014.義母ロベルティーネ
どうしても区切れなかったので、ちょっと長いです。
アーシェと別れた三人は食堂へは向かわずそのままミリアシルの執務室へ直行した。
人払いをし、護衛すらも追い出して、消音魔法を部屋全体にかける。窓に施錠魔法を施し、窓掛けを閉めて、さらには光の遮断魔法すらかける徹底ぶりに、二人の夫人は息を呑んだ。
「ミリアシル様」
ロベルティーネが不安を払拭するような細い声で主人を呼ぶ。吹けば消えてしまうような姿勢は、普段の彼女からは想像もつかない姿だろう。
「両名共に署名をしなさい。これは勅命である」
パールにて、貴族に対し勅命を出せる尊き方など一人しかいない。この国唯一の絶対的存在、女王陛下の名の下に下された意向の前では、一介の貴族程度では戸惑う事すら赦されない。
勅命契約書を拝見できるのはたったの一度きり。それ以上は王を疑う不遜と取られ、場合によっては厳罰に処される可能性もある。
発せられた勅命を諌める事ができるのは、従三位以上の品位保持者のみ。その一人であるミリアシルが持ってきたと言う事は、二人に拒否権など最初から無いことに等しかった。
署名が終わり、ミリアシルがすぐさま取り上げ、公室の嫡流しか扱えない特殊な転移魔法で何処かに飛ばす。
契約の内容は、有り体に言えば個人に対する箝口令だった。しかし口止めの内容が非常識であること極まりなく、ロベルティーネは己が夫に説明を乞う。
ミリアシルは苦虫を噛み潰した形相で拳を握り、勅命を伝える。
「本日よりアーシェリット・ウラリディ・エルミニク・セルヴを四七の賢者と断定し、右に官位相当枢密顧問官、従二位、クレイクの名を授け、枢密院の末席に添えることを宣す」
ミリアシルの宣言に二人の夫人は青ざめる。ロベルティーネに至っては今にも倒れそうなほど血の気が引いており、近くの椅子にしがみついて、なんとか体制を保てている状態であった。
「何故……何故アーシェが……」
「神が選定し、決定した事だ。我々ではどうする事もできない」
この世界には一つの伝承がある。
神々が遣わした神代の人間、賢者は百年に一度現世の贄子に降り立ち、叡智と仮染の安寧を齎すというものだ。
選ばれる子は男子が多く、加えて基本的に裕福な家から出ることが多い。
贄子は神使が降りたその日から、どんな無能な子であってもたちまち才覚を現し、性根腐りが聖人と化し、そして、人格が豹変する。
それはもはや同じ人物とは言い難い。そんな得体の知れない存在に、宝ともいえる子どもたちを捧げたい親なんて決して多くない。
しかし親の意向はどうであれ、国益としては是非我が国へ賢者を招き入れたいのもまた事実。
そのため贄子の候補となる子どもを選出し、国庫から予算を出して育て上げ、賢者の器として賢者を迎え入れる政策があった。
選定基準は最低限の魔力があり、親から高度な教育を受けられない事情がある者たちである。
しかし今回、そんな政策をくぐり抜けて、アーシェが贄に選ばれた。選ばれてしまったのだ。
誰が選ばれようと賢者は賢者。何らかの方法で神の導きにより選定された者がアーシェだと知った女王は、しきたり通りアーシェを枢密院へ迎え入れた。
「人格の変遷はいつから始まるのですか」
「伝承によると予兆らしい予兆は無いと聞く。既に始まっている可能性もあるし、何年か先の場合もあるらしい」
「……そうですか」
どちらにせよアーシェが贄子であることには変わらない。多くの贄子は人格が塗り替えられ、じきにアーシェはアーシェでは無くなるだろう。
ミリアシルから告げられた残酷な未来に、ロベルティーネは少しでも希望を見いだそうとして、糸口を探す。
「過去に贄子の人格が残った事例はないのですか」
