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ハワイ沖海戦 前哨戦

よく調べたらサウスダコタ級は四隻でした。もう訳ありません。

アイオワ級は六隻の予定で二隻は中断していたのは知っていたのですが、これにより間違っている部分を修正しました。

太平洋前衛艦隊は戦艦十二隻になります。


新たにブックマークして下さった読者さまありがとうございます!できれば評価のほうもお願いします。

真珠湾攻撃から開始されて少し経過した頃、ハズバンド・キンメル太平洋艦隊司令長官は太平洋前衛艦隊旗艦ニュージャージーに乗艦し指揮をしていた。

出撃前、彼は太平洋において海軍大国は日米の二カ国のみ。その真の海軍大国がどちらなのかを決める大海戦に挑もうと意気込んでいた。それも旧式、新型問わずに全戦力を導入しての決戦だった。しかし、レインボー5計画に従い艦隊を出撃させることになったが日本軍の素早い攻撃によりフィリピン、グアムは陥落寸前、見捨てれば国民の信頼を失いかねないとして大統領命令により足の早い艦艇のみで救援に行くことになったのだ。

当初の計画ではマーシャル諸島を攻略してマリアナへ行き決戦のハズだったのに。

大統領のはフィリピンは見捨てられないという感情があるらしいが、実のところは支持率を失ないたくないのが大きいのではないかと彼は思っていた。

そして出撃して数時間、太平洋艦隊司令部からハワイが日本軍の空襲を受けている。と連絡が届いた。

それをみたキンメルは艦隊を反転させてハワイ北方にいると思われる日本艦隊に向かった。


「まさかパールハーバーが攻撃されるとは・・・」


太平洋艦隊司令長官であってもハワイが攻撃されることは予想にもしていなかった。

米国諜報活動の組織である海軍作戦部のトップのスターク大将から「パールハーバーへの攻撃の兆候はない」と言われ、さらに作戦参謀のマクモリス大佐から「日本のハワイ奇襲は断じてない」とも言われていた。

この事もあり哨戒も厳重に行わず、日本艦隊の接近を許してしまった。


「こうなるのであったのならあの時パールハーバーに警告すべきだった」




出撃から暫くして日本潜水艦からの無線を傍受していた。

内容ほ以下の通り。


最新鋭戦艦十二隻ヲ含ム大艦隊出撃セリ、西進シぐあむニ向カウ模様


この無線内容から日本軍に艦隊が出撃したと知れ渡ったことになる。そしてマリアナに日本の戦艦艦隊が待ち構えるだろう。と予測した。

だがキンメルは疑問に思った。

なぜハワイ近海に敵潜水艦がいるのかと。


(索敵ならこんな近海でなくとも良い。大多数の潜水艦を保有する日本海軍なら広い太平洋でも広範囲の索敵は可能だ。なのに)


考えていたがそれは中断させられた。

突如激しい音が響き渡ったのだ。

見るとニュージャージーの左を航行していたノースカロライナな水柱が二つ立ったのだ。


「何事だッ状況を知らせッ!!」


「ノースカロライナに雷撃ですッ現在被害状況を確認中ッ」


確認していたがそれだけではなかった艦隊の左にいた艦に次々と水柱が立ったていく。敵艦が見えないということは潜水艦がいるしかも一隻ではない。最低でも三隻はいる。


「各艦は回避行動。予想海域には駆逐艦をただちに向かわせろ。一隻たりとも逃すなッ!!」


駆逐艦戦隊が予想海域に向かい爆雷攻撃を開始する。

次々と落とすが簡単に戦果が得られる訳がない。

雷撃を警戒し回避行動を行う艦隊は陣形を崩していた。

この時を海の忍びは逃さなかった。


「右舷より多数の魚雷接近!」


「何!?」


デッキにいた監視員からの報告にキンメルは双眼鏡を覗き右舷を見た。そこには海面に多数の魚雷が目に写った。


「まさか、そんな・・・」


次の瞬間戦艦インディアナ、アラバマ、ミズーリ、イリノイが雷撃をうけた。

キンメルはすぐに別の駆逐艦戦隊を向かわせ爆雷を行った。

しかし、戦果は僅かに一隻撃沈だった。




「戦艦ノースカロライナ、インディアナ、ミズーリ、イリノイが被弾し大破もしくは中破。インディアナ、ミズーリに関しては速力低下しています。この他駆逐艦が一隻撃沈、巡洋艦が一隻撃沈、一隻が大破しました」


下士官からの報告を聞いてうむと頷く。


「護衛艦より戦艦の被害が大きいな」


「どうやら敵潜水艦は戦艦を狙っていたようです。恐らく日本は戦艦の戦力差を埋めるために潜水艦などで決戦前にこちらの戦力を減らす考えでしょう」


日米の戦力差は大きい。軍縮条約でそれは明らかになった。

米国は海戦の主力である戦艦の大量保有を日本が認める代わりに空母の保有排水量を大幅に妥協した。

補助艦である巡洋艦、駆逐艦、潜水艦なども排水量は同等になったが、実際に配備状況は日本のほうが多い。

戦艦の大量保有で米国は予算不足になっていたのが理由だ。

これにより戦艦は米国有利だが空母や補助艦は日本有利になっている。

どうやら日本はその戦力差に目を付け戦艦による決戦の前に有利な戦力でこちらの戦力を削り差を埋めようとしているようだ。


「あの潜水艦の無線はこの為のものだったようだ。次は恐らく空母による空襲があるかもしれん」


「キンメル提督、あなたは近海に日本空母がいると思われるのですか?」


「予想だ。可能性は捨てきれん。空母レキシントンに早く合流するよう伝えよう。各艦に対空対潜警戒を厳にするように」


「「「ハッ」」」


レキシントンとの合流を急いだが悲報が飛び込む。


「なんだと!?それは本当か!」


「はい」


連絡員が大きく頷いた。


「空母レキシントンが沈められるとは・・・」


空母レキシントンは合流海域に向かっていたが東方より日本軍機が現れ撃沈されてしまった。


(近くに日本艦隊がいる。それも空母を含む艦隊が)


この艦隊にも空襲の可能性が一段と高くなった。

護衛機がいない状態では危険だ。いくら対空火器を大量に搭載していても高射砲に関して言えば命中率が一%未満。機銃などで考えても命中率は低い。これで防げるだろうか疑問に思う。


「仕方がない。第八任務部隊に連絡して本艦隊の防空任務に当たるよう連絡を」


「て、提督ッ!」


駆け込んできた兵にまさかエンタープライズまでも沈められたのかと思った。だがそれより重大な連絡がと届いたのだった。


「パールハーバーが空襲を受けているだとッ!?」


「はい、北方より大多数の艦載機が現れオワフ島の各飛行場、レーダー、対空陣地を中心に爆撃され停泊していた戦艦にも被害が出ているとのことですッ」


不味い、パールハーバーは太平洋最大の拠点だ。それを失えば太平洋の制海権はほぼ奪われてしまう。


「本艦隊はこれより本来の任務を一時中止し、日本艦隊撃滅のため全速力でハワイに向かう。全艦隊反転せよ。インディアナ、ミズーリは護衛艦を付け可能な速力で来るように伝え」


太平洋前衛艦隊は反転し、ハワイへと全速力で向かった。

この光景を日の丸を付けた偵察機が高高度から確認し艦隊に無線を送った。


米艦隊反転、はわいヘト進路ヲ変更、予想航路ヲ航行中



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