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骸骨軍団  作者: ブルーベリージャム
31/111

29話 帝国西方騎士団

  ル・ゴール帝国西方騎士団

    騎士団長 ドラゴ=ディアン

    副団長  レイモンド

    副団長  ブーツ

    参謀   イアン=グローバー 

    でかい男 アックス=ムーア

    御老体  クリストファー=ホルト

    細い男  リー=ゲールマン 


    1番隊隊長 マシュー

    2番隊隊長 マーク

    3番隊隊長 デビッド

    4番隊隊長 ブライアン

    5番隊隊長 クルツ

    6番隊隊長 レイザー


【フェンクル領騎士団 副団長ラモン】


フェンクル領領都、領主邸。


領主フェンクル侯爵の呼び出しに応じて、騎士団長グレイと共に副団長の俺も領主の執務室に来ている。

このデブのにやけた顔は、いつ見ても不愉快だ。


「グレイ団長。南のノールデア領の変事、聞いておるな。」

「はい、閣下。」

当然だ。第一報を届けたのは俺達だろうが。


「昨日、デ・シームの街の執政官シーム伯爵からも2通目の救援依頼が私の元に届いた。どうやら、ノールデア領は骸骨どもに占拠されたようだ。」

「では、討伐に。」

「うむ。帝都の領土管理局には既に連絡済みだ。我が騎士団は南の街道を封鎖し、帝都より討伐隊が来るまで骸骨どもの侵攻を阻止する。よいな。」

「はっ。」

「帝都の討伐隊が来れば、我々もそれに参加しノールデア領へ行くことになる。取り決めでは参加人数は300名だ。そちらの人選は任せるぞ、グレイ騎士団長。」

「畏まりました。」


領主邸を辞去したグレイ団長と俺は馬車で騎士団本部に戻る。

「ラモン、人選は任せる。」

「はい。」

領都騎士団は280名。

だが、領都を留守にする事はできない。

5番隊と6番隊を残して、不足分を他の街の騎士団から集めれば良いだろう。


「しかし、ノールデア領のデ・ルーの街にはシグス殿がいた。彼が倒されるとは。」

グレイ騎士団長が嘆息する。

シグス殿は20年前の戦いの英雄だ。

俺を含め憧れる者は多い。

「今回の騒動、始まりはデ・ルーの街です。」

「そうだな。」

「骸骨ども、それだけの強敵でしょうか。」

「だろうな。」

商人がもたらした最新の情報に拠れば、やつらはデ・シームの街の北、我がフェンクル領の南の地に居るという。

その数600。

これは、単純に考えれば、我々騎士団の総数を上回る。


「まずは、南の街道の封鎖だ。」

「マンディと調整し、各隊長に割り振ります。24時間監視ですな。」

「そうだ。簡易宿営地の用意も必要だな。」

「マンディに用意させます。」

面倒ごとはマンディ副団長に振る。

俺は事務仕事は嫌いなんだ。


■■■


【ル・ゴール帝国西方騎士団 5番隊隊長クルツ】


ル・ゴール帝国帝都、西方騎士団本部。


食堂で紅茶を飲んでいたところに、3番隊隊長のデビッドが寄ってきた。

「聞いたか、クルツ。ノールデア領への遠征が決まったぞ。」

「だと思いましたよ。」

「なにかあったか?」

「ええ、今、執務室から逃げてきたところです。きっと、そちらにも転属願いの書類が来ていますよ。山ほどね。」

「転属願い?」

「そうです。上は公爵家の方から下は準男爵家まで、帝都騎士団や東方騎士団所属の者が、うちに転属したいってね。」

「はぁ、手柄目当てか。」

「そうです。帝国内に居たのでは、一度も魔物と戦う事無く引退しますからね。」

「だったら、北方騎士団に参加すれば良いだろう。」

「あちらは最前線です。毎日が魔物との戦いですから、武技持ちとしては、それは避けたいのでしょう。」

「やれやれ、今回の遠征を普通の狩りと勘違いしてるのか。」

「でしょうね。」

「で、こんなところでお茶してる訳か。」

「隊の準備は任せています。私が執務室に居なければ、彼らの転属願いの書類に目を通さずに済みますからね。」

「なるほど。出発は2日後だ。」

「どうです?それまでこちらでお茶でも。」

「ブライアンとレイザーも呼ぶか。4人ならカードができるな。」


「駄目だ。執務室に戻って仕事しろ。」

「レイモンド副団長。」

「残念だが、今回は特別編成となる。各隊への転属願いは俺とブーツ副団長で調整しているんだ。さっさと書類を片付けてくれんと出発ができん。」

「しかし、それでは隊の練度が落ちますが。」

「情報に拠れば、敵の骸骨どもは600体程だ。我々西方騎士団1000名に、クィッカー領、ウーノンサ領、フェンクル領の騎士団900名が加わる。問題は無い。」

「了解。では、紅茶を飲み終えたら仕事に戻りますよ。」


レイモンド副団長が俺たちの席を離れ、テーブルに着くと紅茶が運ばれてきた。

「レイモンド副団長も休憩ですか?」

「そうだ。今日の書類仕事は終わりだ。」


なるほど、転属願いは今も来ているのか。

やれやれだ。


ドラゴ=ディアン騎士団長からノールデア領遠征が正式に伝えられたのは、その日の昼食後だった。


■■■


【ル・ゴール帝国西方騎士団 騎士団長ドラゴ=ディアン】


西方騎士団団長室。


「ブーツ、準備の方は?」

「問題なく。明日の朝に出発できます。」

「レイモンド、周辺の領国騎士団は?」

「クィッカー領、ウーノンサ領、フェンクル領、それぞれの騎士団団長と領主宛に従軍依頼書を送っております。」

「では、問題ないな。」

「はっ。」

「では、両名とも今日は下がれ。明日に備えよ。」

「失礼します。」


ふぅ。

騎士団の準備は整ったか。

予定の2日ではなく4日の準備期間となったが、この日数で準備できたのは、日頃の備えの成果だろう。

しかし、今回は97名もの転属請願書が舞い込んだ。

受け入れには審査が必要だ。

だが、誰かを受け入れれば、その派閥の人間は受け入れないといけなくなる。

さらに、派閥問題となれば対立派閥も受け入れなければ、各所で問題が発生する。

最初から、受け入れるしかない請願書なのだ。


彼らの望みは分かる。

魔物討伐の戦功を得たいのは私、ドラゴ=ディアンも同じだ。


我がディアン公爵家はル・ゴール帝国5大公爵家の一つだが、建国以来唯一、皇帝を輩出していない家だ。

今回のノールデア領騒乱平定の戦功は大きい。

何としても成し遂げなければならない。


■■■


帝都。

宮殿内にて、とある伯爵夫人主催のパーティが開催されている。


「今回の遠征、西方騎士団にお任せになったようですな。」

「ノールデア領での変事ゆえ。西方の変事に東方騎士団は出せんだろう。」

「西方騎士団、団長はディアン家でしたな。」

「問題なかろう。」

「私の聞いたお話ですと、ノールデア侯爵が既にお亡くなりになったとか。」

「ほほぉ。では後任が必要ですな。」

「そうですわね。でも、あのような西の果て。どなたが行かれるのかしら?」

「ふっ。今回の遠征成功の褒賞として、ディアン家に統治させれば良い。」

「なるほど。」

「ふふふ。」

「では、皇帝陛下に。」

「うむ。明日の騎士団出立の後に伝えるとしよう。」



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