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しょうもない掌編集  作者: 三咲 美月


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ネグレクト

とてもズボラな母親がいた。

家事がまるでできない。

家の中はゴミ屋敷、皿は洗えない。

風呂場はいつ張ったお湯かわからないドブのような液体、5歳になる子供は風呂にすら入れさせてもらえない。

食事は数週間カップ麺。

1年前に父親は愛想を尽かし片方だけ名前を書いた離婚届を置いて出て行った。

当然母親は役所に行くのが面倒で届出をしているわけがない。


そんなある日、包丁を持った覆面の男が押し入ってきた。

ガムテープで母子をぐるぐる巻きにした。

そして男は皿を洗い始めた。

ゴミを捨て始めた。

風呂を掃除した。

最後に、持ってきた包丁で玉ねぎを切り、パン粉とひき肉を混ぜてハンバーグを焼いた。


そして子供のガムテープを剥がして

「お母さんのガムテープ剥がしてやれ。

剥がれなかったらこの鋏使うんだぞ」

と言って鋏を手渡すと、去って行った。


子供は気づいていた。

それが一度出て行った手前格好悪いが、見るに見かねて面倒を見にきた父親だったということを。

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