表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最愛の騎士  作者: 藤宮 蒼
9/9

 憧れ続けていた肖像画の女性が今目の前に。

レビンはソフィアがユリーシャ様でないのは分かってはいるが、あまりに似ているので危うく抱きしめてしまいそうになった。

兄と初めて肖像画を見たときは、ユリーシャ様の瞳に吸い込まれそうな感覚に襲われ、この城にいないとわかると更に会いたくなっていった。

ユリーシャ様は薔薇がとても好きだったと聞いてからは、自分で手入れをするようになりもう十年になるか。

パーティの夜。ソフィアを見たとき金縛りにあったかのうように動けなかった。

だからサミルを助けるのにも出遅れてしまった。まさかソフィアが身体をはってサミルを守ってくれるとは。自分の主人だろうと思われる令嬢に口答えする彼女を目にし、体に電流が走った感覚。ソフィアから目が離せなかった。

はっと思ったときソフィアは意識を失っていた。慌てて駆け寄り、サミルを兵士に預け自分はソフィアの膝に手をやり抱きかかえた。

軽い。身長の割にとても軽いと感じた。

抱きかかえたときに、ちらと見えた足首にどきっとした。女を知らない男ではないし、何故こんなに動揺しているのか分からない。

他人がこんなに似るものなのか?

客間まで運び、アナと侍女に着替えを任せ、着替えたのを確認してからレビンは部屋に残った。普通なら部屋を出るのが当たり前だが、目が覚めるまで傍にいたい衝動にかられてしまった。

 冷静に対処したと思う。

目覚めたソフィアにレモン水を飲ませることができたし、何と言っても話をすることができたことで気持ちが高揚した。ユリーシャ様の子なのではないかという期待も捨てきれない。きちんと髪を梳いたらどんなに綺麗な艶が出るか想像しただけでぞくっとした。

あの髪を手で梳いてみたい。男なら思うことだ。

明日の朝、アナに整えられた姿を見るのが楽しみでならなかった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