第四話 「最果ての敗残者 -Loser in The End-」 01
Pre Play
変熊(以下 GM): 今回、戦闘のバランスでちょっと悩んだんだけど、よく考えたら八雲も攻撃出来るんですよね。
朝比奈: 私は、溶けて扉の下に入ったり出来るだけだよ?
かずさ: 唯一の攻撃系のくせに……(笑)。
朝比奈: まあ、経戦能力は低いから、GMの傾向からいくと、そろそろ復活系のエフェクトをばんばん使ってくる敵とか出してきそうで嫌なんだよねー。
GM: さて、ではいきましょうか! もう第四話ですねー。
Mind: そっかー……もうそんなになるんですね。
かずさ: ここにきて、お話の中核の一部を担う人が欠けちゃいましたが(笑)。
※事情により、菅野のプレイヤーさんが抜けることになりました。
GM: ねー。それは、まあ……調整しましたので、多分大丈夫かと!
【シナリオトレーラー】
生徒会副会長であり、神前の傍らにいた蓮根牡丹が接触してきた。
彼女が言うところによると、神前が独断で行動したことにより、更迭されたとのこと。
更に、彼の身柄は観鏡市FHが推進しているプロジェクトの生体実験に提供されることが決まったという。
プロジェクト名は“エンブリオ・オーバーライド”というらしい。“エンブリオ”の名がまた燻る――――。
DX3 オントロジ 第四話 『最果ての敗残者 -Loser In The End-』
GM: では、いつもの通りハンドアウトと成長報告いきましょうか!
【嬉野冬也用ハンドアウト】
シナリオロイス:春日部敏夫 信頼/隔意
UGN署員が襲撃される事件に考慮した見回りを行っていたある夜、《ワーディング》を検知し現場に向かうと、そこに居たのは夏樹に良く似た青年――――いや、夏樹そのものだった。
君の存在を認識すると、彼は撤退する。
襲われた署員は無事だったが、戦闘の余韻が残る現場で、君に対して声が掛けられる。
そこにいたのは、驚愕の眼差しをむける春日部だった。
かずさ(以下 冬也): はい。成長は《氷盾》が4レベルになったのと、新しく《フェニックスの翼》を2レベルまで取得しました!
朝比奈: どうなるの?
冬也: クリンナップに【HP】が回復出来ます。
GM: (呟く)うぜぇ……。(一同笑)
冬也: 初期ロイスは夏樹と神前にとってます。
【一ノ瀬豊前用ハンドアウト】
シナリオロイス:蓮根牡丹 執着/不快感
UGN支部の署員が襲撃されるという事件が起こっている。
それも治安維持の観点で、わざと表沙汰に出来ないよう仕向けているという周到さだ。
現状において出来ることは、署員に対して不必要な外出を避けるように告知することと、定期的なパトロールをするという消極策しかなかった。
そんな中、一通の書状が届く。そこには、襲撃の様子が描かれた写真が入っていた。
Mind(以下 豊前): えー、一ノ瀬豊前です。ロイスは白鳥美琴と大瀬琴音に対してとってます。確か……蓮根牡丹は無かったんですよね?
GM: (即答)はい。
豊前: OK、わかりました。じゃ、推奨感情のままでとります。(一同笑)で、多分、《勝利の女神》とかを上げたはず。
GM: はずって……(笑)。
豊前: 大分前のことなんで、もう覚えてないっす(笑)。あ!《幸運の守護》用に<射撃>とかも上げてる。
【八雲明星用ハンドアウト】
シナリオロイス:嬉野夏樹 執着/任意
火にかけたままの鍋の存在を思い出し、焦燥感に苛まれながらも得意の強制潜入捜査実施中。
対象は、UGNから資金が流入していたと思われる研究所。
いつもの直感と幸運を駆使し、どうやら重要なデータを入手出来たようだ。
データ内容には、“エンブリオ・オーバーライド”という単語と、嬉野冬也――――に良く似た姿が写っていた。
朝比奈(以下 八雲): 八雲明星です。成長は、【肉体】を2上げて6に、<白兵>が2上がって11になっておしまい! 今回はあんまり成長できなかった。
GM: でも、地味に強くなってるね。初期ロイスは?
八雲: 霧谷雄吾と八雲昴にとってる。さあ、今回も料理の腕を磨くべく頑張ろう!
冬也: 恐ぇーなぁ……(笑)。
GM: では、PC間ロイスを冬也→豊前→八雲→冬也で結んでください。
八雲: 私は嬉野さまに、いつもどおり□憧憬/偏愛でいきますが、よろしいですね。
冬也: 拒否権はないわけですよね、ソレ(笑)俺は一ノ瀬豊前に□誠意/食傷で!