「あるにはあるが、長い歴史の中でたった数回だ。加えてそのどれもが関連性を認められていない」
しかし、と続けてミリアシルは一つの道を示す。
曖昧な希望は時に絶望よりも残酷な結末に辿り着くことがある。それでも今のロベルティーネには見るに堪えないほどの痛ましさがあり、ミリアシルは黙って見ていられなかった。
「賢者と交渉する事はできるかもしれない」
「交渉、ですか」
相手はこちらの理とは違う神代の人間である。交渉と言っても実際は嘆願や祈りに近く、賢者に一蹴されてしまえばそれまでであるし、その前にアーシェの人格が潰される可能性もあるのだ。
三人は迅速に、そしてできるだけ多くの手段を用いて賢者のご機嫌取りを行わなければならなかった。
ミリアシルにとって唯一の希望は、賢者は誰もが倫理観を持ち、対話が可能だと言うことくらいだった。
◆
その後の記憶はとても曖昧なものだった。
二人には先に大書庫へ向かうと言われ、人払いをして独り寝台の上に座るロベルティーネ。
その顔からは喜怒哀楽が欠落し、ただただ喪失感が心を支配する。
この喪失感を抱いたのはこれが二回目である。
ロベルティーネの子は死産だった。
出産予定日はエルミニクとほとんど同じで、どちらが先に生まれてきてもおかしくないと言われており、妊娠が発覚したのも同日だった。
その日は各方面から祝辞を頂き、領内全土で三日三晩祭が開かれた。
魔力検査により、二人の子はどちらも闇の祝福――女の子が生まれることが分かっていた。
夫人二人は争いが起こらない事に安堵し、共に協力し、優秀な子に育て上げようと誓い合った。
その後夫人たちは身体を労られ、一時的に実務から遠ざかる。
毎日会っていた二人だが一週間会わなくなることも珍しくなくなり、久し振りに二人だけの茶会を開いた時には、二人とも見違える程の身重になっていた。
そして出産予定日まで残り数週間。そんな時、史上最悪とも言われる流行り病が発生する。
その病は水子病と呼ばれる病気で、成人が感染しても自覚症状がなかなか出ない。小さな子どもが患っても精々微熱が出る程度で、致死率は限りなく零に近い。
しかし妊婦がかかるとなると事情が変わる。感染した妊婦は高熱を出し、胎児は高確率で流れる。そんな病気が領内、国内だけでなく、大陸全土で流行した。
それが発覚してからは、妊婦は自室に隔離され、面会はごく一部の者に限られた。体制を取り繕う暇もなく、部屋に出入りできるのは側近のみで、ミリアシルですら自粛することで全貴族に徹底させた。
しかし、そんな厳重警戒態勢であっても、必ずどこかに穴は空く。
ロベルティーネの側近が、水子病に感染していたのだ。
その側近はロベルティーネからも、周りからも信頼され、名実ともに彼女の腹心だった。
しかしその信頼が仇になり、側近の忠誠すら踏み躙って、病原菌は主人に入り込む。たちまち高熱を出したロベルティーネが水子病に感染したということは、誰の目にも明らかだった。
生死の堺を彷徨いながら産んだ赤子は一度と泣かず、自身の腹心は自責のあまり命を絶ち、後にはもう子どもが産めない身体だと判明した。
何もかもを失ったロベルティーネは心を患う。
自分から動くこともなくなり、食事も取らず、次第に衰弱していく彼女に、周囲の人間はかける言葉も見つからず、ただただ神に祈るしか無かった。
そのまま徒に月日は流れ、二年後の中夏、エルミニクがアーシェを連れて面会に来る。起き上がる事もままならないほど弱った彼女は、以前とは似ても似つかぬ姿で床に伏せていた。
「アーシェ、ロベルティーネ様よ」
「ろーる、てぃーねさま」
エルミニクが幼いアーシェに過去の出来事を教える。
当時のアーシェはカタコトを覚えたばかり。少し早熟な年相応の少女であり、母の教えの半分も理解できていなかっただろう。
