表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もふもふにゃんこ ゴマくんの冒険記  作者: 戸田 猫丸
第2部〜ネズミたちの住む理想郷編〜
PR
38/183

第11話〜決死の追跡〜


 あのマサシって奴は、ニンゲンなのか? ネズミとおんなじサイズだから、妖精か(ニャン)かじゃねえのだろうか。

 そしてここは、ボクらが集会してる神社の奥の奥にある、木が鬱蒼と茂る森の中だったはずだ。

 それニャのに。

 ここから遠くを眺めてみても、清々しいくらいの真っ青な空が広がるばかりだ。

 (ニャン)か、不思議な事ばっかりだな。


「兄ちゃん、ネズミさんたちみんな、楽器を吹いたり叩いたりしてるよ」

(ニャン)だか楽しそうだな。あ、マサシとやらも、一緒にラッパみたいなの吹いてやがる」

「本当だ。何かのお祭りかな?」

「ボクらも一緒に混ざるか?」

「だから、ネズミさんたちに見つかっちゃダメなんだってば!」

「分かってらあよ。冗談だ」


 気づけば、ボクらもネズミどもが鳴らす音楽に合わせて、体を揺らしていた。アイツら、演奏上手えな。ウットリしちまう。


「……見てたらボクらもやってみたくなるよな、楽器とやら」

「兄ちゃんのはただの騒音になりそうだけどね」

「うるせえな! やってみなきゃ分かんねぇーだろ」


 ボクらは公園の物置小屋に隠れながら、ネズミどもの音楽を夢中で聴いていた。音楽だけじゃなく、踊ったり動き回ったりもしてて、見てても楽しくて、こっちも一緒に体が動いちまう。

 演奏が終わると、ワァーという歓声が湧いて、観客のネズミどもが盛大に拍手をした。

 ボクも、不思議と愉快な気分になっていた。


「兄ちゃん、何うっとりしてるの! ニンゲンさんたち、どっか行っちゃうよ?」

(ニャニ)ッ!?」


 ルナに言われて見ると、マサシどもは既にいなかった。

 しまった。どこだどこだ……?

 道路の方に目をやる。いた。奴らは、ちょうど円盤形の乗り物に乗り込む所だ。


「兄ちゃん、どうする?」


 ボクはルナの腕を引っ張り、道路沿いに向かいダッシュした。

 右側から、ダンプトラックみてえな乗り物が走ってくる。

 他の車は地面からちょっと浮かんで走ってるが、大型の車はちゃんと車輪があるんだな……って、そんニャ事はどうでもイイ。


「ルナ! すぐ後ろのダンプトラックみたいなのに飛び移るぞ!」

「ええーー!?」


 考えている暇なんか無え。報酬の高級魚缶詰のためだ。

 マサシどもが乗り込んだ円盤形の乗り物の、すぐ後ろを走るダンプトラックの荷台に、ボクは狙いを定めた。


「行くぞルナ! 合わせろよ! いち、にの、さん!!」

「うわあああーー! 兄ちゃんーー!!」


 助走をつけ、思い切って道路に向かってジャンプした。

 猛スピードで、ダンプトラックが迫る――。


「ぐあッ! ルナ、大丈夫か!」

「うう……」


 よし、うまく飛び乗る事が出来た。


「まずい、かぶり物が……! ルナ、体を伏せろ!」

「分かってるよ」

「ルナ……怒ってるか?」


 飛び乗った衝撃で、ボクのかぶり物はどっかへ吹き飛んで行っちまった。ルナのも、ビリビリに破けちまっている。

 それでもボクは、見つからねえように荷台から少しだけ顔を出して、前を走るマサシどもの乗った車の様子を見ようとした。

 風がビュンビュン吹きつけてくる。うまく前が見えねえ。


「ルナ、悪りい。怒らねえでくれ」

「怒るよもう! 兄ちゃんのバカ! 死ぬかと思ったよ! ここはもう諦めようよ」

「うう、だが高級魚缶詰は諦めきれねえよ……」

「もう! 勝手にしなよ!」


 ルナに呆れられちまったが、ボクは再び吹きつける風と戦いながら、必死で前を覗いた。

 見えた。確かに円盤形の乗り物の窓に、マサシの姿が見える。

 ……が。道路が二又に分かれてやがる。

 マサシどもの車は左に曲がりやがった。このトラックは……。

 ダメだ! 右に行きやがる!


「クソッタレ! ルナ、また飛び移るぞ!」

「やめろ!! 死にたいのか!!」

「フギャア!? (いで)えー!!」


 本気で怒ったルナに、尻尾を思いっきり噛みつかれた――。


「行き当たりばったりもいい加減にしなよ!!」



 二又に分かれた道路は、それぞれ全く違う方向へ続いて行く――。

 マサシどもの乗った車は、完全に見失っちまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