八雲: 夏樹と冬也って、顔すっごいそっくりだよね?
GM: うん、その想定です。
八雲: それを私は見分けられた方が面白いかな?
冬也: その方が面白いと思う。
八雲: じゃあ、夏樹にはちょっと違う感情で結ぼう。うん! 連帯感/嫉妬で!
GM: 何故に嫉妬!?
八雲: いや、嬉野さまと血が繋がってる……! ってことで。
冬也: そんなトコで嫉妬されても……(笑)。
Opening Phase
01◆ 襲撃 Master Scene
UGN新観鏡支部の支部長室で、菅野と大神が話していた。
「支部長。今週に入ってからの被害は既に9名にのぼっています。いずれも戦闘用エージェント。……これは明らかに支部の戦闘力を低下させるFHからの攻撃かと。」
簡潔に状況説明をする大神に対し、菅野は参ったなと呟く。
「しかし、戦闘に特化したエージェントが、いずれもロクな反撃も出来ずに無力化とはねぇ……。」
「《ワーディング》を張っているだろうとはいえ、ここまで我々が捕捉出来ないとなりますと、それなりの実力者による遊撃という線が濃いと思われます――――。」
GM: ということで、今、この観鏡市ではUGNの戦闘用エージェントを狙った襲撃事件が起こっています。
八雲: 私は大丈夫だな。
冬也: PCで唯一の直接攻撃キャラが何を言ってるんですか(笑)。
02◆ 動揺 シーンプレイヤー:嬉野冬也
GM: では、冬也のオープニングいきましょう!
冬也: はーい!(ダイスを振る)9も上がった!?
師走が近づき、街の明かりも何となくオレンジがかってきた頃。
人通りもまばらな繁華街を、冬也は当てもなく一人ブラつく。
特に酒に興味があるというわけでもなく、菅野から盛り場を含めたパトロールを命じられたためだ。
冬也: 街の光景を遠いものに感じつつ、パトロールしてます。
神前からFHに勧誘されたことや、そのFHに嬉野夏樹という名のエージェントが所属していること――――それらが冬也の脳裏に浮かんでは消えていく。
冬也: 無意識に小さくため息をつきます。
GM: そんな時、路地向こうで銃声と爆発音のような音がします。
冬也: ! 音のした方に向かって走る!
GM: 周りを見回すと、騒ぎになっている様子も無く、《ワーディング》が張られていることが分かります。
冬也: 音がした所を探します。
GM: では、路地に入り込んだところで、視界が開けます。そこには男性が横たわっており、陽炎のような炎を薄く纏った人影が、その男性に近づこうとしています。恐らく止めをさそうとしているのでしょう。
冬也: 待て! と声をかける。
冬也が声をかけると、その人影が振り向いた。
そこには、見間違えようもない――――夏樹の顔があった。
冬也: な、つき……っ!
GM: ではここで<意志>判定をお願いします! ただし、【精神】は4で<意志>のレベルは6とします。
冬也: ん? ……つまり、夏樹としての判定ってことか!
GM: (にやりと笑って)まあ、そうですね。
冬也: (ダイスを振る)うわ、低いか!? 出目が5で……11。
GM: では、君の中の夏樹の存在が一瞬薄くなった気がしました。
冬也: っ!?
GM: そして君の中で夏樹が震えながら言います。「……今、一瞬意識トんだ。」
八雲: そっか。今、冬也の中に夏樹が居るんだったね。
GM: と、いう演出をずっとしてますね。で、夏樹は続けて「さっき、一瞬だけ目の前にお前が居た……。」と言います。
冬也: 一体、なんなんだ――――今の……?
GM: さて、向こうの夏樹はやる気のようですね。両手を浅く広げて、手に赤い炎を纏っています。
冬也: では、倒れてる人を庇える位置まで行って、こちらも構える。
紅い炎を纏った拳を冬也に向けて放つ、夏樹らしき人物。
その拳を蒼い炎で受ける冬也。
暗い路地に、紅と蒼の炎が迸る――――……。
GM: 数度交錯したところで、その人影は君から距離をとり、薄い笑みを浮かべると、足元から炎が燃え上がり、その炎と共にその人影は退場します。
冬也: 待てっっ――――!!
GM: 消える瞬間、口元で何かを喋ったようですが、何を言ったかまでは分かりません。
そして《ワーディング》が切れ、路地に再び静寂が訪れた。
冬也: 倒れてる男性に、大丈夫ですかと声をかけます。
GM: 意識は無いですが、命に別状はないようですね。
冬也: よかった……。
GM: ただ、右腕が非常に高温のもので焼かれている状態です。重傷、ですね。
冬也: うわ……(苦々しい表情になる)。――――この人は、UGNの人?
