16話 酔っ払いって面倒くせぇな
『かんぱーい』
「うめぇー!」
「先輩、めっちゃいい飲みっぷりですね」
「おう、運転の後のビールは最高だ」
そう言って先輩は俺にピースサインを送った。
先輩は、泡ついてますよ泡。
海から戻った俺たちは車を先輩の自宅に戻し、そのままいつも行く鷲貴族へやって来ている。
色々あったが今日の海は最高に楽しかった。
琴葉の水着や先輩の水着など俺にとってはご褒美しかないイベントだった。
またいきたいなぁ海。
「本当に今日はありがとうございます上小路先輩、先輩のおかげで今日はとても楽しかったです」
琴葉はそう言うとまた改めて先輩のグラスにちょこんと自分のグラスを当てた。
「そうかー!楽しかったかー、そう言ってくれると運転頑張った甲斐があったよ」
先輩はさらに上機嫌になった。
琴葉上手いな、これは飲み会での先輩の立て方を知っている立ち回りだ。
対してアゲハはというと。
「先輩!私からも改めてありがとう!先輩の運転めっちゃかっこよかった!もうあれは好きなっちゃうレベルだよ」
そう言うとアゲハは先輩に抱きついた。
あ、これはダメだな、減点です。
飲み会で好きとか言ったり、抱きついたりしたらまず変な勘違いをされる、例えばこれが何かのサークルだったなら、今の行いはサークルクラッシャーのそれに該当する。
アゲハは立ち回りが下手くそっと。
「アゲハありがとー、また今度2人きりでドライブとかいこうな」
「うん行くー!」
ほら見たことか、なんか2人きりのドライブ誘われてるぞお前。
これ相手が上小路先輩じゃなきゃほんと危ないからね。
こいつはあんまり異性絡みの飲み会には行かない方がいいな。
アゲハの両親のためにもそこんところこれからは気をつけていこう。
「わっははは、おい五反田、酒だ酒が足りんぞ!」
「うえーんたっくんのバカ!今日は2人きりだと思ったのに~」
「オェッ、き、気持ち悪い助けてタイヘイ」
1時間半後、見事に三者三様の酔っ払いが誕生した。
笑い上戸に泣き上戸、そして瀕死上戸。
うーん見事な酔っ払い軍団だな。
「さ、そろそろお開きにしましょうか」
「あっははは、お開き?それはこれから始まるって事か?」
「はいはい面白いですね、さ、帰りましょう」
お開きにしようとしたら先輩が絡んできた。
まったく俺の揚げ足をくだらない冗談で取ろうとしやがって酔っ払いが。
まぁでもこんな楽しい日も久しぶりだったな。
そうして俺達は店を出た。




