3話 雪女
横に立つ人物を見て、俺は金縛りにあったみたいになった。
そんな俺をよそに、そいつは喋り出す。
「よう陽木!お前とまた一緒でうれしぃよ!そういや、まだ織野のこと好きなのー?」
こいつは教室に響き渡る声で、よくもまぁそんなこと言えるな...。窓側の一番後ろで教室の隅なのに周りからの視線が痛い。
「露骨に嫌な顔するなよ!!」
台パンする時くらいには強く俺の頭を叩いてきた。
ちょっと鬱陶しいけど、小学生からずっと同じクラスで、所謂腐れ縁だ。
「なんでお前ここいんだよ...」俺はなんて優しいんだ、と思いながら喋ってやった。
「なんで知らないんだよ!母さん繋がりで聞いてないの?」
「なんも言ってなかったぞ...」
「まぁいいじゃないか!小学生からの仲だろ?」
なんで桂子と離れてこいつとは一緒なんだよ...。
「そういやどう?このクラスの"逸材"を発見できたか?」聡も知られたくないのか、今回は耳元で囁いてきた。
「逸材ってなんだよ」
「もうー、わからずやな陽木ちゃんだなー。カワイイコだよ!カワイイコ!」
「そんなんいるわけないだろ...」俺は吐き捨てるように言った。というか正直、桂子以外の女の子にあんまり興味がなかった。
「もーう、織野にしか興味ないんだからー!」
「ちげーよ!!」俺は慌てて立ち上がって声を張り上がった。
また桂子の話を出されたらまずい、そう思い俺は聡の肩を掴んだ。
「お、お前は誰かいたのか!?」
「お!いいことを聞いてくれるじゃないか〜?」
ちょっと声が裏返ったのに、こいつはそんなことにも気づかず喋り出した。
「俺はね〜、あの子!?」聡は俺の列の一番前を指していた。
彼女は頬杖をつきながら、窓から校庭を見ている。ロングヘアが太陽と調和して輝いていて、一瞬白髪なのかと思った。
「ねぇ、陽木はどう思う?」
彼女を見ようとしたが、目の焦点が合わない...。俺はさっき、横目だけど彼女の顔を見た。
雪女。いや、強いていうならラスボスだ。今日の中ボスくらいの風なら、駒のように扱える人に見えた。
「怖いよ...」震える声で、聡にしか聞こえないように言った。
「え?なんでだよー!」
「お前、あの人怖くないのか?」
「なに言ってんだよー!あの不思議な雰囲気といったらもう!鳥肌もんだよー」
こいつは全神経死んでんじゃねぇのか。まぁ、そこが良いところなんだけど。
「俺、話しかけに行っちゃおうカナ!?」
「やめとけよ...」
「まぁいいや!入学式終わったら行くわ!!ちゃんと見とけよー?」聡の目はキマっていて、覚悟が感じられた。
正直、どうなるかちょっと気になる。
タイトルの女がやっと出てきました。本当に遅いよ!!
僕は今からM-1を見ます^ - ^
次回は明後日の12/23です!お楽しみに!!




