80.一時脱退
夜明け前、静まり返る宿屋の一室。
ランプの微かな光の中、アスクは作業机に整然と並べられた、新規調達の「鋼鉄の武具」に向き合っていた。
「……ふむ。中層攻略の負荷を計算すれば、市販のままでは心許ないな」
アスクが手帳をめくりながら呟く。
『レイヴン・ハイドアウト』の上層周回で稼ぎ出した資金により、メンバー全員分の予備も含めた標準的な鋼鉄装備は手に入った。だが、アスクの「タイパ重視」のハック思考は、ただの装備更新では満足しない。
アスクは静かに呼吸を整えると、自身のステータス画面を呼び出した。そこには、絶え間ない構造解析と過酷な魔法行使の副産物として、進化を遂げたスキルの名が刻まれていた。
【エンチャント:中級】 ➔ 【エンチャント:上級】
「上級に達したことで、エンチャント時のマイナス要因が完全にゼロになったか。……よし、これで『デスペナルティ』を気にする必要がなくなったな」
本来、装備品へのエンチャント作業には常に能力上昇の反動として「マイナス補正や耐久値の減少」というリスクがつきまとう。そのため、腕の立つ中級職人であっても、武具への付与には極めて慎重を期すのがこの大陸の常識だった。
だが――『デスペナルティなし(100%安全)』で上級エンチャントを施せる領域。
それが、広大な大陸全体を見渡しても「10名と存在しない極致の領域」であることに、アスク本人は全く気づいていなかった。
(ただの計算上のリスク回避だ。確率がゼロなら、パラメータを極限まで引き上げるだけだ)
アスクは無自覚なまま、恐ろしい手際で作業を進めていく。
これまでの【中級】レベルでは、パラメータの調整幅に厳しい限界があった。だが【上級】に達したことで、武具の『攻撃力』や『重量』といった基本ステータスを極限まで変換・増強することが可能となったのだ。希少アイテムを用いた『属性付与』という発展技術もあるが……アスクは手帳を眺めながら静かに首を振る。
「……属性付与のハックは、まだ先でいいな。まずは基盤の強化だ」
今最優先すべきは、即効性のある火力と、俺が離脱している間の装備の持ち(タイパ)だ。
アスクは思考を張り巡らせる。
(俺が旅から戻るタイミング……理想は、彼らが中層を突破し、いよいよ本格的な『下層攻略』に足を踏み入れる頃だ。それまでの間、修理や新調の手間を省き、レベリングだけに集中させる必要がある)
アスクの指先から出で立つ魔力が、鋼鉄の武具に精密な補正文様を刻み込んでいく。
第一に求めるのは、圧倒的な『攻撃力』と『重量最適化』。メグの大剣には振りの重さをすべて破壊力へと置換する補正を、クロエのレイピアには風切り音すら消す軽量化を施す。
そして第二に、アスクが強く意識したのが『耐久性の大幅強化』だった。
「俺がいつマカロンに合流できるかは、向こうでのハック次第……。それまでの間、激しい中層周回に耐えうる頑丈さを持たせておかなければ、計算が狂うからな」
本来なら攻撃力を上げれば上がるほど武具への負荷が増し、耐久値は削れやすくなる。だが、デスペナルティのない上級エンチャントによって、アスクは攻撃性能と高い耐久性を破格のバランスで両立させてみせた。
「……よし。これで俺が不在の間も、下層攻略まで装備が壊れる心配はない」
机の上に完璧に並べられた、見た目はただの「市販の鋼鉄装備」。だがその実態は、大陸に10人もいない特級エンチャンターが、デスペナルティなしで性能と耐久性を極限までハックした「長持ち量産型武具」へと生まれ変わっていた。
■夜明け前の静寂が支配する宿屋の寝室
エンチャントの作業を終えたアスクは、静かに手帳を閉じると、部屋の暗がりで静かに佇んでいた女獣人の従者――アズインの方を振り向いた。
「……起きてたのか、アズイン」