それでもアーシェは、ロベルティーネが苦しんでいる事を、本能的に察していた。
「ろーるてぃーねさま」
幼いアーシェは寝台に這い上がり、病に伏せるロベルティーネに跨がった。幸いにもこの場にはエルミニクとロベルティーネ、そしてアーシェの三人だけで、無礼を咎める者は席を外している。
「ろーるてぃーねさま、いたいの?」
「……えぇ」
虚ろな瞳でうめき声とも取れる言葉を返す。その嗄れた声からは、生気の一つも感じられなかった。
「あーしぇも、いたくなるの」
アーシェは歩行の練習の際、頻繁に転ぶ子だった。
転んだアーシェはすぐ泣いて、その度にセリアに介抱される。それ故に、アーシェには泣き癖がついてしまい、泣けばセリアが助けてくれるのだと覚えてしまっていた。
「いたくなったら、ないたら、せりあ、たすけるの」
「……そんなはしたないこと、おやめなさい」
「なくのだめなの?」
「……えぇ」
「ならもうしない!」
両手を上に出し、アーシェは胸を張って宣言する。しかし両手を離した事でバランスが取れなくなったアーシェは、馬乗りの状態でロベルティーネに倒れ込んだ。
「……貴女はもう少し礼儀をお勉強なさい」
「おべんきょう?」
「……普段からやっているのでしょう」
まあ、と手を叩き、アーシェは納得する。しかしその忠告とは裏腹に、アーシェはロベルティーネに抱きついた。
「あったかいにおい」
「暖、かい……?」
「ん! おとおさまと、おかあさまのにおい!」
その言葉がチクリとロベルティーネの心に刺さる。子ども特有の歯に衣着せぬ物言いは、彼女の思いを大きく揺さぶった。
会話をしている最中、ロベルティーネはアーシェを通じて娘の幻想を見ているように感じていた。
娘が生きていたら、産まれていたらこんな姿だったのだろうか。自分が流行り病なんかなにかかりさえしなければ、健やかに育っていたのだろうか。そんな考えが頭から離れない。
そんな想いが、長らく社交の場に出ていなかった彼女の瞳に届き、頬に一筋の軌跡を作る。
涙に気づいたアーシェは懐からハンカチを取り出しロベルティーネの頬を優しく拭う。
「ろーるてぃーねさまいたいと、わたくしもいたいわ」
痛いことはお祈りをすると治ると言って、アーシェは眼前で合掌をする。普段のロベルティーネであれば譴責モノの拙い祈りだが、それでも心の底から祈るアーシェの姿は衰えた彼女の目にとても眩しく映る。
「かみさま!」
子どもは目の前のことしか見えていない。それ故に彼女の祈りはまっすぐで、全身全霊まさしく全力の祈りは誰もが予期しないほどの膨大な魔力を神に捧げた。
「わたくしのぜんぶをあげます。だからろーるてぃーねさまをげんきにしてください」
その日、城中の防護結界が原因不明の誤作動を引き起こした。アーシェの支払った代償から得た有り余る祝福は、ロベルティーネの身体を癒やしてなお力を持て余し、所構わず力を振り撒いた。
神への祈りは身体を癒やすが精神を癒やす力は無い。
少なくとも、そのような効能は未だに発見されておらず、常識的にはできないことになっている。それでもアーシェが放った温かいまでの祝福の光は、ロベルティーネの心に確かに届く。
じんわりと体中に魔力が染み渡り、アーシェの想いが直に伝わってくる。
魔力の譲与は開いた心の穴を埋めると言われている。
その効果は深層心理にまで影響し、それ故に、婚姻前の成人が他人に魔力を与えることは破廉恥な行為であるとされる。
魔力送受の正体。それは家族以外であるのであれば、縁談で知り合った相手と愛を育むために魔力を送り合う行為なのだ。
「げんきでた?」
「……えぇ」
それを聞いたアーシェは満面の笑みで喜びを形容する。
