第七話 チーム悪役令嬢
残酷・グロ・卑猥な描写があります。ご注意を!また明日は『登場人物紹介』と『閑話」の2本を投稿しますのでよろしくお願いします
「んん~!」
少女が薄暗い部屋の中でもがいていると扉を開け男が二人やってきた
「んん~!!」
「うるせえ!黙ってろ」
顔に大きな傷のあるガタイのいい男が少女を叩く、焦った隣の細身の男が止めに入る
「やめろよ!大切な商品だ傷つけて金減らされたらどうすんだ馬鹿」
「ちっ、だから平手にしてやったんだろうが、どうせ向こうに行ってもお飾りの王女様だ、裏じゃ何されるかわかんねぜぞ、嬢ちゃん今のうちに俺が男を教えてやろうか」
下卑た笑みを浮かべて喋る男
「やめろと言ってるだろうが」
「お前だってしばらくやってないんだろ、いいじゃねえか少しくらいそうだ!外の連中も呼んでやるか」
痛みと恐怖で涙が溢れてくる、そうしてこんな事になったんだろう。今日は学園の入学式でこれからのことを考えるだけで楽しかった、なのに…
突然貴族の家に引き取られると聞いたときは嫌だった離れたくなかった、でも男爵家のお父様も伯爵家のお父様も優しかった、みんな優しかった王立学園の試験に受かったときも喜んでくれた。だから頑張ろう、頑張って私はもっとみんなを笑顔にしたかっただけ
私また何処かへ連れて行かれるの?嫌だなせっかく今の生活に慣れてきたのに…
叩かれたせいで頭がぐわんぐわんする
何処かから音が聞こえるなんの音だろうわかんないや
少女は意識を手放した
----------------------------------------
「くそっ!あの顔に傷のある男、何様か知らねえぇが同じ雇われのくせにでけぇ態度しやがって」
「仕方ねぇさお前も見ただろう。ここに来るまでにあいつ追ってきた邏警の連中をあっという間に斬り殺しやがった、ありゃあ根っからの戦闘狂だ関わらねぇ方がいい、それよりあの小娘まだ育ってねぇが一発やりてぇな」
「けっ!どうせその戦闘狂が先にやっちまうだろうよ」
人気のない倉庫の入り口で話し合う男たち
「へぇー、じゃあそいつ強いんだ」
「つええってもんじゃねぇ…って誰だおめぇ」
気が付かなかった。眼の前に居るのは黒ずくめにマスク性別もわからない
「これから死んでく奴らに名乗っても仕方ねぇんだよな―、まあ強いて言えば悪役令嬢?」
ヒュンッ
「ふざけやがって、おい中の奴らに連絡…」
振り向くと今さっきまで話していた男の頭は無くピューピューと首から噴水のように血を撒き散らしていた
「ヒィ!!」
腰が引けながらも剣を抜く
「いいねぇ、ちょうど新調したばかりだから試し切りがしたかったんだ」
男の身の丈ほどはあろうかという大剣を片手で構えもう片方の手で手招きをしている
「来ないんならこっちから行くよ、あんまり時間も掛けていられないんでね」
「来るな、来るんじゃねぇー!」
斜めに振り下ろされたフェリシアの大剣は男の剣ごと叩き切った
「このメスゴリラ、室内が主戦場の場所に大剣持ってくるとか何を考えてますの?」
首を切り落とした際にレイピアに付いた血を払いながらメリーナは非難する
「いいじゃんかさっきも言った通り試し切りがしたかったんだよ」
理解できないとメリーナは首を横に振る
「いいから行こうぜ、せーのっ!」
力任せに振るった大剣は壁もろとも扉をふっとばした
「鍵なんか掛かってなかったんだから普通に入りなさいよ」
二人の後ろから現れたスザンナが呆れ返っている
「スマートじゃない」
言葉少なにティナレも非難する
「三人は?」
「ジュリアとヘレネは取引相手の方。セレーナは周囲の警戒」
倉庫の中に入ると奥から男が出てくる
「ったく夜中にうるせえな、こっちはお預け食らってイライラしてんだバラバラにしてや」
倉庫の窓から差し込む月の灯がフェリシアのシルエットを浮かび上がらせる
「顔は見えねぇがそのスタイルは女だな、いいねぇそそられる。剣振るってるような勝ち気な女が泣き叫びながら懇願する姿がたまんねぇ」