アズインの耳がぴくりと動き、夜目が利く野性味のある瞳がアスクを見つめる。
「はい、アスクさま。お手伝いをと待機しておりましたが……お邪魔をするわけにもいきませんでしたので」
アズインは壁に背をあずけたまま、主人である少年へ深々と頭を下げた。アスクは顎をさすると、いつもの冷徹で飄々とした口調で本題を切り出した。
「単刀直入に言う。オレは近いうちに、マカロンを『一時脱退』する」
「――ッ」
アズインの獣耳が緊張でピんと跳ね上がり、尾がわずかに揺れた。だが、取り乱して声を荒らげるような真似はしない。主人の下す判断には絶対の理由と計算があることを、従者として深く信頼しているからだ。
「……脱退、でございますか。理由をお聞かせ願えますでしょうか」
「オレ本来の目的のためだ」
アスクは窓の外、遠く東の夜空を見つめた。
「正直言えば……最初は、少しあいつらを手伝うだけのつもりだった。オレの知識とハックでパーティの地盤を整えたら、適当なところで抜けるつもりだったんだ。だけど……」
アスクは自嘲気味に、フッと小さく口元を緩めた。
「居心地が良すぎたんだな。あいつらの成長を見るのが面白くて、気づけばマカロンの『主力』として、柄にもなく全力で頑張っちまってた」
「……ふふ。お傍にお仕えする私から見ましても、アスクさまはとても楽しそうに戦略を練っていましたよ」
アズインの柔らかな微笑みに、アスクは否定もせず微かに肩をすくめた。そして、先ほど魔導ニュースで流れた情報を静かに口にする。
「東の海賊討伐が完了して、大陸間遠洋航路が再開される。……これでようやく、本来の目的に動き出せる」
「本来の目的……」
「……チャンドラさんに会うことだ」
その名——アスクの師であり、真理を極めた大冒険者の名が口から出た瞬間、アズインの瞳に宿る色がキリリと引き締まった。主人が長年追っている目的の重さを、誰よりも理解しているからだ。
「あの海を渡った先に、チャンドラさんがいる。航路が止まってた間はここで足を止めるしかなかったが……道が繋がった以上、オレは行かなきゃならない」
アスクは表情を削ぎ落とし、静かな、だが底知れぬ冷たさを孕んだ視線をアズインに向けた。
「お前が『何者か』に狙われている件だ、アズイン」
「――ッ」
アズインの獣耳が緊張でピんと跳ね上がる。
「オレの情報だけでは、お前を狙う刺客のバックボーンがわからない。……相手の規模と狙いの根が深すぎる。」
アスクは胸ポケットから手帳を取り出した。
「だから、チャンドラさんの知恵を借りる。お前を狙う奴らの正体を暴き、どう潰すべきか……あるいはどう対処すべきか、判断を確認するんだ」
すべては、自分を「アスクさま」と慕い、陰で支え続けてくれる忠実な従者——アズインの身を完全に護り切るためだったのだ。
己の命が狙われている事実、そして主人が自分のためにそこまで思考を巡らせていたことを知り、アズインは胸に熱いものが込み上げるのを感じた。彼女は深く胸に手を当て、アスクの前で静かに片膝をつく。
「……私のために、そこまで。感謝の言葉もございません、アスクさま。私はどこまでも、貴方様のお供をいたします」
「勘違いするな。アズインを狙う悪党が気に入らないだけだ」
アスクは素っ気なく言ったが、その口元にはかすかな笑みが浮かんでいた。アズインもまた、主人の照れ隠しを含んだ言葉にふっと表情を緩める。
「……フッ。しかし、メグやクロエたちには、覚悟して話さないとな」
「間違いなく涙を流して引き留めるでしょうね」
「だろうな。……まあ、オレの計算上、オレがいなくてもあいつらは中層を突破できる。で、あいつらが下層攻略に入る頃には、オレも用事を済ませて戻ってくるつもりだ」
