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たいして読まれないだろうしタイトルなくてもいいよね  作者: くろのわーる
辺境都市編

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22/37

22本目




 南門を切っ掛けに街中でけたたましく鳴らされる警鐘けいしょう


 人々は慌てつつも、慣れた様子で家へと避難する。


 打って変わって、防壁の外では血相を変えた冒険者達が必死な形相で門へと駆け込んでいる。


 こんな日に依頼で外に出てるなんて運のない奴等だ。


 今、矢を射って邪魔したらさぞ面白い顔をするんだろうな。


 そんなくだらない事を考えていると防壁に続々と兵士や冒険者達が集まり、準備を整えていく。


 俺も無限収納から弓を取り出して待ち構える。


 今いる監視塔は最も高い場所なこともあって迎え撃つにはもってこいな場所なのだ。


 外に出ていた連中も全員、戻ってきたのか、門が閉じられると同時にオーク達が森を抜けて、その姿をあらわにする。


 次から次へ押し寄せるオークの波は瞬く間に防壁前を埋め尽くしていく。


 不意に誰かが息を飲む音が聞こえた。


 防壁まで400メートル・・・300・・・250・・・200。


 防壁との距離が200メートルを切るかどうかで俺がいくさの口火を切った。



 初手は派手にいこう。弓術アーツLv6.『分身矢ミラージュアロー』とLv8.『爆裂矢バーストアロー』のダブルアーツだ。



 俺から放たれた3本の矢は先頭を駆けるオーク達に被弾すると周りも巻き込み爆発する。


 我ながら素晴らしい先制攻撃だ。


 その爆発音が切っ掛けとなり、一斉に防壁から魔法と矢が放たれる。


 戦場に響く、オーク共の悲鳴。しかし、それもすぐにオークの雄叫びと進軍の音に寄ってかき消される。


 兵士や冒険者達の間には第二撃の号令が響き渡っている。


 そんな中、俺は一体ずつ確実に矢で仕留めつつ、新しく入れ替えたばかりの火魔法を狙いもつけずに放ち続ける。


 今日のところは火魔法のレベル上げもねているのだ。

 火魔法は広範囲の火力に優れた魔法が多く、こういった大規模戦闘、特にフレンドリーファイアを気にしなくて済む防衛戦においては重宝される。


 それにしても、俺にとっては次から次へと湧いてくるオーク共はマジでボーナスゲームのようだ。

 入れ食いならぬ、経験値の荒稼ぎ。


 職業を変更したばかりとあり、ぐんぐんレベルが上がっていくのがわかる。

 この調子なら3時のおやつまでに弓士をカンスト出来そうだ。


 そうこうしているうちにオーク共が防壁へと取り付いていく。

 奴等はアホな上、巨体なので梯子はしごなんて使ったりはしない。使ったとしても切り倒した木を使って頑張るくらいだ。

 ではどうやって防壁を越えるのか。答えは簡単だ。


 組体操のピラミッドを思い浮かべてほしい。あんなにはきれいではないが要は仲間を次々と踏み台にして防壁を登ってくる。


 完全に力押しのゴリ押しである。


 俺は監視塔、防壁の中で一番高い場所にいるので壁に取り付くオークなど知ったことではないので無視して、ひたすら狙いやすいオークを機械のように同じ動作で仕留める。


 俺の記憶では中級職業ならオークを500匹程倒せば、カンストした気がする。


 数を数えるのは面倒なので無限収納内にある矢の残数で計算しようと思う。


 一体につき、矢1本で仕留めれば、だいたい数は合うはずた。


 さて、そろそろ弓士がカンストしていると思う。



名前:アガト

属性:《無》

職業:弓士『Lv:50/50』

SP:212


STR:180

VIT:180

INT:160

MND:140

DEX:390

AGI:180

LUK:140




 はい、カンストしてました。


「アガト、休憩入りま~す」


 これ以上、この状態でオークを倒してもレベルは上がらないのでさっさと職業を変更しようと思う。


 周りに聞こえるように声をあげて監視塔を後にする。


「おいっ!坊主、何処に行くんだっ!?」




 大通りは活気に溢れている。


「道を空けてくれー!」


 槍や矢の束を担ぎ、防壁に急ぐ奴。


「怪我人だー!通してくれー!」


 オークアーチャーにでもやられたのか、教会や広場などに担がれていく奴。


「手の空いた奴から食べてくれー!」


 有志の街人達だろうか、炊き出しや給水を行っているので有り難く頂き、教会に向かう俺。


 教会では案の定、野戦病院と化していたが横目で見つつ、いつも通り裏手に回る。


 儀式を済ませて、就いた職業は戦士だ。


 監視塔に戻る前に矢の補充をしようと思い、倉庫に寄る。

 俺がアイテムボックス、本当は『無限収納』だがを持っていることを告げると防壁の連中に配ってくれとたくさんの矢を渡されたので俺の個人的なポケットに入れておこう。


 俺の物は俺の物、俺の収納に入った物は俺の物。


 『心情・倫理・法則』全てに置いて筋が通っている。


 休憩も取ったことだし、第二ラウンド開始しようかな。


 散歩するような足取りで監視塔へと戻るのであった。





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