賢者の石は砕けない!
レティの魔力が大気を渦巻く。
その力は余裕でレオンハルトのそれを超えていた。
下品な笑い声が旧帝都に響き渡る。
「ふはははっ! 私は男子英雄の力を奪いとったスーパーウーマン!! 私は全てを手に入れるのよ!!」
レティが俺に勇者の剣を携えて突進してきた!
リスコとシズエも臨戦態勢に入る!
「ちょっとそこのテロリスト! 撮影は任せるわよ!! ――ウルトラバリア!!」
「ノワール! 援護する!!」
リスコは、プルプル震えて隠れていた犬耳獣人っ娘にスマートマジックを投げつけた。
「は、はい!? え、何が起こってるの!? わ、私なんで生きてるの!?」
嗜虐心をそそるテロリストの親分があたふたしている。
「犬っころ!! いいから撮影しろ!!」
「ふぇ、ふぇい!!」
俺は剣と銃でレティを迎え撃った。
シズエの補助異能で身体中から力がみなぎる!!
レティの斬撃は強力だった。
その一撃はレオンハルトの力を遥かに上回っていた。
剣を振るえば地が裂ける。
魔術を放てば旧帝都の街が燃え盛る。
まさに破壊の化身!
シズエとリスコはいつの間にか旧帝都から吹き飛ばされていた!! マジかよ!
「――時よ止まれ!」
「きゃはははは!!! 楽しいわ! 身体が火照ってくるわ!!」
止まった時の流れをぶち壊し、尋常じゃない速度で俺に迫る。
レティの魔術が俺を捉える!
「くっ!? ――絶対防御!! 何!?」
異能の障壁をぶち壊して俺の身体に直撃する。
「もらーい!」
剣聖の剣撃など比べ物にならない破壊力で俺の身体を切り裂いた。
帝国城跡地まで吹き飛ばされてしまった。
レティの攻撃は止まらない。
「きゃははは!! ――連続剣! ――魔術剣! ――はやぶさ斬り!」
愉悦の表情で俺を攻めながら自分に酔っていた。
「大体あんたはとろいのよ! ていうかあんたが高級宿屋の息子じゃなかったら仲良くしてなかったわよ!! 金よ、金!」
レティの魔術が俺の肩を焼き尽くす。
「はぁ〜、金が無い男なんて魅力ゼロよ! ていうか、ガキ大将のジャガーと付き合ってたの知らないでしょ? クラスメイトのイケメン君とも付き合ってたし……あ、ていうかあんたが処刑台送りになるまでざっと百人とは関係もっていたわ!!」
レティの斬撃が俺の足を切り落とす。
――ほう……それは初耳だ。
「間抜けのあんたはそれに気づかず、レティ、レティ、レティ!! ああ〜うざい! 真面目だけの男なんてクズよ! 退屈で死んでしまうわ!」
レティの剣が俺の胸を突き抜けた。
「……レオンハルトも私の身体に夢中だったからね!! ふふ、私はヤればヤッた相手の力を奪いとれるのよ!! ――私はこの力でこの世界の覇者になるのよ!!!」
返す刀で俺の首を跳ね飛ばした。
「滅却!! ――ファイナルフレア!!! きゃはは!! あんたと過ごした日々は時間の無駄だったわ!! 死んで償いなさい!」
バラバラになった俺の身体が核融合の炎に包まれた!!!
「ふぅ〜〜スッキリしたわ!!」
――なるほど、コイツはビッチじゃない。
――コイツは真のビッチだ!!
――確かに過去に、隣のクラスのタナカ君とトイレに入る瞬間を目撃したり、八百屋の親父と草むらから出てくる時を見たこともあった……騎士団長とレスリングをしているところもみた……
――俺はレティを信じたかったんだな。……目を背けていたんだな。
――でも、もう遠慮はいらない。
――俺はコイツを……殺す!!!
「うん!? ……な、何が起こってるの!?」
俺の身体が再生する。
俺の身体の中にある「賢者の石改」が反応する。
「――アバドン」
俺は魔法力を開放した。
核融合の炎が虚無の空間に飲まれていく。
「ええ!! わ、私の最上級の魔術が……ていうかあれは……『魔法』!?」
「死んでこの世界の糧になれ!! アバズレが!!!」
俺の異能力は異世界のヒーローを皆殺しにできる程度の力だ。
だがな、俺の魔法力は世界を滅ぼすことができる程の力なんだよ!!!
「魔法力全開!! ――エンシェントノヴァ!!!」
遥か宇宙の彼方から数千万本の光の柱が落ちた。
海が蒸発する。
山が消え去る。
街が破壊される。
俺はそんな力を、
「――収束!!!」
レティにぶつけた!!!




