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骸骨軍団  作者: ブルーベリージャム
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68話 山脈越え

大砂百足は岩を食べる。

知識としては知っていたし、その行動も西の岩場や大蟻の岩山で目撃している。

今回はそんな彼らの本気を知ることになった。



我々骸骨軍団は岩地を東へ進んでいたが、その歩みが止まった。

目の前には垂直の岩の壁が立ち塞がり、それは左右に伸び、高さは数百mはありそうだ。


シーカーがしばらく時間を掛けて周辺を見廻るが、歩いて通れるような傾斜地は見つからない。

シーカーは俺にソレを伝えると、骸骨大砂百足のボスの頭へと飛んでいった。

そして、同じ事を彼にも伝えたのだろう。


ボスの頭からシーカーが飛び去ると、ボスは腹の中の物を脇に吐き出した。

他の骸骨大砂百足達も吐き出し始めた。

それが終わると、ボスは岩壁に向かって進み、頭を叩きつけるようにぶつけた。


カジカジカジカジゴリゴリゴリゴリゴリ・・・。


最初は岩肌を削り取るような音が響き、すぐに岩を噛み砕く音に替わった。

そして、最大幅2m、体高1mほどの骸骨大砂百足の体が岩壁に潜っていく。

どうやら彼は我々のためにトンネルを掘ってくれるようだ。


ボスの体が見えなくなれば、次に体の大きな奴がボスの穴の床を掘り下げるように掘り進んでいく。

どうやらトンネルの高さを確保するようだ。


そして次々に穴の中に骸骨大砂百足が潜り込む。

数匹の小さい固体は穴の中に溜まった砂を飲み込み、穴から出てくるとそれを吐き出すという作業を繰り返した。


我々は整列して待つことになった。

1昼夜が過ぎ、途中で脱落していた部隊が合流し、さらに1昼夜が過ぎた。


一番小さな骸骨大砂百足が穴から顔を出した。

彼は砂山ではなく俺の前に来ると、その口から一本の木を吐き出した。


これは、開通したとの報せだ。


よくやった。


我々は岩のトンネルを通り、山脈を越えた。



骸骨馬には少し低いトンネルだったので無理をさせたが、我々は無事に岩のトンネルを抜けて山脈の東側に出た。

骸骨大砂百足たちは岩を大量に食べた事で満足気味に佇んでいた。


トンネル出口周辺はまばらに木が生えている岩の多い土地で、高台らしく東側の様子が一望できた。

太陽は空の高い位置にあり、平地全体が良く見える。


東の端には蒼い海が広がり、三本の尖塔を持つ大きな城と街壁に囲まれた街とその向こうに広がる港町が見えた。

おそらくあれが第一軍の城砦都市だろう。


城砦都市の外側は、荒れた土地が広がり、元は村か街であったような破壊された家々が並ぶ場所も見える。

城砦都市の北西方向が主な戦場らしく、人間側の戦闘拠点らしい防壁に囲まれた場所があり、帝国騎士らしき姿が見える。


その反対側には破壊された村の跡地があり、そこには、数千匹ともいえる魔物の集団がいた。


森では無視してしまったが、姿が見えたなら見逃す気はない。


■■■


北方騎士団第一軍城砦都市。見張り塔。


かつてバルシャール王国と呼ばれた海と山に挟まれた狭い土地。

海産物と魔石採掘による利益で国は豊かだったが、海を渡って来た魔族軍に最初に滅ぼされる国となった。


その王城を魔族軍から取り戻し、現在は北方騎士団第一軍城砦都市の騎士団本部としている。

城の3つの尖塔は、見張り塔として周辺監視に利用されている。


見張り番の一人が東の山の岩棚に骸骨の集団を発見した。

山の斜面を降りてくる骸骨の長い列。

その先頭には巨大な百足の魔物の群れがいる。


第三軍を破った骸骨の集団については、第二軍と共闘することが第一軍司令部から全軍に通達されている。

だが、その通達では骸骨どもは後5日前後先の出現予想だった。


予想より随分早いが、奴等が来たことに違いは無い。

見張り番は報告の為に急ぎ司令部に向かった。


■■■


骸骨軍団が山の斜面を駆け下りる。

骸骨大砂百足を先頭に俺の直営部隊が続き、次にビデス率いる歩兵部隊が続く。

シグス達騎乗部隊は最後尾だが、平地に降りれば速度を生かして先陣に躍り出る。

彼らは左右に分かれ、包囲陣を作り、ビデス達魔技持ちの騎士が魔物の相手をする作戦だ。


トンネル出口から目的地の廃墟の村は見えていたが、実際に行軍すると2時間程掛かった。

その途中にも少数で行動する魔物を見かけたが、大事の前の小事として今は見逃そう。

1000m程まで近付いた時点で騎馬部隊が左右に分かれて包囲陣を敷く。右がシグスで左がドラゴだ。


500mまで近付いて骸骨大砂百足はここで待機だ。

彼らに突撃されると骸骨騎士が近寄れないからな。


ビデスは骸骨騎士歩兵部隊5部隊を横に並べて、前進を始めた。

魔物の住処となっている廃墟の村に足並みを揃えて接近する。


そこにいる魔物達は我々を確認して騒ぎ立てている。

あまり大型のモノはいないようだ。


身長100cm程の子供の様な人型、額に1本の短い角の生えた灰色の肌をした「小鬼」。

身長160cm程の肉付きの良い体躯をし、緑色の肌の「豚面鬼」。

身長250cm程の筋肉質で大柄、額から2本の長めの角を生やした赤色の肌をした「赤鬼」。

赤鬼と同じ背格好で青色の肌をした「青鬼」。

それらが、手に短剣、片手剣、棍棒、斧などを持って、集団で身構えている。


どうやら、反対方向に逃げ出した集団もいたようだ。ドラゴ配下の一隊が戦闘に入った。

こちらも、小鬼集団との距離が100mとなったところで、小鬼どもがこちらに走り迫ってきた。


ビデスの合図で先頭部隊は一斉に魔技を放ち、これを仕留める。

そして前進速度を上げた。

今度は我々が駆け足で接近し、残りの小鬼と豚面鬼を仕留めるのだ。



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