22話:変
朝、リビングへ向かうとセナはもう起きていた。
「おはよう」
セナはにっこり微笑みながら言った。
なんか、変な感じ。
「お、おはよ」
少しぎこちなくあいさつを返した。
美容のため、朝はフルーツだ。
「ごちそーさま。萌花、食べ終わったらそこ座って」
そう言って、ソファを指さす。
な、何をするつもり……。
「う、うん」
朝食を食べ終わると、ソファに腰掛けた。
後ろにセナが座り、私の髪を優しく触る。
「綺麗な髪だね……」
そう呟かれた途端、私の心臓は飛び上がる。
何なの!? 一体。
それから、セナは私の髪を少しいじっていた。
「できた。ほら」
前に差し出された手鏡を手に取った。
髪を編みこんで、横に束ねている。
結構、可愛いかも?
「可愛いよ。じゃあ僕は先に学校に行くね。別々に言った方がいいだろ?」
「う、うん。ありがと……」
セナはにっこり笑うと、家を出た。
可愛いよ……って、私に向けられたものじゃないんだよね……。
と思うと、気分は下がってしまうので前向きに考えることにした。
そうだよ! セナが可愛いって言ってくれたんだから!!
そう思いながら、私も家を出た。
ってか、何かみんなじろじろみてくるんだけど……。
歩いていると、たくさんの視線を感じる。
やっぱりこの髪型似合ってないのかな……。
うぅ……恥ずかしい。
少し顔を伏せながら、学校に着いた。
クラスに入ってもやっぱり視線を感じる。
なんなの!? そんなに変?
「おはよう、友美。レア」
もうレアと友美は学校に着いていた。
あいさつすると、二人は大きく目を見開いた。
「お、おはよう」
友美は拍子抜けたような声で返した。
レアからは返事がない。
「な、何? やっぱりおかしいよね……」
少し控えめに尋ねてみた。
二人はそんな私をまじまじと見つめてくる。
それから二人は顔を見合わせてこそこそと話す。
それからまたこちらを見てにっと笑った。
友美は傍に居た男子に話しかける。
「ねぇ、そこの君」
レアがその男子の目の前に私を押しやって尋ねた。
「この子、どう思う?」
そう言うと、その男子は顔を真っ赤にした。
変すぎて、そっちも恥ずかしいとか……?
もう、何なのよー!!
「ど、どうって、その、まぁ……」
何なの、何なの?
「か、かわ……」
「萌花!!」
その男子が言おうとしたとき、私を呼ぶ声が聞こえた。
声の方を見ると、セナが焦った顔でこちらを見ている。
そしてこちらに歩みよると、私の腕を掴んだ。
「ちょっと来て!!」
「ちょ、何なの?」
私は訳も分からず、セナに手を引かれ、連れて行かれた。