「ふふ、戻られるおつもりなのですか? ならば『脱退』などと寂しい言い方はなさらず、『長期のご出張』と申し上げましょう」
「……フッ。オレの計算でも、それが一番しっくりくるかもな」
主と従者——絶対の信頼と硬い絆を確かめ合い、二人は静かに不敵な笑みを交わした。
アスクの決意は固まり、マカロンの頭脳とその忠実なる従者は、新たなる旅路へと一歩を踏み出す。
■翌朝のミーティングルーム。
テーブルの上には、昨夜アスクが仕上げた『中層攻略完全マニュアル』と、恐ろしいほどの精度でエンチャントされた予備の鋼鉄装備がずらりと並べられていた。
「——というわけで、オレとアズインは本日をもって『舞華恋』を一時脱退する」
アスクの淡々とした一言が落ちた瞬間、部屋の空気が凍りついた。
「え……? ええっ!?」
一番に声を張り上げたのはメグだった。
「ちょっとアスク、冗談でしょ!? 3部を突破して、これからみんなで中層に行こうって時に脱退なんて……!」
カルディアスも優雅な笑みを消し、青ざめた顔で身を乗り出す。
「アスク、本気なのですか……? 貴殿という絶対的な頭脳を失えば、我が同盟の進撃は止まってしまうぞ!」
初期からの事情を知らないメンバーが混乱に陥る中、新調された暗器を弄んでいたきょたんが、頭を抱えて叫んだ。
「ちょっと待ってよ! アスクがいなくなったら、誰がこの無茶苦茶な暗器の構造計算を手伝ってくれるのさ!? お前のいない暗器開発なんて、できるわけないじゃん!」
隣では、ポーションの瓶を手にしたユキが、心底惜しむように深いため息をつく。
「……はぁ。せっかく教え甲斐のある、とびきり生意気で優秀な子が育ってきたと思ったのに。私の指導を『タイパが悪い』なんて口答えする生徒、他にいないのよ?」
隣で言葉を失いオロオロとアスクを見つめる新加入のハチクマ、マイク、タムの三人は、あまりの衝撃的な事態に口を挟むことすらできず、ただ重苦しい沈黙の中で固まっていた。
突然の別れにパニックを起こすメンバーたち。
そして——アスクの「条件付き仮所属」の経緯を知っていたルーク、ユノー、トッポ、クロエの四人。いつか残ってくれるのではないかという淡い期待を抱いていた彼らの中でも、とりわけ不器用な情を爆発させたのはユノーだった。
「おいおい冗談だろ……っ! アスク、お前がいなくなったら……オレはこれから、どこの敵に向かって斧を投げればいいんだよ!?」
いつもアスクの計算通りの精密な軌道で斧を叩き込んできたユノーが、赤くなった目で悔しそうに怒鳴る。
そして誰よりも、その期待に縋っていたのはクロエだった。
(……分かってた。いつかこの日が来るって、最初から知ってたはずなのに……)
クロエはぎゅっと、自分の細いレイピアの柄を握りしめた。
いつも冷徹で、効率ばかり求める生意気な少年。だが、自分の繊細な剣速や魔法の癖を誰よりも理解してくれた。無茶な作戦の裏で、いつだって誰よりも自分たちの安全を完璧に計算してくれていた。
いつしか胸の中に芽生えていた、仲間以上の特別な淡い感情。
理由を知っているからこそ、メグのように「行かないで」と無邪気に泣きついて引き留めることもできない。彼の決意の固さを、一番よく知っているからだ。
応援したい、引き留めたい、隣にいたい——ぐちゃぐちゃに渦巻く複雑な想いが胸を締め付け、クロエはただ唇を強く噛みしめることしかできなかった。
静まり返る部屋で、盟主のルークがゆっくりと顔を上げた。
「……引き留めても、無駄なんだよな。アスク」
「ああ。オレにはオレの、果たすべき目的がある」
アスクは至って冷静に言い切った。
混乱するメンバーたちを見渡すと、いつもの生意気で不敵な笑みを口元に浮かべる。
「勘違いするな。オレがいなくても、そこに置いてあるマニュアルと装備があれば、お前たちは確実に中層を突破できる。……オレの計算に間違いはない」