GM: ですね。
冬也: では、菅野さんに連絡を取って、この人を収容してもらう手筈を――――。
その時、冬也の後ろで何かを蹴飛ばしたような物音がした。
冬也: 鋭い視線を、音がした方に向ける!
GM: そこには、春日部が立っています。「いや……凄い音がしたもんだから、覗いてみたら――――。」
冬也: (即座に)《ワーディング》を張ります。
GM: いきなりやりますね……。結論からいうと、《ワーディング》の中でも、春日部は動けていますね。《ワーディング》を張られたことは認識していないようで、続けます。「とりあえずそこの人、病院にでも連れていかねーとヤバいんじゃね?」
冬也: ……大丈夫。連絡はしたよ。
GM: というところでシーンを切るんですが、最後に一つ聞きます。春日部のことをUGNに報告しますか?
冬也: とりあえず春日部と話してから決めようと思うので、今はまだ言いません。
GM: 了解でーす。
03◆ 依頼 シーンプレイヤー:一ノ瀬豊前
GM: では、次に豊前のシーンです!
豊前: はーい!(ダイスを振る)1。
冬也: 今日も冷静だなぁ(笑)。
GM: 時系列的には、冬也のシーンの日の午前中だと思ってください。
拉致事件から一ヶ月弱。
表面的には日常の生活が戻り、豊前は日本国内のUGNの情報を集めつつ、観鏡市への人員配置案を考えながら、高校の校舎内を歩いていた。
GM: って、豊前と高校生活ってのが、どうも結びつかないんだけど、普段どうしてるの?
豊前: 普通ですよー。外国人の振りしながら生活してる。まあ、嬉野冬也もここに居場所みたいの見つけたみたいだし、そろそろ学校は行かなくてもいいかなー、と思ってるけど。
冬也: お前! 一人だけバックれる気か!?(笑)
豊前: まあ、生徒会メンバーに不安があるから、そっちに探りを入れないとな。(ちょっと考えて)俺も生徒会に入るか!
GM: 役職は何になるんだろう(笑)?
豊前: 庶務じゃないですか? 残ってる役職は。
GM: まあ、そんなことを考えながら学校内を歩いているとですね、前方から前回戦った女性、FHエージェントの蓮根が歩いてきます。
豊前: 残念そうな顔をして、見ます(一同笑)。
GM: (敢えて突っ込まず)蓮根はあなたの隣に来ると、「一ノ瀬豊前、貴方に話があります。」と言う。
豊前: なるほど。なら、まずその呼び方を止めることだ。俺のことは豊前ちゃんでいいぜ?
GM: 「…………では一ノ瀬豊前、こちらへ。」(一同笑)
豊前: お前のことは牡丹ちゃんと呼ばせてもらおう。
GM: 「(ぶっきらぼうに)お好きにどうぞ。」
豊前: で? 牡丹ちゃん。何処に行くんだ?
GM: 「あまり人前で出来る話ではないので……そうですね、屋上で話をしましょう。」
豊前: おう。
GM: ということで、屋上に着くと、蓮根は一通の封書を渡してきます。
豊前: ん。(←受け取った)
封書の中には、数枚の写真が入っていた。
いずれも、UGN観鏡支部のエージェントが倒れていたり怪我をしている様子が写されており、その写真の中には陽炎を纏った男性もまた写されていた。
豊前: エージェントの襲撃事件についての前情報は、手に入れてていいですか?
GM: はい。いいです。で、蓮根が「これについて、見覚えは?」と聞いてきます。
豊前: ああ、今うちの支部が陥っている状況だからな。犯人の目星もおおよそついているようだが――――何故、お前が俺に?
GM: 「……端的に言います。貴方の力が借りたい。」
豊前: なるほど。敵対しているところまでは容易に想像がついたが――――つまり俺は生徒会の庶務になればいいのか?
GM: 蓮根は困った顔をします。(一同笑)
豊前: つまりだ。俺がお前らと行動を共にするにあたって不自然じゃない状況を作り出すためには、俺が生徒会本部役員になることが必要だろう?
GM: 「……それに関しては熟慮しますので、話を聞いてください。」
豊前: なんだよ、話の三段跳びくらいしろよ(笑)。ま、いいや。で?
GM: 「神前が更迭されました。ネヴァーモアの益にならない行動をとった責任をとらされて、という形です。」
豊前: (呟く)なら俺が生徒会長か……。
GM: 「(豊前の呟きを無視して)彼はとある実験の素体として流用されてしまうと聞かされました。……私は彼を救出したい。しかし、同じFH内のメンバーは頼れない。そこで、UGNを使うしかないと判断しました。」
豊前: なるほどな。――――で? 俺らにとっての利点は?
