第26話〜スピカの過去〜
「そうだったのね……。でもあなた、いい目をしてる。もう大丈夫よ。スピカちゃん、あなたも大事な家族よ。私はマリナ。よろしくね」
ネズミの母ちゃんのマリナは、スピカの目をじっと見つめながらニコッと笑った。スピカは、恥ずかしそうに視線を逸らしている。
「……ウチらがあんたらの街をボロボロにしてもうたのに……。ほんま、おおきに。あんたら信用できそうやしな、ウチの話……、聞いてほしいねん」
「いいわよ、聞かせて」
「あんな、先に言うとくけど、今から話す事ニャンバラ軍の奴らに知れたらウチ何されるか分からへんから、絶対秘密な?」
スピカの奴も、きっと今まで色々とあったんだろう。もしかしたら母ちゃんの狙いは、スピカを救ってやる事ニャのかもしれねえ。
「分かった、約束しよう。みんなもいいね?」
ネズミの父ちゃんのピーターがそう言うと、チップたちはみんな首を縦に振った。
「もちろん!」
「約束するわ」
「うん! 僕らだけの、秘密ね!」
「お友達だもん。秘密にしたげる」
「ぜったい、いわないよ」
キョーダイ5匹のその言葉を聞いたスピカは安心した顔をしてうなずいてから、ひと呼吸して、話を始めた。
「おおきに。ウチ、地底世界の“ニャガルタ”いうとこで生まれて、そこに住んでてんけど……。おとんもおかんも戦争で亡くなってもうて、住むとこも焼かれてしもうたんよ。ウチは何もできひんダメダメなネコやった。そんな自分を変えるため、親の仇を取るため……ウチはニャガルタの首都“ニャンバラ”の、軍に入る決意をした。そこが、ライムさんのとこの軍隊やったんや。ライムさんはニャンバラを築き上げたリーダーで、軍の総長も兼任してはるんや」
「おいスピカ! ライムの奴は、ニャンバラで一体何してやがったんだよ」
あ、いけね。思わず口を挟んでしまった。メルさんが「ゴマ、先にちゃんと話を聞いてあげなさい」と言ってきたが、構わずスピカは答えた。
「ライムさんは、首都ニャンバラを築いてから、すぐに軍隊を作らはった。そしてただひたすら、ニャガルタの地方のネコをニャンバラに集めて、都市を発展させはった。軍では、他の国に権威を示そうとして、隊員には厳しい訓練をさせてはった。ウチも何べんも泣かされたわ」
「ふーん……。じゃあスピカは、ずっとライムのとこで訓練してたんだな」
「せや。ウチがニャンバラ軍に入ってからは、自分の力の無さに何べんも打ちのめされた。けどライムさんは……。ウチの力を信じてくれて、何べん泣かされても励ましてくれはって、鍛え上げてくれはった。そしてやっとの思いで、“ニャンバラ軍精鋭・ギャラクシー”のメンバーになることができたんや」
スピカはまたひと呼吸おいて、話を続ける。
「ほんで昨日、ようやく実戦ちゅう事で……“もふネコ戦隊・星光団”と対決したんや。せやけど……」




