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もふもふにゃんこ ゴマくんの冒険記  作者: 戸田 猫丸
第3部〜ニャンバリアンの侵略編〜
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第24話〜泣き崩れるネズミの家族〜


 すでに夜は明けて、草叢の隙間からは青空が見えていた。鳥の声が聞こえてきた。もうすぐお日様ものぼってくるだろう。

 ソールさん、マーズさん、マーキュリーさん、ヴィーナスさんとは、一旦ここでお別れだ。

 

「ゴマくん! 君はよく戦った! 次はさらに厳しい戦いになるだろう。必ずニャンバラ軍に打ち勝ち、ネズミさんの世界を守ろう!」

「ああ、ソールさん! 絶対ニャンバラの馬鹿野郎どもをブチのめしてやろうぜ!」


 ソールさんが前足を振りながら、ボクらを見送ってくれた。



 ニャンバラ軍が帰ったから、避難してたネズミたちの姿が見える。遠くに見える大通りには、あの宙に浮かびながら自動で動く円盤形のタクシーが走っているのが見えた。

 スピカは口をへの字にしながら、ボクらと一緒に歩いている。ボクはスピカが怪しい動きをしねえか、ずっと見張り続けた。


「せやからもー、大丈夫やて、イケメン。逃げたりせえへんさかい」

「スピカ、テメェ許した訳じゃねえからな。それにボクはイケメンじゃねえ。ゴマだ」


 チップたちは、無事ニャんだろうか。あんな辺鄙(へんぴ)な所まで、ニャンバラの奴らは攻め寄せたりはしねえだろうが……。置いてきたユキとポコも気がかりだった。

 大通りに出ると、母ちゃんが前足を上げて、タクシーを止めた。

 

「どうぞ、後部座席へ。……って、ネコさん!? まさか、ニャンバラ軍がまだ……」

「いいえ。私は星光団のムーンです。ご安心ください」


 タクシーから降りてきた制服姿のネズミに案内されて、ボクらは乗り込む。

 やっぱり、前に1つだけある画面に映った地図の、目的地にポンと触るだけで、タクシーは勝手にスィーっと動き始めた。


「ほえー。自分で運転せんでええんや。ほな、そこのネズミさんは何のためにいるん?」

「私たちタクシーの乗務員は、お客さんと会話したりして楽しませるのがお仕事なんです」

「へぇー。実際こうして来てみたけど、やっぱ凄いねんな、ネズミさんの世界って。伝説の理想郷とか言われるだけあるわぁ」


 ルナは疲れたのか、じゅじゅさんの腹の上に頭を乗せて、すっかり寝っこけてやがる。じゅじゅさんも寝てるが。

 メルさんは、所々煙が上がる街中の景色を見ながら、制服ネズミに尋ねた。


「ネズミさんたちは、みんな無事なんですか?」

「はい。少しずつ避難先にいたネズミは街に戻って来ていますが、今までこんな事はありませんでしたから、住民たちに不安が広がっています。あの住宅地も、めちゃくちゃにされてますね……。お気の毒に……」


 制服ネズミが指差した先を見ると。

 崩れ落ちた建物の前で、座り込んで泣いているネズミの家族がいた――。

 それを見たスピカはすっかり黙って、下を向いてしまった。


 スピカは、ボクらを襲った敵だ。それも、元敵軍の精鋭。本当に連れて来て大丈夫ニャんだろうか。今はただ、母ちゃんの判断を信じるしかなかった。

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