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ブクマ400件お礼(?)小話

小話と書いてますが、無駄に長いです。


そしてまたも小話上に現れるこの男の話です。

(小生が好きなので諦めて下さい)


※本編じゃ無いので読み飛ばしオーケーでっす!

 皆さんお久し振りです。覚えてくれているかな?

 俺の名前はジミー・モブーオ。23歳独身です。

 ランペイジ子爵令嬢のツェツィーリア様に長年片想いしていましたが、この度その方が結婚してしまい、物凄く落ち込みました。


 俺の令嬢への恋心を知っていた妹には、次の恋を進められつつも、中々新しい一歩が踏み出せず、結局は自分の部屋に引き込もってしまいました。


 妹は俺とは違い社交的で、噂好きのため村の皆に俺が失恋したので、新しい恋人を募集中だと吹聴する始末。

 恥ずかしくて恥ずかしくて…とてもじゃないけど、外を歩けない。そして更に引きこもる俺……悪循環だ。


 だがそんな募集に名乗りを上げた奇特な女性もいらっしゃった。

 一人は行き遅れ感溢れる(失礼)俺より30歳上のモリガーンさん53歳と、いつも黒い喪服とヴェールを着用しているギリアルディ夫人のお二人でした。


 モリガーンさんは神経質そうなキリッとした女性で、枯れ木のような細い腕に何故か巨大なバッグを抱えて現れた。


 その中身は、ぎっしりと詰まったお金だった。

 モリガーンさんに何故その様な大金を持っていらっしゃったかと伺うと「これは私の持参金ですわ」と、仰られたので、俺は丁重にお断りした。

 お金で売り込んで来るとは……怖い。

 お金に目が眩みそうだった妹は、俺が断った時、本気で残念そうな表情をしていた。


 お前は鬼かっ?


 もう一人のギリアルディ夫人は、若くして未亡人でした。旦那さんの喪に服しているそうなのですが、よくよく彼女の周囲に話を聞くと、現在喪に服している旦那さんは、何と彼女の8人目の旦那さんだそうで、彼女と結婚すると数年から数日で非業の死を遂げている事が判明したのであった。


 確かに蠱惑的な美貌に、魅惑的な肉感溢れる姿態で年齢不詳の女性ですが、流石にその話を聞いてしまったら、結婚は出来ない。(血痕は出来そうだが……)

 やはり彼女も丁重にお断りした。

 去り際にブツブツと「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない………」とずっと呟いていらっしゃいましたが、聞こえないったら聞こえない…。


 流石の鬼妹もこれには顔を青くしていた。


 ザマァミロッ!!!


 呪われろっ!呪われてしまえっ!!と、思ったのが良くなかった。


 人を呪えば穴二つっていうでしょう?言わない?でも悲劇はその夜に実際、起こったんだよ。




 草木も寝静まる丑三つ時……俺はうなされながら目を覚ました。

 喉がカラカラだったので、水を飲むことにしたのだが、いつもは並々と満たされている水瓶に、その時は水が殆ど入っておらず、仕方がないので外の井戸まで水を汲みに向かった。


 俺はもういい歳の男だが、深夜の丑三つ時に一人で井戸まで向かうのは、勇気がいる。

 恥を忍んで妹に一緒に付いてきて貰おうかと思ったが、兄としてのプライドが邪魔をして、結局一人で井戸まで行った。



 井戸には水を汲み上げるための釣る瓶が、付いているので汲み上げるのが楽だ。


 この井戸というのは、このランペイジ子爵領にのみある特別な物だ。

 母さんに聞いた話では、ランペイジ子爵の先代で、女傑と恐れられていたエミリア様の旦那様で、現在も御健勝なタイゾー様が故郷の技術で作ってくださった物だ。

 原理とかは学の無い俺にはよく分からないが、とにかく水が楽に汲める素晴らしい物なのだ。

 だが深夜に井戸の中を覗くと物凄く怖い。

 まるでその深い闇の中から、死霊でも出てきそうでは無いか。



 勝手に震え出す自分の足を叱咤しながら、井戸まで

 行くとカラカラと音を立てながら滑車の付いた縄を引っ張ると、水の入った瓶が上がってくる。


 そのまま片手を中に突っ込み水を飲む。


「ゴクゴク……ゴクゴク……プハァ~……」


 自分で思っているよりも喉が渇いていたらしく、一気に水を飲んでしまった俺だったが、一息つくとホッとしてしまい、恐怖や緊張が弛んでしまっていた。


 汲み上げた瓶を井戸の下に落としたのだが、薄暗がりの中で行ったため、誤って身を乗り出し過ぎてしまった俺は、バランスを崩して瓶と一緒に井戸の中に真っ逆さまに落ちていった。


「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 ヒュルルルル~………ドボーーーーーーン!!!


