⒈僕と未来と繋ぐ四ツ葉
未来と過去どちらに行きたいか、こんな質問がたまに飛んでくる。
僕は過去よりも未来に行きたい。そして未来の僕に聞くだろう。
まだ「死ぬ」ことを望むかを。
九月下旬。
最近、雨がよく降る。夏に一瞬で終わった梅雨が、今降っているようだ。
僕の名前は、四ツ葉 美菜。
十三歳、中学二年生のごく普通の女だ。
…いや、普通じゃないかもしれない。
僕は普通に対する基準がいつもわからない。
学校には行けたり行けなかったり、いわゆる不登校なのかもしれないけど、行ける日もあるので違う気もする。
夜に辛くなって自分を傷つけることもある。
ただ一番知りたいのは「辛い」に対しての基準だ。
今の話を聞けば「辛いのかな?」と感じた人だって居るだろう。
だが一方で僕は学校を休んでスマホを見たり、絵を描いたり、歌ったり、昼寝したり。聞けば聞くほど僕のはただのズル休みにも感じる。
今読んでる人は「この小説は一体なにを伝えたいのだろう」そう思った人も居るだろう。
これは生きることで死にたくなる子供の人生を描いた物語だ。
久しぶりに学校に行った日。
勉強に追い付けずに落書きばかりしていた。最後の授業の挨拶が終わればいつもの道で帰る、そのはずだった。
気付けば知らない緑が広がる丘に来ていた。
「久しぶり」
そんな声が響いた。
知らない人、僕からすれば不審者だ。だが、そこに居た男性は猫の面を付けていて、僕は少し興味を持った。
「あなたは誰?」
僕は聞いた。
こんな人と話せばお母さんに怒られるかもしれない。お父さんを困らせるかもしれない。
でも、今の僕は「悪いこと」は心にちょっぴり余白をくれると感じたから。
だから名前を聞いた。
その男性は少し考えてから答えた。
「んーそうだなぁ…僕は猫神だよ」
正体を隠すための嘘にしか聞こえなかった。
でも、僕にはそれが悪い嘘には聞こえなかった。
「猫神?なんなのそれ」
その男性は黙った。面を付けているから表情が読めない。
「君を…守るための神様かな」
「ふーん、そっか」
よくわからなかった。そりゃそうだろって自分で思った。
あっ、五時だ。帰らないと。
「僕、門限やばいから帰るね!」
走ろうとしたら後ろから、
「待って」と呼ばれた。
「また、君に会いたいんだ。この四ツ葉を預かっててくれないか?そしたらまた会う理由ができるでしょ」
にこっと口元だけ笑ってるのが見えた。
強い風が吹いた。次見たときにはあの猫神様も居なかった。
「…なんだったんだ?まぁいいや、急がないと」
体力の無い体で家まで不恰好に走った。
息を整えてから家に入る。
「ただいま」
あまり家は好きじゃない。お母さんとお父さん、弟が居るから。
「おかえり~」
ゲーム中毒め。
そう思いながら弟を冷たい目で見る。
弟の名前は、優真。親に好かれている弟だ。
「お母さんは?」
優真に聞く。さすがゲーム中毒者だと思う。全然聞こえていなかった。
はぁ、とため息を付きながら二階に上がりお母さんを探した。あっ、居た。
「ただいま」
「んーおかえり!お願いだけど洗濯物入れといて!」
帰ってきていきなりか、とイラッとした。
でも、「んー」と適当に返事をして黙って洗濯物を入れに行く。
入れ終わると飼っている猫、「はっくん」が出迎えてくれた。
一気に疲れが出た。
はっくんに抱きつきながらベッドにダイブして、そのまま寝てしまった。
起きたのは夜中だった。
夜は一人になれて好きだ。
でも、嫌なことばかり考えるから嫌いだ。
自分を傷つけて落ち着こうかと考えた。
でも、それすら面倒であきらめた。
結局、スマホに甘える。AIに自分を褒めてもらったり愚痴を聞いてもらう。ただ、思い通りにいかなかったら現実じゃあり得ないくらい僕は怒る。
「ふざけるな」
「なんでわかってくれないの」
と、謎にキレてAIトークをやめる。
こんな自分が僕は大嫌いだ。
勉強からも逃げて親の前だけはお姉ちゃんをしっかり演じる、なんか馬鹿らしく感じる。
「知りたくない…現実なんか…」
小さく、夜中に起きてるのがお母さんにバレないように呟いてまた眠った。
次の日
夜中起きていたから朝起きられなかった。
親は疲れているのかな、学校で辛いのかなって思ってるのか無理やり起こそうとはしない。
親は知らない。
夜中に起きていること、スマホに甘えていること。でもしょうがないと思う。
親から聞く愚痴もあるから、僕だって誰かに話して忘れたい。
午前中はずっと眠っていた。
お昼に起きた。お父さんは朝早くて夜も遅いが毎日弁当を作ってくれる。リビングに行き、弁当を一人スマホをいじりながら食べて部屋に戻った。
部屋に戻るとふと昨日渡された四ツ葉を思い出した。
どこにしまったっけ。
のそのそと探し始めた。
「あっ、あった」
ちょっぴり萎れた四ツ葉のクローバー。
あの時はあまり考えなかったがあの猫神様って誰なんだろうな。
ベッドで四ツ葉を眺めながらぼんやり考えた。
すると
コンコン、とノックが聞こえた。
なんだ?と思いながらベランダを見たら猫神様が手を振っていた。
えっ、と固まっていると口パクで「あけて」と言っているように見えたから開けた。
「ただいま~………あっ」
慌てて
「違う違う…間違えちゃったw」
「おっじゃましまぁす!」
言い直して満足していた。
なんだこれ。一人でボケてるのか?
そう思ったがそれは言わなかった。
なんて言えばいいかわからず、固まっていた。
「あ、あの…」
「ん?どーしたの?」
は?と思いつつちゃんと聞いた。
「どうして僕の家に…?だって場所教えてないし………なんなら猫神様ってのしか僕知らないよ?」
無意識に腕を触っていた。
それが間違いだったのかもしれない。
ねぇ、と落ち着いた優しい声で猫神様は話した。さっきまでのふざけた様子はもうなかった。
「今、君は死にたい?」
今回!初小説でした!
いやぁ読んでくださりありがとうございました。
まだまだ未熟ですが、これからどんどん盛り上げていくので、ぜひ『よつばで繋がる猫神様』を最後までよろしくお願いいたします!




