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騎士団との戦い。

ブックマーク登録100人ありがとうございます。

更新はゆっくりですが少しでも面白いって思ってもらえたらば嬉しいです。

王都の入口では入るための身分の確認のための長い列が続いている。

貴族以外の冒険者もこの列に並ばなければならない。


どこからからうわさ話が聞こえてくる。

「そういえば知ってるか?最近王様に逆らったエルフがいるんだってよ。」


「あれだろ?1ヶ月むち打ちに耐えたらば解放するとか言ってるのだろ。」


「そうそれ。でもあの刑って必ず最後は死ぬヤツだよな?」


「あぁ最後はムチじゃなくて鉄の棒らしいからな。1ヶ月耐えた後に看守から鉄の棒でボコボコにされて原型がわからなくなった死体が運び出されるらしいからな。」


「しかし、そのエルフもついてないよな。道に飛び出した盲目の子供を助けるために王様の馬車を止めたってだけでその仕打ちだろ。」


「あぁこれがまだ貴族とかならばそこまではいかなかっただろうけどな。」


俺はリウスさんと顔を見合わせる。

もう少し詳しく話を聞きたかったが、その男達は兵士にお金を握らせ早々と門をくぐっていってしまった。どうやら兵士は賄賂でどうにかなってしまっているらしい。


俺達が門につくと兵士から簡単な審査をうける。

特に怪しいものや物はないが時間がかかる。


「ゴホンッ」


後ろから咳払いが聞こえる。

これは…リウスと顔を見合わせて少し兵士に握らせる。


兵士は

「チッ」

と舌打ちしながら何とか通してもらうことができた。

どうやらこの国は賄賂がないとダメらしい。


俺達は門をくぐったその足でギルドへ行く。

先ほど最後の頼みを受けた兵士からのものを届けに行くのとゴブリンの発生を伝えなければならない。


リウスは何度も来ているのか王都を迷わずに進んでいく。

「前はこんな風に腐った街ではなかったのに…なにか変わってしまったようですわね。」

リウスは独り言のように小さな声でちぶやいていた。


前がどんな街だったのかわからないが、兵士に賄賂を送ったりするのはそれなりにあることだ。

途中で宿屋があったので宿屋に馬車を預けて1週間分の料金を先に支払っておく。

リウスとも途中で話し合ったのだが、王都での探索は1週間をめどに切り上げることにした。


王都の宿屋は1泊だと料金が高く設定されている。

最初にある程度まとめて泊まる予定をだしたほうが値引きがあるのだ。


正直どこまで見つかるかはわからないが、もし先に向かうにしても、このまま帰るにしても区切りは必要だろうと、宿屋の親父にその話をすると、もし早く見つかったらばその分は返金はsいないといいきったが別にそれでかまわないというと満面の作り笑顔で部屋に案内された。




ギルドは街の中央にあった。

両開きの扉をあけるとその先にいくつか受付がわかれていた。

今回は最初に途中の商人一行の報告をすませてしまう。


ギルドでは銀髪ボブのきれいなお姉さんが対応してくれた。

一通り話をして

ハンターの階級章と頼まれた伝言を渡す。


「ギルドが責任を持って遺族にお渡ししますので安心してください。」

そう笑顔で言われてしまうと女性への免疫がない俺はドギマギしてしまう。


その後、ゴブリンの異変について報告はをしようとしたところ、ギルド入口から王国の騎士団が入ってきた。

王国騎士団胸に鷹のマークの入った独特の甲冑を着こんでいるため一目で区別することができる。

騎士団の団長らしき人間はリウスを見ると一直線でリウスの前にきた。


「久しぶりだなリウス。こんな再会になると思ってはいなかったが残念だ。お前に王様への叛逆の疑いがかかっている。一緒にきてもらおうか。」


「久しぶりだなザリク。ところで王様への叛逆?エルフ違いではないのか?私は今ここについたばかりで叛逆もなにもしていないぞ。それよりも妹を知らないか?王都に行ったまま帰ってこないんだ。」


