柚へ 〜他月の本音⑷〜
『はじめまして。娘さんとお付き合いさせて頂いている、下坂他月と申します。』
今、柚の家の前でお父さんと話していた。
『なぜ、別れないんだ!!』
お父さんは、柚の頬を叩いた。
その勢いで、横にいた他月にもたれかかってしまった。
他月は、なにも言わずにお父さんのほうを見た。
『お父さんは、柚のことを大切な家族の一員と思っていますか』
『いいや。思ってない。』
『なぜですか?柚が悪いことをしたんですか?』
『そうじゃない。女が嫌いなんだ』
『では、奥様も嫌いなんですか?』
『妻は、もちろん大切だ。だが、子供の女は嫌いだ。』
『じゃあ、なんで私を捨てないの!?嫌いだったら、捨てればいいじゃん!!』
我慢ができず、柚は大声を出してしまった。
『あぁ。捨てるつもりだ。』
その途端、柚の息が止まりそうだった。
『そう簡単に子供を捨てるんですか?柚が大人になって、社会のことを知って、一人暮らしをするまで大切にしようと思わないんですか?』
『思わないね。こんな、弱々しい女を育てても結果は一緒だ。』
『柚は、弱くないです。僕よりも強いです。どんな女の子よりも強いです。こんなに自信に満ち溢れている子はみたことないですよ。』
『自信も希望もこいつには何一つない!わかったか!?情けなくて、なにもできなくて、人間に見捨てられるような人間なんだ!』
一つ一つの言葉が柚の心に刺さった。
『....そんなこと言うあなたも情けないんじゃないですか。』
『な、なんだと!?小生意気なやつめ!』
お父さんは、他月の胸ぐらをつかんで言った。
『柚は、情けなくない。なにもできなくない。僕が見捨てない限り柚は、見捨てられるような人間じゃない!!』
他月は、さっきの声よりも大きな声で言い張った。
『う、うるさい!』
お父さんは、他月を雑におろした。
『柚は、バスケが上手くて勉強だってできます。柚を見捨てるなんて絶対にしないって誓えます。』
『私は認めないからな。』
『はい。』
短い笑笑




