身から出た錆……にしても、酷すぎでしょ?
やっと書けました。即時投下。誤字脱字は、否めない。
私が人知れず誓いを立てて居ると、寝室の扉がコンコンと叩かれた。
「はいはい、どうぞ~?」
マオカだと思い、軽い気持ちでベッドに寝転びながら返事をすると、予想外の人物が入って来た。
「体調はどう………だ……って、お前なぁ……一応女だろ?何だその格好は?」
なんと!部屋に入って来たのは、アルビオレだったのです。
アルビオレの言う通り、侯爵家の子息の妻としては、アウトな格好です。ベッドに仰向けの大の字で寝ているのだから……。でもこの格好の原因は元を正せば、アルビオレ(と王子)のせいだし…。
それに折角カモフラージュ要員の私やルルさんが側に居ないのだから、王子と二人でシッポリして来れば良いのに……そういえば、何故ここに居るし?
「ねえ、アルビオレ?無理に私の所に来ないでも良いのよ?貴方は、あちらに(王子の元に)居ても良かったのよ?」
「なっ……あちらに(ルルの元に)……だと?お前は、本当にそれで良いのか?」
「ふふふっ…。勿論よ!それが私の為でもあるからね?」
「お前の…為?」
「ええ、そうよ!だから私の所には来ないでくれて結構よ?早く行って差し上げてっ!!あの方は(王子)は、お忙しい方で、余り二人だけの時間を過ごせないのでしょう?」
「はあ?いつも大体一緒に居るぞ?」
「あら?そ…そうなの?でも、余り私に構ってると、あの方も(王子)お寂しい思いをされていらっしゃるのではないかしら?」
「む……。そ…そうだな、あいつも(ルル)確かに寂しいかもな……。分かった、ツェリの言う通り今から会いに行って来るか……ツェリも、体調が悪いんだろ?早く良くなると…いいな。じゃあ……」
少し名残惜しげに王子の元に帰って行く、アルビオレに手を振り、完全に部屋の扉が閉まったのを確認すると、再びベッドの上を私はゴロゴロと転げ回った。
今から会いに行って来るか……ですって!!さっきも会ってたでしょうが~~コノコノォ~。
そして、私への取って付けた様な気づかい……。王子の事が気になってしまって、私への見舞いの言葉は、社交辞令や、様式美みたいなものですよね?分かりますっ!!
くぅ~~~東屋に突撃してぇぇぇぇぇぇ……!!!
がっ…我慢よ!我慢するのよっ!!この後の二人の展開の妄想だけで、飯が三杯は食えるわっ!メシウマッ♪と、はしゃいで居ると、現実的な私のお腹は空腹に忠実で、グゥゥゥ~と大きく鳴った。
「はぁ~~お腹…空いたなぁ……東屋ではお菓子食べられなかったしなぁ……。まぁ、別の意味ではお腹一杯なんですけども。はぁ~~マオカはどこに行っちゃったんだろ……」
私がボソボソ一人で文句を言っていると、またも扉がコンコンと叩かれた。
先ほどアルビオレに注意されたので、今回はちゃんとブランケットを掛けて、静かに横になってますよと、装う事にした。
「ど、どうぞ~?」
「失礼致します」
今度こそ、マオカが扉を開けて入って来た。カタカタと、何かを押して入って来たのだが、横になって居ると見えづらい。だが、空腹で敏感になっていた私の鼻に、美味しそうな匂いが漂って来る。
「奥様…お辛いとは思いますが、少しでも召し上がって下さいませ。召し上がらないと、お薬も飲めませんし、早く治りませんので………」
いよっしゃ~!!早く早く~!体調が悪いのは、マオカの勘違いですからっ!!元気な私はガッツリ食べるし、食べ物残すなんて有り得ませんしっ!!ランぺイジ領の残飯処理人の異名は伊達じゃないって所を見せてあげるわっ!
