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好きな子にちょっかいかけてしまうことぐらい普通でしょ

何人もの男子にからかわれ続けて、それでも耐えてきたけど、でもついに耐え切れなくなって、


「学校に行きたくない」


と言い出した観音(かのん)を受け止めるために徹底的に甘えてもらうことにした翌朝、彼女は、


「今日は学校に行く」


と、言ってくれた。


このことについて、


『その程度で済むような話だったんだろ』


と言う人もいると思う。それはある意味では正しくて、


『その程度で済む段階で対処したから』


なんだ。これを放置してさらに深刻な状態なってからだとこれくらいでは済まなかったと思う。


と言ってもまだこの時点ではまだ解決したわけじゃなくて、むしろ本番はここからだった。


学校は、(くだん)の男子生徒に何度も丁寧に指導を行ってくれて、さらには、担任・副担任だけじゃなく学年主任の先生までが授業中や休憩時間まで注意深く見守ってくれたんだって。


そうするとほとんどの男子はやめてくれたけど最初にからかい始めた男子だけは、わざわざ教師の目を盗んでまでしつこくからかってきたそうだ。


どうやらやってる本人は、何が悪いのか、なんで自分が注意されるのか、まったく分かってなかったみたい。だから余計に意固地になっちゃって、どこまでもどこまでも。


だけど、何人もの男子が束になってからかってくるのは収まったから、観音(かのん)もなんとか耐えられるようになってきて、相変わらず嫌な思いはしながらも、『学校に行きたくない』とまでは言わずに済むようになったみたい。


確かに完全に収まってくれるのが理想ではあるものの、


<何一つ嫌なことはない状態>


というのも逆に不自然だろうから、本人が無理なく我慢できる程度なら、許容するべきなのかもしれない。


私と彼も、観音(かのん)を支えるために、寄り添うことにした。彼は仕事が終わったらすぐに家に帰り、私も仕事が終わったら、自分の家じゃなく観音(かのん)の家にまず寄って、彼女と一緒に過ごすようにした。


彼女が望めば一緒にお風呂にも入ったし、そのまま泊まって一緒に寝たりもした。観音(かのん)も頑張ってるんだ。彼女の頑張りを労うために私と彼も努力する。決して見捨てないっていう姿勢を、


『私達はあなたの味方だから』


という言葉だけじゃなく、実際の態度で示すんだ。


そしてそれは、結局、彼女が小学校を卒業するまで続いた。と言うのも、例の男子がやっぱり態度を改めずからかってくるから、こちらも態勢を緩めることができなくてさ。


学校側も頑張ってくれてるんだけど、どうにもその男子の親が事態を深刻に捉えてなくて、


『好きな子にちょっかいかけてしまうことぐらい普通でしょ』


っていう態度だったみたい。親がその調子だから、男子も自分が好ましくないことをしてるっていう自覚が全く芽生えないみたいだね。


被害者が自殺でもしない限り深刻に捉えないということなのかなあ……



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