GM: 「確約は出来ませんが、かつて神前の命令で入手した、“エンブリオ”に関連したFH・UGN内での情報を私の判断でお渡しする、というのは如何でしょうか?」
豊前: ……ん、まあ、それでもいいか。
GM: 「ちなみに、そこに写っているのは嬉野夏樹。嬉野冬也の兄弟ということになっています。」
豊前: まあ、なんとなく予想はついていたがな……。OK。じゃ、牡丹ちゃんに協力するのはいいとして、他に動ける部隊は?
GM: 一応“イクリプス”の残りメンバーは二人居るんですが、蓮根が彼らを巻き込みたくないと思ってるようだね。
豊前: ほう? ……(言い聞かせるように)いいか? 牡丹ちゃん。俺は支援系、君は防御系だ。もう一度聞こう。他に動かせる部隊は?(一同笑)
GM: そこらへんはまあ、少しは居るものとしてください。ただ、これはあくまで、蓮根牡丹個人としてのお願いです。
豊前: じゃあ、ちょっと残念そうな顔をして見てから、――――しょうがない、情報を伏せつつUGNを動かすことにするよ。牡丹ちゃんのほうも気をつけてな?
GM: 「(ぺこりと頭を下げて)感謝します。」
04◆ 潜入と鍋 シーンプレイヤー:八雲明星
GM: では最後に、鍋を作ってる人のシーンにいきましょう(笑)。
八雲: 登場!(ダイスを振る)で、ここは何処?
GM: とある研究所ですね。時間は午前二時。
ある研究施設の最奥部で、パソコンの画面を睨みつける八雲。
その画面には無機質な文字が並んでおり、複雑怪奇な情報を表示している。
八雲: これは、一人で潜入してるの?
GM: です。
八雲: ……読めん!!
GM: だろうね。まあでも、重要そうだという当たりはつけていると思ってください。
八雲: スマートフォンを取り出して、手当たり次第に撮りまくります(一同笑)
豊前: それ大事!!
GM: (笑いながら)ホントに、有能なんだか無能なんだか分かんないよね……。
八雲: 自分に出来ることと出来ないことをきちんと分かってるだけだよ!
今、八雲が居る部屋の片隅には、警備員達が倒れている。
彼らの意識が戻る前に、情報を集めてここを立ち去らなければならない――――。
GM: そうしていると、中身を閲覧出来ない暗号化されたファイルを見つけます。ファイル名は“エンブリオ・オーバーライド”第16次中間報告。
八雲: …………とりあえず、大神さんに電話をします(一同笑)。
8回ほど呼び出し音が鳴った後、明らかに寝起きの声で大神が電話に出た。
GM: 「は……はい。」
八雲: えーと、かくかくしかじかなんですけど、どうしたらいいですか?
冬也: 全部喋るんだ……(笑)。
GM: 「え、はい……? とりあえずじゃあ、保存しといてくださいよ……。」
八雲: ほぞん……?
豊前: 流石にUSBメモリに保存することくらい出来るだろ?
八雲: でも、私が電化製品を使ってるイメージ、ないんだよねー(笑)。
豊前: じゃ、<知識:機械操作>で6とか?
GM: じゃあそれで。
八雲: (ダイスを振る)9! じゃあUSBを差して、データを引っこ抜きました!!
GM: その端末には他にも、“エンブリオ”という名前が関係しているファイルがいくつかあるんですが、その中に『適合者リスト』というファイルが見つかります。
八雲: 適合者リスト!? ……そこで私はふと、お家で火にかけたままのお鍋のことを思い出します。
冬也: なんでそこで思い出したんだよ!?(一同笑)
GM: さあ、大変だよー? 鍋を火にかけたままだと。火事になるよー?(笑)
八雲: これは、急いで帰るしかないね! ところで、適合者リストってのが見つかったんだよね?
GM: はい。それには画像ファイルも添付されていて、中をちょっと見ることが出来ます。
ファイルを流し読みしていた八雲の目が、ある人物の写真を捉えた。
八雲: はっ! 嬉野さま……! ――――ん? でも、何か違うような気がする……。
冬也と写真の人物との相違も気になるが、それよりも今は鍋のほうが気がかりだ。
八雲: なんかもう、気になりだすと、お家に鍵掛けてきたかどうかも気になるよね。(一同笑)
冬也: ……ちなみにさ、そのファイルに俺自身の写真はないの?
GM: (笑顔で)ん?
冬也: いや、だからさ……。
GM: (笑顔で)ん?(一同笑)
豊前: どうやら重要な情報らしい(笑)。
時折出るエラーメッセージに苛つきながら、情報を全てコピーする八雲。
その後ろで運悪く気がついた警備員に対して、自身の肋骨で作り出したハンマーで一撃を加え、作業を全て終えると、八雲は全力で家に向かって走っていくのだった……。




