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たいして読まれないだろうしタイトルなくてもいいよね  作者: くろのわーる
辺境都市編

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26/37

26本目




 最近、聞き慣れてきた警鐘けいしょうの音。


 俺は街中を冒険者達の先頭に立ち、肩で風を切って闊歩かっぽする。


 集団で歩く様はまるで繁華街を練り歩く、ひと昔前の反社会的組織のようだ。


「(ふふっ!アガト組なんちゃって)」


 俺がこの都市を支配する日も近いかもしれない。


 街の人々は俺の姿を見つけると激励を送り、冒険者達は俺の後ろへと続く。


 最早、この都市では顔役と言っても過言ではない。



 防壁に着くと俺はいつもの監視塔へ、その他冒険者達はそれぞれ防壁へと散っていく。


 さあて、今日も荒稼ぎさせて貰おうか。




 監視塔から眺める俺には魔眼のお陰でオーク共がよく見える。

 今回の襲撃もいつも通り、隊列どころか統率すら感じさせない、つまりボスオークがいない通常イベントのようだ。


 通常イベント以外にボスが存在するボスイベントがあり、その場合はボスとして、オークキングもしくはオークカイザーが指揮をとり、それなりの攻城戦を仕掛けてきたような気がする。


 どちらにせよ、今の俺には影響がないので放っておこう。




 さて、防壁にオーク共が迫ってきた。


 俺は防壁から華麗に飛び降りて、門の前でオーク共を待ち構える。


 いつもと違う俺の奇行に防壁の上からはどよめきが聞こえる。


 迫り来るオーク共にアーツを発動。


 使用するアーツは現時点で最強最大のダブルアーツ。



 Lv4.『扇射ちワイドショット』とLv9.『彗星光ミーティアライン』だ。



 今回はちゃんとオーク共の正面からぶっ放すので討伐数が期待出来る。


「ぶっ飛べぇー!!」


 俺から放たれた閃光は見事にオークの群れを薙ぎ倒していった。


 やはり、一気に薙ぎ払うと爽快感がハンパない。


 戦火に満足した俺は助走をつけて防壁に飛び上がる。

 流石に一度のジャンプでは登り切れなかったので途中の壁を蹴り上げて登った。


 俺によって一掃されてしまったオーク共は振り出しに戻されたように森からワラワラと溢れ出してくる。


 今日はこれを何回か繰り返して討伐数を稼ぐ予定だ。


 じゃないと上級職業をカンストさせるのが難しいのである。

 上級職業は中級職業よりもレベルが上がりにくくなっており、尚且なおかつ大量の経験値を必要とする。恐らく、中級職業の20倍くらいではないだろうか。


 ぼちぼち頑張ろうかな。





◇◇◇





 あ~、今日もよく働いたぜ。


 時刻は昼をそこそこ回ったところだろうか。

 残念なことに俺という大量虐殺兵器を前にオーク共は一匹残らず、殲滅されてしまった。


 兵士達や冒険者達もいつもよりかなり早い戦闘終了に拍子抜けした様子である。


 しかし、俺の目標は達成しているので問題ない。


 いつまでも防壁に居ても仕方がないのでギルドで精算してもらうとしよう。






「・・・いっ・・いち・・・」


「いち?」


 俺専属であるジュリアンに討伐数を集計させているのだがさっきから様子がおかしい。


「ジュリアン、どうした?早く教えてくれ」


スーハー、スーハー


 ジュリアンは何度か深呼吸を繰り返すと目にちからを入れて言うのである。


「・・・10763体です」



「「「・・・」」」



 ギルド内が静まり返っているがそれがどうした。


「そうか。じゃあいつも通り・・・」


「そうかじゃあないですよっ!?」


 なんか知らんがすごい剣幕だ。


「一人でオーク1万体とか意味わかんないんですけどっ!」


「そんなの慣れれば、誰だって出来るだろ?」


「イヤイヤイヤッ!絶対出来ませんから!」


「でも、俺やってんじゃん」


「ぐぬぬぬっ!・・・」


 ぐぬぬぬとか言うやついるんだ。


「とりあえず、お昼まだだろ?一緒にご飯でも食べて落ち着かないか?」


 ナチュラルに誘えたのが良かったのかそのまま、併設する酒場へとジュリアンと移動する。




「どう考えてもオーク1万体とかおかしいです」


 料理を待つ間も彼女の文句は止まらない。


「そうは言ってもオークなんて所詮は雑魚じゃん」


「普通の冒険者にとっては雑魚じゃないですから!」


 これで弓術レベルが10になったら、もっと凄いことになるのだが、今は黙っておこう。


 ジュリアンとの会話は食事が終わっても続いていた。

 何故ならジュリアンがかなり酔っているからだ。


 初めはちょっとした出来心だったのだ。

 文句を聞くのも退屈になってきた俺はあまりにも興奮しているジュリアンにお酒を注いでみたのだ。


 そしたら興奮のせいか、お酒と気付いていないのか飲むわ飲むわ。


 少したのしくなってきた俺はバレないよう、徐々にお酒の度数を上げていった。


 するとあら不思議。ジュリアンが酔いつぶれました。


 俺は酔いつぶれて、テーブルに倒れ込むジュリアンを山賊スタイル。肩に担ぎ、酒場を後にする。


 酔いつぶれた女をどうするのかって?決まっている。


 残りの文句はベットの上で聞いてやろう。まあ、ちゃんと喋れたらだけどな。





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