私がワクワクしながら待って居ると、マオカが食事の乗ったトレーをベッドまで持って来てくれる。
「奥様…本日は軽めの食事にして頂きました。オートミールで御座います。サッパリ頂ける様に、鶏肉とホウレン草のみ入れて貰いましたが、お食べになられますでしょうか?」
「あっ…有り難う……頂きます……」
うっ……。本当に軽めですね?私のお腹……この量で足りるかしら?
オートミールの量に若干の不安はあるものの、とてつもなく美味しそうな匂が漂って来ているので、早速頂きましょう♪
「ん…熱っ……ハグハグ…でも、美味しい……」
がっつき過ぎて、舌を少々火傷したけれど美味しい!!実家で食べていたオートミールとは、全然違うっ!何これ!?美味っ!
ホウレン草甘い……鶏肉もアッサリしてるのに、ジューシー……これがお金持ちのオートミールかっ!
私がこれまでの人生で食べてきたオートミールは、お湯に燕麦を挽いた粉末を溶かして、なおかつ通常よりも二倍は薄めて食卓に並んでいたと、思う。殆ど味しなかったし…。
「ふぅ……美味しかった……ご馳走さまでした♪」
完食です。ただやっぱり量が…ね。少ないのよね……。いや、味は素晴らしかったよ?本当にね。
ガッツリ気分だったので、サッパリじゃあ物足りないのよ。
私が量にたいしてグダグダ考えていると、マオカがニコニコ微笑みながらベッドに近付いて来る。
「奥様、食欲があって良う御座いました。さて最後にこのマオカ直伝の疲労回復、滋養強壮、その他諸々がプラスされた正に今の奥様の為にあると言っても過言ではない、お飲み物をご用意しておりますので必ずお飲み下さいませ」
マオカが差し出してきた飲み物の色が見えた瞬間、私はマオカの誤解を解かなかったのを激しく後悔していた。
そのマオカ一押しの飲み物は、全体的に鈍色で、所々に混じる毒々しいまでの赤紫色は、何処からどう見ても猛毒の類いであった。
「マオカ…これ……本当に普通に飲める物なの?」
「ええ、もちろんですともっ!!これさえ飲めば、病気などイチコロで御座いますよ?」
「いやぁ…どちらかと言うと、命がイチコロな類いに見えるけど……?おまけに不味そう……」
「……………大丈夫で御座います!!意外に飲んだら美味しいカモしれませんよ?」
「今、言っちゃってますけど?カモッて……」
「……………さあさあどうぞ奥様……ググッと一杯…お飲みになって下さいませ」
さっきから、その微妙な間は何なのだろう?余計にこちらの不安を煽って来るんだけど……。
そしてマオカがジリジリと、怪しい飲み物を持って近付いて来る。
更にハッキリと見てとれる、異常な色……これ絶対に飲んだらアカンやつじゃね?
うげっ……。止めてっ!!えっ…えっ…ええ~~?
鼻を摘まむのは止めれぇぇぇぇぇぇ!!!
断固として飲むものかと、口を閉じていたら、しびれを切らしたマオカが強行手段に出てきた。私の鼻を摘まんできたのだ。
ぐっ…苦しい……うぐぐぐぐ……もう、駄目だ!!
我慢できなくて、空気を吸うために口を開けてしまった瞬間をマオカが見逃す筈も無く、一気に怪しい飲み物が私の口に流し込まれた。
「ングッ…ングッ…ングッ………ゴクリ……」
オエッ…飲んじゃった…って、あれっ?そんなに変な味はしな…………ウゲェ……後から来るっ!!苦っ!酸っぱいっ!しょっぱいっ!不味っ!!!そして仄かに香る生臭さ……。
「一体何を入れたのよぉぉぉぉぉぉぉ~~~~。」
私の意識はその叫びを最後に途切れたのであった。
「フフフ…これで次に奥様がお目覚めになられたら、きっと体調は万全に回復していらっしゃる事でしょう……」
マオカは実に清々しい笑顔を浮かべると、部屋を後にしたのであった。
息を止めてて、直後に飲み物は飲めない?普通は噎せる?
ええ、この際スルーしてください。ええ、スルーディングでお願いします。