アスクは手帳をポケットに仕舞うと、アズインと共に静かに扉へと向かって歩き出した。
すれ違いざま、アスクはふと足を止め、下を向いたまま震えているクロエを覗き込む。
「……クロエ。お前なら、そのレイピアでもっと速くなれる。自分の剣を信じろ」
「……っ」
クロエはハッと息を飲み、弾かれたように顔を上げた。
視線が重なる。アスクの瞳には、いつもの冷徹さの奥に、確固たる信頼の色が宿っていた。
涙が溢れそうになるのを必死で堪え、クロエは精一杯の強がりと、溢れ出る想いを込めて静かに微笑んだ。
「……バカ言わないで。私を誰だと思ってるの? ……貴方が戻ってきた時、驚いて言葉も出ないくらい、もっと強くなってみせるわ」
「フッ……ならいい。……オレが用事を済ませて戻ってくる頃には、『下層』の入り口で待ってろよ」
言い捨てると、アスクは一度も振り返ることなく部屋を出た。
——カツン、カツンと、二人の足音が静寂に響く。
宿屋の長い廊下には、東の空から昇りはじめた眩いばかりの朝日が斜めに差し込んでいた。
光の粒子が舞う黄金色の回廊を、アスクとアズインの影が長く伸びていく。
背後に残された仲間たちの喧噪と、消えない絆の温もりを背中に感じながら。
マカロンの絶対的頭脳とその忠実なる従者は、朝日の差す廊下をどこまでも真っ直ぐに歩み、新たな旅路へと旅立っていった。
■おまけ、癖のある新メンバー面接
『レイヴン・ハイドアウト』を攻略し、いよいよ未知の中層進出を狙う『舞華恋』。戦力を補強すべく、面接室にはピリついた重苦しい緊張感が漂っていた。
テーブルに付くのは盟主のルーク、カルディアス、アスク、そしてユキの4人。 面接室の重厚な扉の向こうからは、尋常ではない圧力が滲み出ている。
「……一筋縄じゃいかない奴ばかりが集まったな」
ルークは手元の書類を握りしめ、静かに息を呑んだ。 ルークの『鑑定』スキルは、対象のステータスやスキルだけでなく、隠された「嘘」や「本音」の揺らぎすら視覚化する。世間的には「ルーク率いるワンマン爆速同盟」と見られているマカロンだが、実態はアスクの狂気的な数値計算で成り立っている。アスクの存在を隠しつつ、本当に信頼できる戦力を選別しなければならない。
「求めるのは即戦力と明確な利害の一致だ。情に流された採択はハックの精度を下げる」 アスクが冷酷に言い切れば、カルディアスが静かに異議を唱える。 「ですがアスク、尖りすぎた刃は内側から組織を切り裂きますぞ。我が同盟の矜持に合うかどうかも重要だ」
意見が割れる中、1人目の候補者が扉を叩いた。
【エントリーNo.1:ハチクマ】
入ってきたのは、大同盟の『盟主補佐』を務めていたという男、ハチクマ。高級そうな魔導衣を纏い、威圧感のある佇まいで部屋に入ってきた……のだが、着席した瞬間に視線が泳ぎ、耳まで真っ赤になった。
「あ、あの……2部と3部を行き来する大同盟にいた……ハチクマです……。大同盟は……人が多すぎて、喋るのも疲れるし……報酬の分け前も少なくて……」
想像以上の人見知りと声の小ささに、面接室の空気がズコーッと脱力する。
「あら、意外と可愛らしい子じゃない」とユキ。 だがアスクは冷ややかに手元の資料を弾く。「職種は『緑魔術士』……植物を操る支援・妨害職か。前衛の層を厚くしたい今、緑魔術士の優先度は低い。見送りか」
しかし、ルークが深層を『鑑定』した瞬間、目を見開いた。
(能力値:特級/職業:【緑魔術士】/潜在的本音:『極度の人見知りだけど、実家(大商会)の金で最高級の触媒を買い占めて植物を暴れさせたい。少数精鋭なら喋らなくて済むかも……』)
(……人見知りの皮をかぶった、金に物を言わせる凶悪なプラントマスターかよ!)