 情けない悲鳴を上げながら、冷たく暗い水の中に落ち、その衝撃で俺は意識を手放したのであった。






 ***



 ―――…とある世界の国の広場。


「皆のものっ!勇者様の召喚の儀式は佳境に入った!!後は巫女姫様の祈りが通じれば、異界より勇者が召喚されようぞ!!」


 威厳のある表情と声音で立ち並ぶ国民の前で、高らかに宣言する髭面の大男、名はグランバー。アルトセルム王国の騎士団長を務める男である。


 現在、アルトセルム王国……否!全世界の平和を脅かす魔族と、魔王を討ち滅ぼすために、伝説の勇者を召喚するための儀式を行っている真っ最中であった。


「団長っ!姫巫女様が神殿の地下に降りられました!」


「そうかっ!では祈りを捧げる御準備が出来たと言う事だな?」


「はい!これで…これで我々の悲願であった、魔王を倒せますっ!!」


「本当は我らの手で倒したいが、魔王は異界の勇者だけが召喚できるエクスカリバーなる聖なる武器でしか、完全に倒せぬ故、異界人にこの世界の命運を任せねばならぬとは……。無念である」


 グランバーは口惜しげに顔を歪めると、その場にガックリと項垂れた。その瞳は暗く淀んで輝きは微塵も無くなっていた。


「しかし団長っ!伝説の勇者ですよ?きっと物凄い強いでしょう!自分は稽古を付けて頂きたいですっ!」


「私もですっ!勇者の技を教えてもらいますっ!」


 グランバーは直属の部下達が、目を輝かせながら喜ぶと、ムクムクと自分も勇者と、手合わせをしてみたいという思いが沸き上がって来る。実に単純な思考の持ち主であった。(脳筋とも言う)


「お前たちっ!ワシが一番に手合わせするからなっ!騎士団長の権限を使ってで譲らんからな~!」


 突然ハッスルし始めたグランバーであったが、部下達は慣れているのか特に不満の声は上がらなかった。


「異界の勇者よっ!早く召喚されるのだぁ~!」


 その叫びに、広場に集まった王国の民達は、グランバーと一緒に空へ拳を上げながら大歓声を上げたのであった。





 神殿の地下にある神泉の中で、姫巫女と呼ばれていた少女が一心不乱に神に祈りを捧げていた。


「全能なる女神、イシェラス神様に御頼み申し上げまする~何とぞ、何とぞ異界の勇者様を我らにお渡し願い奉る~……」


(はあっ……一体何時まで祈りを捧げてればよいのよ?この冷たい神泉の中にずっと居るなんて……わたくしは女性なのですよ?こんなに冷えきってしまったら、身体に悪いんですけど……。勇者めっ!早く召喚されなさいよね!!)



 などど不敬な事を考えていた。

 彼女の名前はミスティローズ。このアルトセルム王国の第3王女であり、神に使える神殿の象徴の巫女であった。


 この様な内心を、女神に見透かされたのか、一向に勇者が召喚される気配は無い。


 今回は諦めて、また後日儀式を行えば良いと、ミスティローズが諦めかけた正にその時、神泉が淡く光輝き始めた。



「姫巫女様っ!神泉が光輝き始めましたっ!ついに…ついに勇者様が召喚されます!!」


 ミスティローズの後方に控えていた、いつも冷静沈着な老神官が、興奮したように捲し立てて来る。


「分かっておりますわ!勇者様が御来臨されるのですっ!お静かになさいませ……」


(老いぼれがハッスルするんじゃ無いわよっ!黙りなさいっ!)


 やっとこの冷たい泉から解放されると、ミスティローズは単純に喜んだ。



 そして神泉の底からユラユラと浮かび上がってくる、ピクリとも動かないうつ伏せの人物が目の前に現れた。


 その異様な登場の仕方にミスティローズを含め、その場に居た全員が、死体が召喚されたと、悲鳴を上げたのであった。


「いや~!きゃ~きゃ~きゃ~!!!」


「ひっ…人が浮かんで来た!!」


「ピクリとも動かぬぞ?死んでおるのじゃろうか?」


「………まさか…これが勇者様では、無いですよね?」


 最後に発言した者の言葉に、全員がピタリと止まる。


「っ……。でも…あり得ませんわ…こんな……。流石に勇者様でも、水中では息は出来ないのではなくて?」


 暗に死んでんだろ?あ?と、言っている。


「しかし…異界の勇者様でございます…我々の考えが及ばぬ方法での御来臨だったとしても、それが普通なのやもしれませぬ……。ですので、生きて居られるか確認をいたしまょう。姫巫女様…この方を、こちらまで押して下さいませぬか?」


「ええっ?何故わたくしが?」


(死体になど触りたくないんですけど?)


「神泉の中に入れるのは、姫巫女様しか居りませぬ故、致し方がありますまい……」


(チッ…手間のかかる……)


「……っ……。分かりましたわ……」


 しぶしぶミスティローズは、土左衛門に手を伸ばす。


(動いたりしないわなよね?動くなよ?絶対だからな?な?)


 ミスティローズが恐る恐る土左衛門に触れてみると、何故か柔らかい。死んで間もないのだろうか?

 更に神官達が居る方にゆっくり押し始めると、頭が少し動いた様な気もする。


(本当に死んでいるのかしら?)


