神様の名前
杉本葵と友達になった。
中学三年になり、三回連続も隣の席になれば話すくらいにはなる。
TVや部活、話題には事欠かなかった。
でも友達になったのは、期末テストで赤点を取ってからである。
お互いバカだった。だから気があったのだろう。
一緒に帰ってみれば家が真裏だった、そして遊ぶようになった。
どちらかの家でゲーム、ぷよぷよは私が圧勝。音ゲーでは惨敗だったが。
映画の話の途中だった、私は洋画好きで昨日見た救国の英雄の話をしていた。
たしかに宗教の話も出たが、それに食いつくとは思わなかった。
そして・・・
「神様って知ってる?」だ。
知ってるよ、役にたたないサディスト野郎だろ。短い人生で私の価値観はそう結論を出していた。
だけど、それをこの場で言わない程度に私は空気の読める奴だった。
「イエス・キリストのこと?」
こう言うのが精一杯だ。私はびびりだった。
「んー、ちょっと違う。キリストは神の使徒であって神様じゃないよ」
この時点で信仰を持ってる奴とは思わなかった、いつもの。
そう、いつもの中学性同士で流行ってる悟ったふうな話題だと思った。
私もその手の話は好きだった、現代における厨二病というやつだ。流行性耳下腺炎と似ている病だ。
かかる人はかかるし、かからない人はかからない。現に私はおたふくにはかかっていない。将来が心配だ。
「なら、知らない。なんて名前?」
ここは直球だ、訳わからんことに変化球で挑むほど私は勇敢ではない。
イスラム教や仏教、ヒンドゥー教に詳しいわけでもない。
素直なのが一番。嘘つきである私はとてもよく知っていた。
「名前は人間には発音できないんだよ」
高周波かなにかなんだろうか。人間の発声には限界はあるのは知ってるが。
・・・擬音とかなのか?
「でも、便宜的な呼び方で***って言われてる」
始めて聞く言葉だ。
「***、始めて聞いた」
「この世はね、***が創ったんだよ」
その話題に私は興味を惹かれた。




