第10話〜力の制御?〜
「……クソ、こんなガキごときにこの俺が……」
ソールさんたちに捕らえられたタイタンはロープでグルグル巻きにされて、ガックリと頭を垂れている。だが、“サターン”の他の4匹は、“ワームホール”を通って逃げちまったみてえだ。
ま、リーダー格のタイタンだけでも捕まえられたんなら、上出来だろ。
さーて、もう終わりか? もっとボクの――この“暁闇の勇者・ゴマ”の必殺技“ダークブレイク”で、ニャンバラの馬鹿どもを全部ブッ潰してやりてえぜ。
「タイタンを捕らえました。ソール、どうしますか?」
「ここで大人しくしておいてもらおう。だが他の“サターン”のメンバーは、“ワームホール”を通って逃げてしまった。まだ街にはニャンバラ軍がいる。きっとここに戻って来るだろうから、今はみんなここで待機だ。いつでも戦えるようにしておくんだ!」
「「「「了解!」」」」
真夜中だってのに、街の方からは何かが爆発するような音や、建物が崩れる音が聞こえてくる。やっぱり、まだニャンバラの奴らが残ってやがるんだな。今すぐブッ潰してやりてえが、下手に動かずにここで待ってろってソールさんからの指令だ。クソ、今すぐブッ潰しに行きてえのに……!
「さあ、ゴマくんも、戦う態勢を整えよう。こっちに来てくれ」
「お、おう! ソールさん!」
ボクらがネズミたちの世界に来た時に通った、“結界”を通過できるトンネル“ワームホール”。今のところ、ニャンバラの奴らにとっては“ワームホール”しかネズミの世界への出入り口が無えから、今、街で暴れている奴らがここに戻ってきたところで、まとめて潰すという作戦らしい。
「ゴマくん、君はとても強い。だけど、強すぎるゆえにその力を制御する事を覚えなければ、かえって戦況が悪化する事もあるんだ。今は申し訳ないけど、僕が指示した時だけ、手伝ってくれればいい」
「マジかよ、ソールさん……。さっきみたいに、思いっきり暴れられねえってのか?」
「ゴマ、あなたはまだ自分の力を扱い慣れていません。少しずつ、周りを見ながら、力を合わせて戦う事を覚えていくのです」
ソールさんの代わりに、ムーンが優しくそう言ってくれたおかげで、はやる気持ちが落ち着いてきた。口調は優しいが、母ちゃんの目は真剣だ。きっとボクの知らねえところで、ソールさんたちと一緒に、いっぱい戦ってきたんだろう。
まだソールさんや母ちゃんが言う事はよく分からなかったが、これからは星光団のメンバーとして、力を合わせなきゃいけねえって事は分かった。
……ま、さっきの手応えからすりゃあ、ニャンバラの奴らニャンか、ボク1匹だけでも十分勝てそうな気がするけどニャ! ニャハハハ……!
青紫色にぼうっと光る“暗黒剣・ニャインライヴ”が、キリッと引き締まった表情のソールさんの顔を照らしていた。




