第十二章:嵐は去り一件落着?
触手使い令嬢とヤンデレシスコン13
第十二章
嵐は去り一件落着?
「おはようございます。あ、アルバート様は・・・・・・」
サラが近年稀に見ぬへっぴり腰で扉を開け、朝の挨拶にやってきた。
頬をヒキツらせ、部屋の中を警戒している。
まるで、この部屋の中に殺人鬼がダースで潜んでいる、とでも言いたげな表情である。
「おはよう、サラ」
私は目線だけ、扉に向けてその様子を確認し、また視線を落とす。
「お兄さまなら昨晩、帰られたよ。
本当に無理してこられてたみたい。魔法通信機が壊れるんじゃないかって位に鳴ってたし」
ちなみに私は腕の力だけで上半身を起こし、寝ているらしきポチを観察している最中だ。
先程は右に転がってニャムニャム言っていた。
寝言かもしれない。
つまりは触手も夢を見る可能性がある。
というわけで、朝から熱心にポチの観察をしているわけだ。
まぁ、私も深夜に引き返すことになったお兄さまを見送って、寝不足気味でちょっと瞼が重いのだけれど。
はぁと大きく息を吐く音がした。
もう一度視線をあげる。
サラが全身の力が抜けた、というように脱力して床に座り込んでいた。
珍しい。
「大丈夫、サラ? 今日は休んだら?」
「休んだら、それこそ何を言われ・・・・・・!! 何でもありません!!」
「いきなり元気になったね?」
「えぇ、えぇ、元気ですとも。ジャンさんは今、朝食の準備をしています。アルバート様の分はいらないとお伝えしてきますね!」
サラが頭を下げて部屋の扉を閉めた。
窓から朝の光が射している。
__サラと二人っきりだったこの塔にポチがきて、ジャンがきて。
「今日も楽しいことがあるといいなぁ」
ポチをつつく。
「キュ」
ポチが篭の中でのけぞった。
「キュ・・・・・・」
かぱりとポチの口が開く。
起きたのだろうか?
篭の中をのぞき込む。
「キュプィイイイイイ」
ポチが大きく口を開け、粘液を噴出した。
「・・・・・・」
私は無言でその噴射された粘液と粘液のかかった篭の一部をみる。
水分を失い乾燥した様に変色した篭がボロボロと崩れ落ちた。
あ、今のくしゃみなのか。
乾燥。
乾燥。
そういえば、お兄さまが昨晩ポチに乾燥魔法?かけてたな。
それを覚えたって事?
かけられた魔法って自分もかけれるようになるものだっけ?
そもそも、ポチの粘液って麻痺するだけじゃなかった?
混乱と混沌。
それに支配された私はとりあえず大きく息を吸って叫んだ。
「サラ!!! サラー!!!!」
END?




