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そこにはやっぱりロッテが居た。
俺たちに気がついたロッテは泣きそうな顔でこちらに走って寄ってくる。
俺も走ってロッテを抱きとめる。
大丈夫だ、とロッテの背中を優しく撫でる。
部屋を見渡すと、ロボ丸が壊した時より大きく崩れていた。
多分、修復しないまま見習い試験に入ったのだろう。
俺は、試験官に向かって言った。
「所長から、先ほどの試験で壁が破壊された時にそのままで良いと指示を受けました。
ですので、今回も問題はないかと思います。
結界を張り忘れたか簡易結界だったんでしょう。
実力を見せる試験です、こちらの責任ではありませんよ。」
「私とロボ丸君で改良した多重結界が破壊された!」
「さすがロッテ様です。」
後ろを振り返ると、興奮した所長と通常営業のロボ丸が立っていた。
さっきの多重結界、改良して張りなおしていたの?!
もう、やばいのかやばくないのか分からなくなってきた。
俺はワンコロの耳元でこっそりとワンコロが簡単に破壊できることは内緒だぞ、と告げる。
ワンコロはしっぽを振りながら、分かったと小さくつぶやいてくれた。
ワンコロの言葉にホッとした俺は、所長にお願いする。
「この子も高い魔法の才能を持っています。
ただ、俺の師匠に師事したいということで師匠の名前で登録する予定ですが、私が教えます。
見習い登録の許可を|お願いします。」
俺は所長に向かって俺の後頭部が見えるくらい頭を下げた。
「この実力だったら魔術師登録も大丈夫だろうが、わざわざ見習いになりたいというのは更に知識を深めたいということだろう。
ロボ丸君もいることだ。
君は見習いとしてロボ丸君と切磋琢磨しなさい!」
わっはっは!と所長が笑う。
それにしてもどうやって?と所長がロッテに尋ねている。
思いっきりやっていいって言われたからやっただけです、とぼそぼそ小さな声で言うロッテ。
それに被せるようにロボ丸が、ロッテ様ですので!と言い訳にならない言い訳を所長にする。
とりあえず、所長が良いというなら大丈夫だろう。
俺は、召喚獣登録が|ありますので失礼いたしますと言ってその場を離れた。
俺とワンコロは受付に戻り長椅子に腰掛けた。
予想外のことをするやつと予想通りのことをするやつと。
ワンコロは大丈夫か?
俺は不安になってきた。




