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【風】


「どうも、今回は宜しくお願いします。ゲッチューズ細木 一雄(ほそぎ かずお)さん」


「ふっ、あなた達がここに来ることは最初からわかっていました。そう、私が世界一の予言者、ゲッチューズ細木です」


嘘だ。本当は私に予言能力なんてものはない。昔から占い師として働いてきたから少しは才能というものが芽生えたと思ったが、そんなことは全くなかったようで芽生えたのは【1日の間に自分がどんな質問をされるかわかる】という能力だった。

昔から学校のテストが近くなくても予習復習を欠かさなかったから得られたと、親しい占い師仲間に笑いながら言われた。

なぜ今なんだ!なぜこんな微妙な能力なんだ細木!


「あの〜、細木さん?」


「あぁ、わかっていますともあなたたちは今巷で起こっている殺人事件の犯人を追っているのですね、そしてその犯人を見つけ出したいと思っている。お代さえいただければ、耳寄りな情報をお教えしましょう」


私は無敵の預言者細木だ、こんなこと先回りできて仕舞えば痛くもかゆくもない。最近、私の能力が警視庁未解決事件特別捜査係にばれたせいで大変なこととなった。だから、同族の仲間達と連絡を取り合えるようにするために矢鳥とかいう探偵からそういう筋の人間のプロフィールを300万でかなり調べ上げておいた。ふっ、こんなところでも役に立つとはな。

さすが細木!無敵の預言者だ!


「耳寄りな情報って一体なんだ?本当に損しないのか?」


「私の予言は絶対に損をさせませんよ、そうですね具体的には()()()()()()()()()、なんてものの一部ですよ」


「異能力!?超能力!?スーパーパワー!!上がる〜!」


おかっぱ女……気持ち悪いほどテンあげじゃないか…


「おい詐欺師、こいつはともかく俺をそんなもので騙せると思ってるなら、考え方を改めたほうがいいぜ」


「考え方を改めたほうがいいのはあなたの方だ。このリストには犯人になりえそうな人物の名前が書いてある。私の予言は絶対です、しかしそれを信じるかどうかはあなた次第だ」


「やりまくり都市伝説みたいなこと言いやがってよ……じゃあ、いくらなんだよそのリストは」


「1ページだけ50万でお売りしましょう。2ページ以降は必要ないでしょうから200万もらいますよ」


「ぼったくりがッ!ただでさえ金なんてねぇのによ!俺はやっぱり買わねぇぜ」


「買います!私が450万払って3ページ買います!」


「毎度アリーナ〜」


落ちたな。ふっ、かなり高額で儲けさせてもらったぜ。


「おい!お前、必要なのは一枚だけだろ!?」


「いいのよ!細木先生からもらったお墨付きの異能力者達……!早速ゴカイチョー」




い号001調査書


並木 忠(なみき ただし)【植物の成長を早める能力】

片山 御幸(かたやま みゆき)【相手の運を吸い取る能力】

ダイナマイト麗子(れいこ)【投げキッスで相手を魅了する能力(ビームも撃てるという目撃情報あり)】

大鋸屋 透徹(おがや とうてつ)【鋭さを操る能力】

遠藤 達夫(えんどう たつお)【半透明化する能力】

郷里 悟【誕生日を当てる能力】

知多 飛雄(ちた ひゆう)【植物から毒を作る能力】

吉村 悠美(よしむら ゆうみ)【相手の心を操る能力】

永沼 萌香(ながぬま もえか)【霊を召喚する能力】

パイレーツ【爆破する能力】

安平 由良太(あびら ゆらた)【水鉄砲の能力】

知床 嶺峰(しれとこ れいほう)【北海道にいるときのみ無敵になる能力】

手佐蜂 小月(てさはち こつき)【麻酔をかける能力】

金城 葵(かなしろ あおい)【サイコメトリーの能力】

桜田 虎彦(さくらだ とらひこ)【パイロキネシスの能力】

東田 良臣(とうだ よしおみ)【相手の感情を共有する能力】



「誕生日を、当てる能力……郷里 悟(さとり さとる)?」


「サトリ妖怪みたいな名前ですね。心を読んできそうな感じですけど、誕生日しかわからないんだ……」


「超感覚、の亜種のようなものでしょう。人の成長を目や耳、肌を見て正確に見極めていると考えれば簡単なこと」


「何が簡単なことだ。超能力だなんてありはしないだろがよ。まるでそれがあるみたいに言いやがって」


「超能力はあります!最近のさばってきた若者グループのボスやロシアのマフィアだって雇っているんですよ、それこそ内閣府だって隠し持っているって言われてるんですから!」


「ともかくその人間のもとに行きなさい。あなた方が追っている犯人かもしれない」


「ッチ!……俺は、俺は信じねえかんな!」


「さぁ、探しましょう!このサトリという人物を!ありがとうございます、細木先生!」


「先生?!」


「あなた方に神のご加護があらんことを〜」







ふぅ……やっと消えてくれたか。

私も忙しいというのに、いつにもまして難しいお題が出たから焦ったぞ。


「さてと、次の占いは何だっけなぁ」


「チクッ!」


首になんか、刺さった?


「ん?ふぅぇ……?」


振り返ってみると、背後にはニヤニヤ笑みを浮かべている男か女かわからない中性的な人間がいた。

何だこいつ!?人差し指の爪が異常に長い、まさかそれで俺の首を刺したのか。

それに、すごい眠気が……

たしか、この能力は……


「その……能力…リストの…手佐蜂…」


手佐蜂 小月(てさはち こつき)【麻酔をかける能力】


「このリストは警視庁の秘匿情報なハズなのにどうやって盗み出したのかなぁ?ま、いいや、君はきっと消されちゃうと思うから良い夢みてちょ」


死にたくない!死にたくない!

誰か!助けてくれ!うわぁぁぁぁ!!

嫌だ、嫌だ嫌だ!私はこんなところでまだ……


「たず、げて……」



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