第28話〜ミランダの導き〜
ジメジメした洞窟の奥に着いた。
もう夜だから真っ暗だが、ミランダの周りがボーッと光ってるから、ミランダがいる事がすぐに分かった。
「おうミランダ。戻ったぜ」
「遅いじゃない、ゴマくん、ルナくん。何してたの?」
「あそこの木の根っこで暮らしてるネズミの家族んとこで、メシご馳走になってたんだ。んで、明日からネズミの家族んとこで世話になる事になったぜ」
「とても親切にしてもらいました」
ミランダはクルリと飛びながら、円を描いた。
「あら、それはよかった。ね? 優しいネズミさんたちでしょ?」
「ああ。それはそうと、メルさんたちは今何してんだ」
聞くと、ミランダはまた変な呪文を唱えだした。
「○x&∞……。ほら、もうそこまで来てるみたいよ」
洞窟の壁に映ったのは――。
ユキとポコが、イチャついてる姿だった。アイツら、同じ姉弟のくせに、恋ネコ同士になりやがったんだったな……。
『ユキ、その服似合ってるよ♡』
『ポコ、恥ずかしいからみんなの前でそういうのはやめてよ』
ケッ、馬鹿野郎どもが……。
これ以上見てらんなくて、メルさんの方に目を向けると。
『母さん、また何か聞こえたよ。この駅から丸い乗り物に乗って、2つ目の駅を降りて真っ直ぐ歩けば、ゴマたちがいるって!』
『分かりました、メル。確かに、ゴマとルナの気配がします。……その前に一度、この駅の宿泊施設に泊まっていきましょう』
メルさん、どこかから誰かの声を聞いているみてえだな。
まさか。
「ミランダ、お前がメルさんに?」
「そうよ。アタシが、この場所への道を伝えてるのよ」
これも、ミランダの魔法とやらか。全く、チビなのに頼りになる奴だぜ。
母ちゃん、メルさん、じゅじゅさん、ユキ、ポコ、みんな揃って、ちゃんとこっちに向かっている。
『……ねえ、未だに服着て二足で歩くの、慣れないんだけど。じゅじゅはどう?』
『私はぁ〜この服ふわふわして好きだな〜。メルも似合ってるじゃ〜ん』
『なんか夢見てるみたいだね、ユキ。ゴマたち、僕らの姿見たらびっくりするかも』
『さあ……。ゴマたちも同じように服着て二足になってるんじゃない? あ、お母さんが呼んでる』
『さあ、チェックインしますよ。この施設で、美味しい魚料理が食べられますからね』
みんな元気そうだ。そして服着たみんなの姿は、なかなかイケてるじゃねえか。ボクらの姿も見せてやりてえぜ、ニャハハハ。
メルさんにシバかれるのは辛いが、早く合流してえニャ。
「母ちゃんたち、一泊してくるみてえだな。ってことは、明日には合流できるかもな」
「ミランダさん、本当にありがとう」
「どういたしまして。じゃ、ネズミさんのところ戻る?」
「ああ、そうするぜ。ありがとよ、ミランダ」
「ミランダさん、ありがとう。また困った時に頼るかもしれないけど……」
「いつでも頼ってね。アタシ、いつでもここにいるから。じゃあね」
ボクらは再び、9匹のネズミの住むデカい木の家へと向かった。
もう色々あって、眠くて眠くて仕方がねえ。フカフカの布団で、ぐっすり寝てやる。
「おかえりなさい、ゴマくん、ルナくん。お風呂沸いてるわ。ゆっくり入ってきてね」
「あー、ネズミの母ちゃん、すまねえ。ボク、水かぶるの嫌いニャんだ。すぐ寝かせてくれ」
「こら兄ちゃん!」
「あらあら、お疲れなのねえ。じゃあ、体拭いてあげるから、横になっててくれる?」
ネズミの母ちゃんが、ボクの汚れた体を拭きながら、マッサージまでしてくれた。それがもうめちゃくちゃ気持ち良くて、そのままボクは知らねえ間に眠っちまった――。




