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叱る理由がない

私が観音(かのん)を叱らないのは、彼女に気に入られるためでも、彼女に媚びるためでもない。


ただただ彼女を人間として扱ってるだけだ。


なにより、彼女を叱る理由がない。彼女は他人を傷付けようとしないから。


確かに、この頃からもう、家ではすごくだらしない格好をするようになってたけど、家に帰ればリラックスしたいのは私も同じだったし、しかもシッターさんやヘルパーさんがいる間は、服だけはちゃんと着ていたしね。


宿題とかもシッターさんが見てくれて、ちゃんと終わらせていたし。


その代わりお風呂の後なんかにはもう、パンツ一丁だったりした。実はこれはダンナも同じで、お風呂の後はパン一なんだよ。


普通、女の子は、自分の体を父親に見られるのを嫌がるようになると言われてるけど、私も、小学校の三年生くらいには見られるのが嫌になってたと思うけど、観音(かのん)はぜんぜん平気そうだった。


同時にダンナも、観音(かのん)の胸がますます膨らんできても、全く気にしてる様子もなかった。性的な目で見てる様子がまるっきりないんだ。だから平気なんだと思う。私も別に気にならなかったし。


これがもし、ダンナが自分の娘を性的な目で見るような人だったら、さすがにきっと観音(かのん)も、ダンナのことを嫌悪していただろうな。


私も、彼女に、服を着るように言ってたと思う。


でも、そうじゃないんだから、いちいちうるさく言う必要も感じなかったし、何より私自身も、思いっきりリラックスした格好にすぐになってたからね。めちゃくちゃ馴染んでたよ。


そうして三人でリビングでひっどい格好で寛いでた。


だけどさあ、それがたまらなく安心できてさ。自分の実の両親と一緒の時にはなかった安心感だったんだよ。


独り暮らしでもリラックスはできてたけど、三人でいると、その上で安心感が違ってた。この世で一番信頼できる人とこうして油断しきった気分でいられるっていうのがこんなに自分を癒してくれるとは、知らなかったな。


それを知ってしまうと、


『家の中でもちゃんとしてろ!』


とか、とても言えなかったよ。なにより、私がリラックスしたかったし。


だから、観音(かのん)を叱る理由がない。


私が彼女を叱ることがあるとしたら、誰かを傷付けるようなことをしてた時だけだと思う。思うけど、それがないんだ。五月や真凛とTRPGで遊んでてエキサイトして、ちょっと強い言葉を、明らかに<ネタ>として口にしたわけじゃなかった時くらいか。


どういう経緯かは知らないけど、


「なんだよ! ふざけんな! バカ!」


って感じで激昂してたからさ。五月達が帰った後で、


「ああいう言い方はあんまりよくないな」


ってね。


詳しい経緯が分からなかったのもあって、それ以上はしつこく言わなかったけど。



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