「わたくし、いたいとせりあ、おいのりしてくれるの。だからまたたってあるけるの」
「……わたくしには、もうそのような方はおりませんわ」
信頼していた右腕はいなくなり、ミリアシルもあの日以来顔を見せていない。
「ならわたくしがおいのりするわ! まいにちずっとおいのりするわ!」
屈託の無い瞳がロベルティーネの心を決壊させた。流れる涙を必死に止め、それが嗚咽となって内から溢れ出る。
失った娘の穴を埋めたのは親友の娘。同じ夫を持つ友の娘は、過去に共に足りないところを補い、教育し、立派な領主補佐にさせると誓い合った、もう一人の娘だ。
たとえ血が繋がっていなくても、魔力で繋がっている。
ならばその繋がりがある限り、わたくしがこの子を導かなくては。
「貴女の名は何というのですか?」
「アーシェよ。アーシェリット!」
「アーシェ。アーシェリット様。……いつか落ち着きのない貴女に、淑女の礼儀を教えて差し上げますわ」
その日からロベルティーネの容体は急変した。動かぬ身体に叱咤をかけて、従者の制止も振り切り、ひたすら社交界復帰に精を出す。
一週間で自ら動けるようになり、一ヶ月で舞踏のキレを取り戻し、半年後には社交界に復帰した。
その涙ぐましい復活劇は古参の従者らの心を掴むには充分な魅力を秘めており、領内だけでなく、他領の水子病で子を失った一族にさえ大きな影響を及ぼすこととなる。
今は会えずとも、アーシェが五歳の奉納式を迎えた先にある教育の数々。
親子として振る舞うことは許されない。アーシェもきっとロベルティーネのことは忘れている。
それでも親友との誓いのため、アーシェとの約束のために娘の教師として恥ずかしくないよう自らに磨きをかけ、全盛期の自分を追い抜くよう努力を重ねた。
◆
そして迎えた未来は、アーシェの人格の消失。
アーシェはあの時から何も変わっていなかった。
表面の取り繕いは少しばかり成長したが、未知なる発見に胸を膨らませ、爛々と輝かせる瞳は、あの時あったアーシェのままだ。
まだ間に合う。
今度こそ娘を守るため、紡いだ希望を守るために、命を賭して交渉に挑む。そのための準備と根回しは惜しまない。絶対に、絶対にアーシェを守ってみせる。
「交渉には何が必要なのでしょうか」
「ロベルティーネ様……」
書庫へ入った彼女の表情は、もう先ほどのような弱みは消え失せていた。
覚悟を孕んだ熱い瞳にエルミニクは息をのむ。
彼女の覚悟はとうの昔に決まっていた。ならば実母である自分が率先して動かずしてなんとする。
「わたくしもお尋ね申し上げます」
「賢者の心象を損ねた場合、この国では生き辛くなるだろう。それでも交渉するか?」
枢密院は国王陛下の最高諮問機関である。その権限は各大臣かそれ以上の力を持つ。それはつまり内務大臣たるミリアシルに相当する権限であり、その末席に加わる賢者の心象は一族を考えるなら良くした方が良いだろう。
「むしろ、閣下はよろしくって?」
「セルヴ家はこの国最大、いえ、大陸最高峰の公室でもあります。その当主であらせられるミリアシル様はよろしいのですか?」
「無論、アーシェを差し出した方が良い結果になるだろう」
国益を、一族の安寧を考えるのなら交渉などせずに素直に差し出した方が良い。アーシェ一人の犠牲で賢者を迎え入れ、一族は絶対的な地位を手に入れる。
「しかし、たかが賢者一人と対立して崩れるほど、我がセルヴ家は脆くない」
ミリアシルの決定と共に、セルヴ家最高権力者たちはただ一人の娘のために動き出す。
「して、具体的には何をなさるのですか」
「対話を為すのならば、話し合いに引き出す必要がある。相手はいわば精神のみの存在である故、結界で実体を与えるのが良いだろう」