「へぇー、うちはよわっちい口先だけの悪党が四肢もがれて泣きわめくのがたまんないね」
「なんでそのことを!」
「お前賞金首のガルドだろ。四肢を切り落として強姦、その後殺すんだっけか?怖いんだろ、抵抗できないようにしないと女も抱けない雑魚」
「てめぇ、賞金稼ぎか」
「まっさかー、お前の首にかかってるような端金どうでもいい」
「馬鹿にすんじゃねぇーーー!!」
無防備なフェリシアにロングソードが振り下ろされたが大剣が受け止めた
「いつの間に抜きやがった!」
「はあ~あ、遅すぎ。これならヘレネの方がまだ速いんじゃね?とりあえず右手」
「右手?なんのことだ」
「わかんないならいいや左手」
ガルドの両手がごとりと剣の柄を掴んだまま地面に落ちる
「ふぇ?」
遅れて強烈な焼けるような痛みが走る
「次、どっちから行く?」
「や、やめ…」
「右足、左足」
支えを失った身体は地面へと叩きつけられる
「ぎゃあぁうぶぉぉいでぇいでぇぇぇぇぇおでの、おでの手がぁ足、足ぃ」
じたばたと藻掻くガルドの髪を掴み
「ぴーぴーうるせぇな、お前がうちの領地で殺したフェンネはまだ十八だった。ミルダは二十三で赤ん坊が生まれたばかりだった、旦那は精神を病んで自殺した。赤ん坊は孤児院行き、簡単に死ねると思うなよ知ってるか?傷口ってのは火で炙ると止血出来るんだ」
「やべでぇ、許しゆるじでくだじゃいぃぃ」
今までと打って変わって冷たい声で
「やだね」
「じょんなぁ」
「うるせえから先に舌切って焼くか」
舌を焼くと言われて痛みを堪えながら押し黙るガルド
「まあどうせ死ぬから無駄だけどな。みんな後は任せた、ちょっとこいつの身体に用があるから先行っててくれ」
そう言ってガルドの髪を掴んでフェリシアは暗がりに引きずって行った
「あ~あ、怒らせちゃった。確かミルダって子の赤ん坊フェリシアが農村に視察に行ったときに生まれてフェリシアが名付け親なんだっけ?」
スザンナはそう言って両の手のひらを上に向けておっかないといったポーズをする
「フェリシアにとって大切なもの、私達にとって大切なものが傷つけられたら容赦なく鉄槌を下す。私達は全世界を救おうなんて思ってないし善人じゃないから迷わない、悪役令嬢って言葉は言い得て妙ね」
いつもは口数の少ないティナレがそんな事を言う
「確かにピッタリな表現ね、さあさっさと残りの一人は捕まえてアリシアちゃんを救出しましょ」
作り笑顔でメリーナはそう答えた
----------------------------------------
「気を失っているけど命には別状無いわ。脳震盪を起こしているみたい、メリーナ治癒魔法をお願い」
誰だろう?女の人たちの声がする
意識がぼんやりしてて何が起きているのか判らない
「助けに来たわ。もう大丈夫よ」
誰かが私をおんぶしてくれてる。暖かいそれに良い香り、この香り僕は何処かで…
優しい気持ちに包まれて私は眠りについた
ブクマやいいねをしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますのでページの下にある☆マークでの評価の方もぜひよろしくお願いします!
彼女達の裏の顔をやっと書けたのですが、ちょうどよく七話に来てくれたのでこのタイトルになりました。
まえがきにも書きましたが明日は『登場人物紹介』と『閑話」の2本を投稿しますのでよろしくお願いします
今作は以前Xでポストした妄想ネタの「特攻令嬢A(悪役令嬢)チーム」を原案に悪役令嬢に転生した主人公たちが表の顔と裏の顔を使い分けて、権力と物理で邪魔者達を潰すというコンセプトを思いついて書き始めたものです。
以前も短編や五話完結の悪役令嬢ものを書きましたが、男性主人公の転生ものを書く時と比べて圧倒的に悪役令嬢ものを書いているときの方が筆の進みが速くて苦笑いですw
二章以降から学園生活のドタバタや陰謀なども増えてきますので今後もよろしくお願いします




