第一話 クソ女神と七人のガチ勢(セレーナ視点)
新作始めました。今のところストックがたっぷり有るので毎日投稿します
ここは?
目を覚ました私は満天の星空の宙に浮いている、、、
私だけじゃない、1、2、3、、、光る球体を囲むように6人、私を含めて7人たぶん私と同じ女子高生か違ったとしても中学生
だって同じ高校の制服を着ている子も居るし知っている名門校の制服の子も居る、何人かの子の制服は何処のか判らないけど皆制服を着ているからきっとそう
周りの子達も目を覚まし始めるのを見て右隣の子に
[ねえあなた、何がどうなってるのか教えてくれない?]
えっ!声が出ないどうして?
互いに口をパクパクしているだけで何も聞こえてこない
[なんなのよこれ!]
『うるさいなぁ~』
!!
中央で光っていた球体が更に眩しく輝き顔を向ける、輝きが収まるとそこにはしたたるような甘い香りを身にまとい艷やかなピンクべベージュの髪、切れ長の目に色気の漂うなまめいた唇の絶世の美女…を台無しにするくたびれた上下スウェットで寝そべってタブレット弄ってる、、、
『一度しか言わないから耳の穴かっぽじってよく聞きなさい。私は女神で、死にかけのあんたらをこれから転生。以上!終わり』
イラッ!
[あの…もう少し詳しくお願いできませんでしょうか]
チッ
舌打ちしやがった
[クソババア…](小声)
『ああん?いまクソババアって言った奴誰だ』
目が座ってる…ごめんなさいイキり過ぎた、次からは頭の中で言おうっと
身振り手振りで私じゃない(私だけど)とアピール
チッ(二回目)
柄悪いなぁ~
クソバ…女神様はタブレットの画面をこちらに見せながら
『はぁ~、まあ今回はいつもと違うから教えてやるわ、いつもなら一人に付き一つの世界に転生させるけどこの通り容量パンパンだから七人で一つの世界で生き返りを賭けて王子を落としなさい。天使が言うにはあんた達全員その道のスペシャリストなんでしょ』
何がこの通りよ!ストレージほぼ写真や動画と音楽で埋まってんじゃない!働けクソ女神
こき使われる天使の姿を想像して哀れんだ
いや、今は天使はどうでもいいわ、それより気になる単語が有った
[あの女神様、今王子とおっしゃいましたか?そこのところもっと詳しくお願いします~]
彼女が言う『転生』『王子』その言葉が本当なら私のスキルが生きる!揉み手で拝み倒す。いや拝み倒させていただきます。
『チッ(三回目)あんた達を悪役公爵令嬢として転生させるから生き返りを賭けて王子を落とせっていっ』
[はい!他国の王子は条件に当て嵌まりますか?それとなぜヒロインではなく悪役令嬢なんでしょうか?]
聞こえないけど多分他の子も同じ様な質問をしているんでしょうね、一気呵成に私達が質問しているからかなクソ女神が押されてていい気味だわ
『た、他国の王子は条件外、シェフィーリア王国の第一王子だけ、言っとくけど第一王子がエンディングまでに死んでも全員ゲームオーバーだからせいぜい媚びを売ることね!悪役令嬢なのは悪役令嬢だったらその世界に追加するのが楽だったからよ』
ぶっちゃけるなぁ、、、
[あと国名からして中世ヨーロッ]
「あ~、うるさい!さっさと行け!」
見えない糸が切られたように私達は星空の世界から落ちていった
、、
、、、
、、、、、
、、、、、、、
うう、喉が痛い瞼も身体も重い…薄っすらとしか周りを確認しか出来ない
薄っすらだけど明らかに豪奢だとわかる天幕、よっしゃ本当に転生してる、まずは自分の置かれた状況を確認しないといけないんだけどだるすぎて頭もよく回らない
病弱設定か?
習慣のお陰かベッドの脇に呼鈴がいつも有ることは判っていたからだるい身体を動かし呼鈴を…って腕がふっくらパンみたい1~2歳か?いやそれにしては大きいよねパンというよりハムっぽい
デブ設定?その場合両親からの愛が足りなくて暴飲暴食or逆に親バカ過ぎて制限なく好きな物を食いまくってるパターンが有るわね、どっちかしら?