 怯えながらも岸までたどり着くと、ミスティローズは素早く土左衛門から距離を取った。


 岸で待機していた神官数名が、動かない土左衛門の引き上げに苦労していた。

 全員神職なので、全く力仕事には向いていないし、ほとんどが老齢な歳であるからなのだが。




「ひいふう、はあはあ……それっ!行きますぞ?」


「はあ…重いのじゃ……。この者、特段太っているわけではないのじゃが、意識の無い男がこれほどまでに重いとは……」


「神官長!この人物の服が水を吸っているので、更に重いのですっ!」


「ぬぅぅ~。しょうがないのぅ……脱がすか?」


「はい!それが宜しいかと!」


 急いで土左衛門の服を脱がしに掛かるが、水を含んだ服は土左衛門の身体に張り付き、脱がしづらい……と、いうよりも脱がせられない。


「神官長……脱がせられません。この服、水でピッタリ張り付いております!」


「なんじゃと?この際しょうがない、破いてしまうのじゃ!」


「はいっ!!」


 ビリビリと布を裂く音が神聖な泉に響き渡った。


 服を破かれ、パンツ一丁になった土左衛門は、ようやく泉より救出された。


 仰向けにされた顔は穏やかで、ただ眠っているだけの様に見える。


「どうじゃ?生きているのか?それとも死しておるのか?」


 土左衛門の胸に耳を寄せた神官が、驚きの声をあげた。


「神官長!この者、生きておりますっ!鼓動が…鼓動が聞こえます!」


「なんと!ではやはりこの者が異界の勇者様なのじゃっ!普通だったたら間違いなく死んでるじゃろうし……」


「では直ぐに王宮のお部屋にお運びいたしませんと……」


「そうじゃが……我々だけでは無理じゃな。そしてここは神聖なる場所……他の者は入れぬ……」


「と、言いますと?」


「勇者様にご自分で歩いて頂くしか無いのぅ……」


「起きられる気配は御座いませんが?」


 怪訝そうにミスティローズが質問すると、神官長が小瓶を手渡してながら静かにこう言ってくる。


「姫巫女様……。気付け薬に御座います。これを勇者様に口移しで飲ませて差し上げて頂きたいのじゃが……」


(えっ?無理。てか、嫌だ。だってそれってわたくしのファーストキスでしょ?それをこんな初めてあった凡庸な顔の男に捧げるのは、例え勇者であったとしても嫌だ)


「え……えぇ~?わたくしにそんな大役務まるかしら~?」


(とか何とか言って、少しでも時間を稼ぎますわ!後、ついでに手渡された気付け薬の小瓶も、うっかりを装って落として割ってしまわないと…)


 ミスティローズは、恥ずかしがるのを装って小瓶を手から落とした…………のだが、超人的なスピードで神官長がその小瓶を拾い上げてしまった。



 神官長は小瓶を拾い上げると、ミスティローズに向かって微笑みながら、こう囁いた。


「姫巫女様?……………次は御座いませぬよ?」


 流石のミスティローズも、この神官長の言葉に気圧され、観念せざるをえなかったのであった。



 観念したミスティローズが、ため息を付きながら気付け薬を、口に含むと神官長を始めとする神官が、全員こちらをガン見し始めた。


 その態度にイラついたミスティローズは、手でシッシッと追い払うジェスチャーをすると、自身の身体を盾にする様に、神官たちからは見えないように勇者に唇を合わせた。


 気付け薬を勇者の口内に注ぎ込むと、勇者は小さくコクコク……と、気付け薬を嚥下した。


(ああ……サヨウナラ、わたくしのファーストキッス………)


 ミスティローズは自分の唇をゴシゴシ拭うと、勇者から距離を取った。







  ―――その後―――



 目を覚ましたジミーは、周りに言われるままにフラフラと自分で歩き、次に目を覚ましたら盛大に勇者として祭り上げられ、魔王を倒す旅に赴く事になるのだが、それはまた別の話である。







イエーイ☆


ジミー・モブーオ氏、異世界にて勇者に就任!?


しかも彼のファーストキッスも、本人の意識が無いまま終了っ!!


多分今後は一切ジミーは、怠惰には小話を含め出ない予定でーす。(あくまで予定)


チラッと今後をチラ見せ。


この後、使用する者の扱いやすい武器に変化する伝説級の武器を召喚するジミー……しかし、その武器がなんと、農作業で使用する鍬の形になった時には、途方に暮れる。


しかし地味な見た目とは違い、大量のモンスターを抉り殺すことに成功!!


ジミーの勇者のパーティーは、ジミー以外全員美女と美少女で構成されており、種族も人間からエルフ、有翼人や妖精などの多種多様な種族が目白押し!

その上全員ジミーの事を好きになるという、リア充爆発しろ状態に突入する。


ジミーが魔王を倒すのが先か?

それとも嫉妬に狂った多種多様な種族の男共に、嬲り殺されるのが先か?といった感じになる。きっと。


しかしジミー本人はその事に全く気付かず、毎日ラッキースケベに見舞われる……的な?


ジミー……爆発……否!爆散しろっ!!









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