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しょうもない掌編集  作者: 三咲 美月


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峠道

都会から田舎にドライブに来ているカップルがいた。

カップルはちょっとマニアックなスポットを見物したため、国道から外れて道に迷ってしまった。


ナビで見つけた細い道を進むと、国道に合流できるらしい。

おそらく、峠を越えるための道が、トンネル開通によって本線から外れた、国道の旧道だろう。

峠道とだけあって、地元民の生活道路ですらなく、まったく対向車とすれ違わなかった。


やがてカップルの車は狭いトンネルを通ることになった。

峠の頂上付近だけ、トンネルを掘って、古い道は廃道になっているらしい。

峠道よりはいいが、幅がギリギリだ。


「ちょっと雰囲気が怖いね」

「…まだ昼間だし、大丈夫だよ…」


しかし、カップルは恐怖で怯えることになる。


………。

反対から無灯火の軽トラが近づいて来る。

1台通るのがやっとなのですれ違えない。

止まる気配なくものすごいエンジン音で近づいて来る。

しかし加速はしていない。


やがてトンネルのど真ん中で正面衝突してお互いの車は止まった。


軽トラから降りてきた老人が言った。

「俺は悪くない!ブレーキが効かなかったんだ!」


どうやら1速で、ブレーキだと思ってアクセルをベタ踏みしていたようだ。

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