』という、単発の買い切り(売り切り)ではご提供しておりません」

「……何? どういうことだ? 金ならいくらでも出すと言っているのだぞ!」

「この奇跡の果実は、鮮度と内包する魔力が命。閣下のその素晴らしい若さと健康、そして権力を『永遠に』維持するためには、毎月、最も良い状態のものを継続的にお召し上がりいただく必要があるのです」


 俺は、懐から、徹夜で条項を練り上げた分厚い羊皮紙の契約書を取り出し、テーブルの上を滑らせて大公爵の目の前に提示した。


「ですので、これは『VIP限定・月額定期購入サブスクリプション契約』となります。毎月、採れたてのメロンを閣下だけに確実にお届けする代償として……月額『1000万新ポイント』を、閣下の口座から自動引き落としで頂戴いたします。また、途中解約の場合は高額な違約金が発生いたします」


「つ、月額1000万ポイントの……自動継続契約だと!?」


 横で控えていたガリウス所長が、そのえげつないビジネスモデルに息を呑む。

 だが、圧倒的な若返りの快楽と、それを失い再び老いの恐怖に怯えることを想像してしまった大公爵にとって、もはやその金額は問題ではなかった。


「……よかろう。私の健康と絶対的な権力を永遠に維持できるなら、月1000万など安いものだ。独占契約だな? 他の貴族には絶対に渡すなよ!」

「もちろんでございます、閣下。……では、こちらに血判を」


 大公爵は、一切の躊躇なく、自らの指を切って契約書に血判を押した。


 ピロリンッ♪


 【システム通知:王都・大公爵家との『月額定期購入サブスクリプション契約』が正常に締結・システム登録されました】

 【初月分の代金 10,000,000 新pt が、ユーザーの口座に振り込まれました】

 【※以降、毎月1日に同額が自動的に入金されます】


「ふ、ふははははっ……!! アーッハッハッハッハ!!」


 王都の大通りへと出た俺は、システムに登録された契約書の控えを強く握りしめ、青空を仰いで高笑いを上げた。


「やったぞ……! 毎月1000万ポイントが、俺が何もしなくても、寝ていても自動的に振り込まれる『超極太の不労所得のパイプ』が完全に完成したぞォォォッ!!」


 かつて、この異世界に転生してからというもの、俺を苦しめ続けた『固定費』や『リボ払い』というシステムからの継続的搾取。

 それを今度は、俺自身が富裕層に仕掛ける側に回ったのだ!


「最高だ……! これが……これがシステムに搾取される側ではなく、自らシステムを利用して搾取するプラットフォーマーの見る、圧倒的な景色か!! 待ってろ1億ポイント! 俺は単なる農民から、異世界経済の頂点に君臨する独占企業へと成り上がってやるぜェェェッ!!」


 理不尽な税金もペナルティも、今の俺の、この圧倒的なビジネスの勢いを止めることは絶対にできない。

 王都の空の下、フカヒレの濃厚な旨味の余韻と、超高額サブスク契約という勝利の美酒に酔いしれながら、ルークスの1億ポイント達成への道が、完全に、そして痛快に開け放たれたのだった。


**【読者へのメッセージ】**

第三百十九話、いかがでしたでしょうか!

ついに王都へ乗り込み、大貴族(超富裕層)を相手に「接待プレゼン」を仕掛けたルークス!

相手の胃袋を掴むための極上接待飯は「神話級・金目鯛と海竜フカヒレの特濃・黄金姿煮」!

ホロリと崩れる純白の身と、極厚フカヒレの強烈な弾力。そして何より、甘辛い醤油と鶏白湯のコラーゲン餡を「熱々の白飯にぶっかけてかき込む」という究極の背徳感! 貴族の矜持をへし折る最高の中華&和食テロを、限界突破のシズル感でお届けしました。深夜に読むと危険すぎますね(笑)。


そして、若返りメロンの効果で完全に主導権を握ったルークスは、かつて自分が苦しめられた「月額課金サブスク」と「自動引き落とし」を大公爵に仕掛けるという、悪魔のビジネスを展開!

月額1000万ポイントの不労所得を確立し、ついに「搾取される側」から「搾取するプラットフォーマー」へと成り上がりました!

今回もシステムからの理不尽な邪魔は一切なし! 圧倒的な大勝利のカタルシスです!


1億ポイントのゴールがはっきりと見え始めたルークス。

ここから一気にラストスパートをかける彼の快進撃(成り上がり)に、次回もどうぞご期待ください! ブックマークと評価もよろしくお願いいたします!


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