ひとまず解析は置いといて呼鈴を鳴らして侍女を呼ぶ
ヒッ
なんか聞こえた気が
「セレーナお嬢様がお目覚めになられたわ!わ、私、旦那様をお呼びしてきます。あなたはお嬢様の方をお願い」
お父様を呼びに行った侍女の動きは速すぎて一瞬しか見えなかった
「えっ、あ、あたし?」
押し付けられて残った侍女さんは言葉遣いが侍女としてのそれではなく素に戻ってる。どんだけ怖がられてんだ私
「オ、オジョウサマオメザメニナラレマシタカカ」
抑揚なくなり過ぎ!そして顔面蒼白過ぎ!私新種のサメにでも進化したの?
「お願い、水…お水をいただけないかしら…」
「アッハイ!気が回らなくて申し訳ありません」
侍女は動揺が隠せていないけどそれでも所作は円滑で速く音も立てていない。流石は公爵家の侍女!考えなくても体が覚えているって感じね。それなのに顔を蒼白にさせちゃうくらい悪い子ってどんだけ酷かったのよ
「あなたお名前は?ごめんなさい自分の侍女なのに名前も覚えていないなんて令嬢として駄目ね」
最初は令嬢としてではなく人としてと言いそうになったけど止めた、この子がなぜわがまま放題になったのか理由も知らないしもし意識が有ってこの様子を見れるのだとしたら、いきなり体を乗っ取られて人格全否定されたら悲しむと思ったから
、、、
侍女さん驚愕の表情のまま固まってちゃってるし、悪役令嬢お目覚めのパターンとしては知っていても実際に目の当たりにすると駄目ね、涙が止まらないわ
「セレーナお嬢様…私めの名前はマリーと申します」
「うん…お水ありがとうマリー、まだ頭がぼーっとするの」
「お嬢様、旦那様が奥方様がいらっしゃるまでまだお時間が有ると思いますのでどうぞお休みになってくださいませ」
「そうさせてもらう…わ…zzzz」
数日経過し体調が戻ると、以前はわがまま放題で禄にしていなかった勉強に取り組み始めた、この舞台がオリジナルなのかそれともなにか既存のゲームやアニメ・小説の世界なのか、既存の作品が舞台ならあの場に居た私を含めた七人なら攻略そのものは簡単、だってあのクソ…ゲフンゲフン…女神様が私達を「スペシャリスト」って言うからには他の子も同レベル位には乙女ゲーを知っているはず
乙女ゲーと言っても多種多様だしどちらかと言えば中世ヨーロッパ風ってそんなに数多くなかったりするのよね、悪役令嬢ポジも無いとは言わないけどライバル関係とかで爵位を傘に着ていびるキャラも然う然う居ない、どちらかと言えば架空の乙女ゲーの二次創作として派生したのが悪役令嬢ものだと私は思っているからゲームよりも小説やアニメの知識の方が重要かも
鏡を前に自分の生まれ変わった姿は、ウェーブの掛かったチョコレートブラウン、瞳もチョコレートブラウン、お肌ももっちもちで…いやこれは太ってるだけだ、絶対痩せてやる!
家庭教師の先生から歴史のお勉強で国の成り立ちや貴族の序列や制度を教えてもらっていく中でこのシェフィ―リア国には王家に次ぐ序列の公爵家が七家在りどの家にも私と同い年の令嬢が居ることを知って私は『これ』だと思った。たぶんあの場に居た彼女たちも公爵令嬢になっている
七公爵家は王都をぐるっと囲むように
北のクロード家
東北のシュルツ家
東のマハラ家
東南のタダリア家
西南のメルダルス家
西のグレナド家
そして私の生まれた西北のスレイニモフ家
おそらくあの性格の悪い女神なら階級を一緒にして醜く争わせそうな気がするのよね公爵家七家の令嬢が全員悪女とか下手すれば内戦ものじゃない第一王子と結婚する前に国がなくなったら元も子もないわ
「まずは北のクロード家のジュリアにお手紙を出しましょう」
私はこの世界を生き抜くべく行動を開始した。
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