表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします  作者:   *  ゆるゆ
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
32/89

誓うのです




「まるで陛下を選んだ僕が、ゲテモノ喰いみたいじゃないか。やめてくれるかな」


 ふんと鼻を鳴らしながら、密談の部屋を開けたのは、あざやかな青い髪とおそろいの青い瞳が愛らしい男の子だ。

 華奢な手足と大きな瞳はまるで少年みたいなのに、陛下の隣に堂々と並び立つさまは、とても堂に入っている。


 あわてて頭を下げるノィユと両親と皆を見渡した少年は微笑んだ。


「おもてをあげよ」


 愛らしさと威厳のあふれる声に、ノィユはそうっと顔をあげる。


「……ふぅうぅん。きみがヴィルさまの伴侶ねぇえ」


 殺人光線が刺さった!


 ……王配殿下なのに、ヴィルに『さま』がついてるよ。

 こわい予感しかしない。



「名乗れ」


 睥睨にふるえたノィユは、唇を開く。


「お初にお目にかかります、王配殿下。ノィユ・バチルタにございます」


 胸に手をあて、深くひざを折る。

 最敬礼だ。


「……月の精霊の母、陽の精霊の父、精霊の目を持つ3歳児か。

 ヴィルさまは、顔面最強な、ちっちゃい男の子が大すきなんですね……!」


 泣いてる。


「違う!」


 ヴィルの反論が、いつになく強い!



「ノィユだから、伴侶に」


 答えたヴィルが、ぎゅっとノィユの手を握ってくれる。

 火照る頬で握りかえしたら、もしゃもしゃの雪の髪の向こうでほんのり微笑んでくれた。



「うわぁああん!」


 王配殿下が号泣してる。


「はいはい、アォナ、落ち着いて。いちおうきみの伴侶は俺なんだからね。堂々と目の前で他の男を口説かないように」


 ぽんぽん陛下にお背なを叩かれたアォナ殿下が、ぐすぐす鼻をすすった。


「……アォナ・ロベォ。ロベォ家三男」


 貴族最高位のロベォ家! さすが王配殿下!


「ヴィルさまに振られて、ユィクにも振られて、仕方なくザイアと一緒になった王配だよ」



「ちょ……! 説明──!」


 ザイアが泣いてる。



 …………おとうちゃんの名前が出た気がするんだけど、気のせいかな…………?



「ノチェ殿とエヴィに振られたザイア陛下と、お義兄さまとユィク殿に振られたアォナさまがくっついて、それなりに楽しくお暮らしなのが我らがネメド王家です」


 トートがまとめてくれた!



「だから、めちゃくちゃ王家から怨みを買ってるわけだよ、ヴァデルザ家も、ネァルガ家も、バチルタ家も。だから伴侶契約で呼び出されちゃうの。わかる?」


 トートの説明が、痛いほどわかります!

 両親の分までごめんなさい!


 謝ろうとしたら、ザイア陛下が手をあげてくれる。

 許しをもらったノィユは、ふるえそうな唇を開いた。



「ご心痛をおかけすること、誠に、誠に申しわけなく存じますが」


 深く頭をさげたノィユは、息を吸う。



「僕は、ヴィルを、愛しています。

 ヴィルは、僕の、伴侶です!」


 断言した!


 燃える頬で、ヴィルの手を握る指が、ふるえてる。



 ぎゅ


 ヴィルが、手を握ってくれる。

 もしゃもしゃの雪の髪の向こうにのぞく耳を真っ赤にして、藍の瞳をほそめて、笑ってくれる。



 ヴィルのためなら、何だってできる気がするんだ。



「借金は、僕が死ぬ気で何とかします! ヴィルに、ヴァデルザ家に、ネァルガ家に、絶対にご迷惑をおかけしません!

 ですからどうか、ヴィルの伴侶となることを認めてください、お願いします!」


 地につくほど頭をさげた。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