アラン5
家にジーク義兄さまを連れて帰った日、義兄さまは約束を破ったけれど、結果としては良かったのだと思う。姉さまに笑顔が戻った。
もう、悲しそうに痛そうに、苦しそうに笑うことはなくなった。
ぼくの大好きな花がほころぶような笑顔が戻ってきた。
ジーク義兄さまが顔をぐちゃぐちゃにして帰って行き、翌日ひどい顔をしてやって来たのには驚いたけど…。ジークハルトは、自分のみっともない姿を他人に見せない人だと思っていた。
なりふりかまっていられない…それを体現した姿だった。
憧れた二人が戻ってきた。
ジーク義兄さまは、前よりずっと姉さまに甘い。デロデロのドロドロだ。
公爵家の両親に許しを得たと、ジークハルトは毎日やって来た。我らの父も、呆れて何も言わなくなる程、かかさず毎日やってきた。
姉さまを膝に乗せたり、姉さまの隣に座って食事やおやつを食べさせる。手を繋いで一緒に散歩に行く。姉さまが昼寝をすると、ずっと姉さまを愛しそうに見つめていた。
ジーク義兄さまが来るようになって、姉さまは次第に食事の量も増え、夜も眠れるようになった。昼寝もだんだんしなくなった。薬もいらなくなっていった。
姉さまが本を読んだり刺繍をする間、義兄さまは勉強や仕事を持ち込んでやるようになった。
姉さまが毎日来なくて大丈夫と言うと、絶望したような泣きそうな表情をするから、姉さまもおとなしくジーク義兄さまの好きにさせている。
姉さまが出歩けるくらい回復すると、キリアス公爵家に呼ばれた。是非にと言われ、ぼくも一緒に出向くと、ジークハルトの母にものすごく歓待された。
姉さまと一緒に「お義母様」と呼ぶように言われていた公爵夫人は、姉さまを抱き締め、撫で回し、「会いたかった」と泣いて、「やっと会えた」と本当に嬉しそうに笑んでいた。ぼくのことも抱き締めて撫で、満面の笑みをくれた。
姉さまは学園にも通えるくらい回復した。
ジーク義兄さまが、姉さまを過保護に溺愛する姿は周囲を引かせる程だった。
誰一人付け入る隙などないのだと、ジークハルトとリリアーナは互いに愛し合っているのだと、ジーク義兄さまは周囲に見せつけ続けた。
ジークハルトは、二度と姉さまを泣かせないと誓った。
次の誓いは、生涯愛し続け、生涯離れないと誓うのだろう。その誓いをみんなの前で宣言する日は近くやって来る。そう思うと、ぼくの顔も自然とほころんだ。
ジーク義兄さまと、姉さま。
ぼくの憧れた二人が帰ってきた。
これにて完結です。
自分の頭の中にあるものを言葉にして外に出すのは、意外に時間がかかること。根気のいることだと学びました。
もっと早く書き上げているはずだったのに、思うようにいかないものでした。
時間がかかってしまい、だいぶ不定期だったのにも関わらず、最後までお付き合いいただいた方々には、本当に感謝しかありません。
見捨てず、お付き合いくださり本当にありがとうございました。
完結まで見守っていただいて、ありがとうございます。
イチャイチャが書きたくて、もう一話投稿しております。楽しんでいただけると嬉しいです。
最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました。