「結界作りならば文官であるわたくしの十八番ですわ」
文官の仕事は事務に関する業務だけで無く、領内にある数々の魔法陣を管理し、保守する仕事もある。主人に認められた文官は右筆として各家の当主に召し仕えることとなり、ロベルティーネは数いる文官の中からミリアシルの目に留まった才女だった。
「わたくしも何か!」
「其方はただ私の護衛をしていれば良い」
エルミニクは純然たる武官である。執務が苦手というわけでは無いが、この二人と比べると見劣りしてしまうことは否めない。
「とりあえずよく分かりませんが分かりました」
「……なぜ貴女からアーシェリット様のような聡明な子が産み落とされたのでしょう」
それぞれが過去に訪れた賢者の記録から、次の賢者の資料を作成していく。
セルヴ家の書庫に入るための鍵は二つある。
一つはミリアシルがアーシェに与えた鍵。それは表の書庫に通じる鍵。
そしてもう一つは、限られた者にしか閲覧を許されない、禁忌に触れる魔導書や、歴史に葬られたセルヴ家の闇が記された記録書などがある部屋へ繋がる鍵だ。
同じ扉から入るものの、翳した鍵によって出口が変わる。入るためにはセルヴ家直系かつ一定以上の魔力、当主の証しに口伝の祝詞、他にも様々な証しを用いて、ようやく入れる特殊な空間である。
その徹底ぶりにふさわしく、その書庫にはあらゆる情報が保管されていた。
「歴代賢者の資料……ありましたわ」
賢者に仕える右筆は王国の中でも優れた人物が選出される。
中央に多くの文官を輩出しているセルヴ領は、右筆を使い、議事録どころか日常の一言一句を記録し、領に持ち帰っては、重要なものとそうでない情報を選別していた。
「四七番目の賢者は、加藤茜という方らしいですわね」
「加藤茜? 久我梅子ではないのか」
調べたところ、三十代目の賢者と三一代目の賢者との間で齟齬があり、それ以前の賢者は四七代目賢者のことを久我梅子と、それ以降の賢者は加藤茜と呼んでいる。
それは過去にも追及されたことがあり、後者の賢者たちは頑なに、久我梅子という人物は知らないと答えていたらしい。
前者の賢者は久我梅子を最後の清華と称しており、特に二六代目賢者は久我家の最高傑作と発言していた。
「養子などでお名前が変わったのでしょう」
「姓だけで無く名も変わるのか」
集めた情報を精査しまとめ上げる。
しかし他の賢者に比べ四七代目賢者の情報は明らかに異質だった。
ある賢者は久我梅子を褒め称え、別の賢者は忌み嫌う。加藤茜ではごく一般的な教師と評し、名も聞いたことも無いという賢者も存在する。
過去に研究者だった情報はあるが、彼女が何を為したのかという資料は何一つ無かった。
しまいには、久我梅子と加藤茜は別人物であると明言した賢者もおり、資料集めた三人は混乱の極みにいた。
「四七代目賢者を知るほどに謎は深まるな」
「碌な情報がありませんわね。なぜここまで故意的に情報を伏せているのでしょうか」
「それも賢者自身では無く賢者をよく知る別の賢者が、ですわ」
確実なのは、多くの他の賢者が生前に隠すべきと判断した過去を、次の賢者は持っているということだ。
それがどのような理由で隠蔽されたものなのかは定かでは無いが、少なくとも四七代目賢者は腹に一物も二物も孕んだ存在だと、その資料は言外に語っていた。
「厄介極まりない」
賢者の情報は集めるだけ無駄と判断し、三人は各々の役割に集中する。
ロベルティーネは古文書を読み返しあらゆる結界を応用するために。エルミニクは邪魔をしないように精神統一を。ミリアシルは万が一交渉が決裂し、アーシェの人格が消滅した場合に備えて根回しを。
そして結局対策らしい対策が見つからず、三人は決戦を迎えることとなった。