「あぁ知ってる。だがとりあえずここは大人しく捕まってくれ。」


「嫌だといったら?」


「力づくでも。」


そういうと目にもとまらぬ速さでお互いが剣を抜き打ち合う。

「腕はなまっていないようだなザリク。」


「昔の私と一緒にはしないで頂きたい。あなたが引退をしてから今の騎士団を引っ張って来た自負があります。」


「ここではギルドに迷惑がかかるから。外にでるぞ。」


「あぁわかった。」


そう言って二人はけん制しあいながら外に出る。

「リウスさん俺も手伝います。」


「マイルさん大丈夫ですよ。こんなゴミさくっと片づけますから。」


いつものにこやかなリウスさんと同じような口調だがいつもと全然オーラが違う。

しかも騎士団長をゴミって。

いろいろ聞きたいがやっぱり聞いてはいけないんだろう。


戦いは両者ほぼ互角だった。

むしろリウスさんの方がおしているようにさえ思えた。


「そろそろ決着をつけようか。」

ザウスがそういうと魔法の詠唱をはじめる。


「ふん。そんな魔法で私に勝てると思う方がおかしいだろ。」


そういいながらザリクに切りかかったところ、リウスさんの足元から魔法陣が発動する。

「ザリク…これは…。」


「こんな勝ち方は嫌だったんですが、これは正式な勝負ではありません。あなたに反逆の意思がなくても力があることが問題なのです。」


その魔法陣からはリウスの身体に無数の手のようなものが絡まりリウスから力を奪い、首に漆黒の首輪を取り付けた。


「エルフ封じの魔法などとうに使いて滅んだはず。」


「はい。これは古文書をみて作った簡易のものです。あなたに勝つために色々研究をしたんですよ。なので正規のものよりは力は落ちますが今のあなたならばこれで十分です。あなたの妹さんも簡単に捕まってくれましたよ。」


ザリクはニヤニヤしながらリウスを見下ろす。


「リウスさんを放せ!俺が相手だ。」


俺がそう言ってリウスさんとザリクの間に割り込む。

「フハハ。リウスさんともあろう方がこんなゴミを従えているとはもはや隻眼の騎士団長も地に落ちましたな。俺が相手をするまでもない。やれ。」


そういうとまわりを取り囲んでいた兵士がいっせいに切りかかってくる。

ふん。そんな簡単にやられるか!

できるだけ殺さないように兵士を鎮圧していこうと思ったところ、背中から激しい衝撃を受ける。

全然反応ができなかった。

なんだこの魔法は…。


そこには透明になった何かがいた。

その何かは俺の左わき腹に剣を突き立てていた。


嘘だろ…こんなところで…。


「まぁ残念だけどな。リウスと一緒にいたことを恨むんだな。反逆罪だから40年も鉱山で働ければでてこれるだろう。しっかり働いて俺達の生活を楽にさせてくれよな。」


「こんな雑魚を元騎士団長ともあろうお方が頼るしかなかったって。本当に落ちぶれたくはないですね。ハハハ。」


「まったくだよ。」

そう言いながらまわりで男達が笑っている。


俺の頭の中にどこからか声が聞こえる


『ザッー…ザッ欲…か…。』


『ザッー…ザッ力…欲…か…。』


『ザッー力が…ザッ欲しい…か…。』


なんだこの声は…

そこへリウスさんが最後の力を振り絞り俺に回復魔法をかけてくれる。


「おいおい。その状態でよく回復魔法なんて使えるな。さすが元騎士団長。封じられてもなかなかなもんで。」


「おいっ。さっさとそこのゴミ二つを地下牢に連れてけ。」


その声は気が付いたらば聞こえなくなっていた。

なんだったのだろうか。

それよりも…リウスさんを助けなければ。


だが俺にもすぐさま魔法封じの手錠がつけられる。

こんなところで…。


俺がさらに反抗しようとしたところ、眠りの魔法を唱えられ俺は意識を失ってしまった。

リウスさんを助けないと…頭の中でそれだけが反芻していた。


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