5、桃園の誓い
趙さんに案内されながらしばらく歩いていると。劉備達を見つけた。
「蓮殿急に呼び出してすまない。先程、関羽、張飛と話をしていたが都の方でどうやら黄巾賊討伐軍が結成されているようで我々もそこに参加しようと思う。準備もあるので出発は三日後にしようと思うだけどその前に、蓮殿や義勇兵の皆んなと酒を呑みながらゆっくり話をしたいと思ったんですがどうですか?」
「なるほど。確かにそれは良いですね。あれ?他の兵士たちはどこです?」
周りを見渡してみるとここにいるのは劉備、関羽、張飛それとここまで案内をしてくれた趙さんしか居なかったので疑問に思い劉備に聞いてみた。
「今、酒や料理の準備をしてもらっている。皆が来る前に今ここにいる4人でしたいことがあってね。蓮殿それに関羽、張飛とこの4人で兄弟の盃を交わしたいと思っている。受けてもらえないだろうか。」
「えっ?劉備殿達と兄弟盃ですか?ありがたい話ですがそれはできないです。実は私はこことは違うずっと遠い場所から来たんですがちょっとした事故があり帰り方が分からなくてしばらくしたら、帰り方を探しに旅に出ようと思っています。劉備殿には黄巾賊から助けていただいたご恩がありますがどうしても帰ってやらないといけないことがありますのですみません。」
「そうであったか。何か事情があるのなら仕方がない。なら関羽、張飛と交わす兄弟盃の立会人になってくれないだろうか。」
「それでしたら、ぜひお引き受けします。」
劉備から立会人のお願いを引き受けた後、趙さんが酒が入った瓶と盃を3っつ持ってきた。それを受け取り大きな桃の木の前に移動し劉備達のもつ盃に酒を入れたあと3人が声を揃えて口上を述べた。
「「「我ら三人、生まれし日、時は違えども兄弟の契りを結びしからは、心を同じくして助け合い、困窮する者たちを救わん。上は国家に報い、下は民を安んずることを誓う。同年同月同日に生まれることを得ずとも、同年同月同日に死せん事を願わん。」」」
口上を述べた後、三人は一気に酒を飲み干した。張飛が近づいてきて盃を渡してきた。
「蓮よもう兄弟の盃は終わったんだ。ここからは、普通に飲もうぜ。おい趙他の兵士たちが料理の準備をしているはずだ持ってきてくれ。」
「ありがとうございます。いただきます」
盃を受け取り。劉備達と酒を楽しんだ。しばらく宴会を楽しんだあと一人離れた場所に移動し歴史を読んでいた。ページをめくっていると劉備のことが書かれたページがあった。そこには、桃園の誓いのことが書かれていた。
(ん?桃の木下で兄弟盃を交わしたと書かれているってことは今日のが桃園の誓いだったのか。)
この時、気づかなかったが続きにこう書かれていた。劉備達三人で兄弟の盃を交わしたが劉備達が兄弟と見込んだ男もう一人いたが、名前、出身地など不明で分かっているのは二刀の変わった形の剣を持ち関羽と互角に戦ったという記録だけしか残っていない謎の男が居たという。