「待て、アスク。中層の複雑な地形攻略において、植物による足止めと障害物排除は喉から手が出るほど欲しい。ハチクマ、うちに来れば大勢の前で指示を出す必要はない。お前の植物で敵を散らせばいいだけだ」
「へ……? ほ、ほんとですか……!? 喋らなくていいなら……喜んで……!」
ハチクマは感涙しながら深々と頭を下げた。潤沢な実家の資金で最高級の植物触媒を持ち込んでくれる「人見知りな最強デバッファー」の獲得に、アスクも「……コスト面で言えば悪くないか」と渋々納得するのだった。
【エントリーNo.2:マイク】
続いて現れたのは、鋭い眼光をした痩せ型の男、マイク。彼は着席するなり、盟主であるルークに不敵な笑みを向けた。
「快進撃を続ける『舞華恋』の盟主ルークか。だが、外から見させてもらったが、君たちの進撃ルートや陣形には戦術的な甘さが多々見受けられる。俺の参謀としての頭脳を買わないか?」
マイクの狙いは「盟主ルークの参謀」としてマカロンの指揮権を握ることだった。彼からすれば、端で黙々と手帳をめくっている少年など、ただの雑務係にしか見えていない。
「オレの作ったハックに『甘さ』があるだと……?」 アスクの瞳の奥から、静かな殺気が漏れ出す。 「不採用だ。表へ出ろ、お前の『頭脳』ごと叩き潰してやる」
アスクが珍しく感情を露わにして却下しようとしたが、ここでルークが『鑑定』を発動する。
(能力値:戦術分析・特級/潜在的本音:『ルークの神がかった決断力に憧れて応募した。俺の分析でルークさんを完璧にサポートしたい!』)
(……アスクの計算を知らないから、全部俺の指示だと思って尊敬してやがるのか!) ルークは複雑な心境でこめかみを揉んだ。
「マイク、お前の戦術眼は採用する。だが……うちの参謀はすでにいる。お前にはあいつ(アスク)の『補佐役』として、情報の収集と分析に回ってもらう」
「は? そのガキの補佐……!?」 驚くマイクに、アスクは冷たく言い放った。 「文句があるなら、オレの出す課題を完璧に処理してから言え。……ついて来れればの話だがな」
【エントリーNo.3:タム】
最後に現れたのは、異国風のボロボロの羽織を纏った侍、タムだった。 部屋に入ってくるなり、恐ろしいほどの威圧感が室内を押し潰す。
「初めましてでござる! 拙者、タムと申す! マカロンの快進撃を聞きつけ、見参いたしたでござるよ!」
あまりの威圧感と軽々しい口調のギャップに、ユキやカルディアスが身構える。 「……怪しいわね。どこかの同盟が送り込んできた刺客じゃないかしら?」
だが、ルークの『鑑定』結果は一秒で出た。
(職業:サムライ/潜在的本音:『強者と戦いたいだけでござる! 拙者、強い奴が大好きでござる!』)
「……大丈夫だ。ただの戦闘バカだ」 「なっ、戦闘バカとは失礼でござる! 拙者は至って真面目……」 「タム、うちに入れば、中層の化け物どもと毎日死ぬ気でやり合えるぞ」 「本当でござるか!? 採用してくだされ盟主殿!!」
先ほどまでの威圧感が嘘のように、タムは目を輝かせてルークの手を握りしめた。
こうして、ルークの『鑑定』による本音の見極めと、アスクたちの譲れないこだわりが交錯し、一筋縄ではいかない強烈な3人の新メンバーが、『舞華恋』へと組み込まれたのだった。




