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21話:同居生活を祝して

 家に帰ると、どたどたと足音が聞こえてくる。

 美少女には似合わない鬼のような形相にひっと退いた。



 「萌花! 何学校サボってんのよ!!」



 胸ぐらを掴みそうな勢いで迫ってくる。

 怖いよ……。

 


 「まあまあ、レア。その辺にしてあげて」

 「……ってセナじゃない! ふーん、そう。そういう事」



 にやにや笑いながら、交互に私とレアを見た。

 ちょ……美少女が台無し、レア。



 「分かったわ。萌花、似合ってるわよ。その恰好」



 そう言って、またリビングへと戻っていった。

 何……だったの?

 


 「あ、レア。今日からここに住むから」



 そうセナが言うと、今度は眩しいくらいの天使のような笑みでこちらに向かってきた。



 「そうなの!! じゃあ早速準備しなきゃね!!」



 そう言って、また部屋に戻っていった。

 今日のレアって少し情緒不安定みたいです……。



 「レア、何か様子おかしいね」



 セナがそっと耳打ちした。

 


 「う、うん……」



 何かあったのかな。

 そう思った時、5分も立たないうちにトランクを持ちながら、またこちらに向かってきた。



 「じゃあ、行くわね」

 「行くって何処に?」

 「母のところよ。後は二人でごゆっくり」



 にっこり微笑んで、私が何か言う前に出て行ってしまった。

 ばたんとドアが閉まり、沈黙が流れる。



 「とりあえず、部屋入ろうか」



 沈黙を破るように、セナが口を開いた。

 ……こんなつもりじゃなかったのに。



 ソファに腰掛けると、セナが少し眉をしかめて言った。



 「困ったね……。レアが出て行っちゃったよ」

 「……そうだね」



 ってことは……二人っきり?? 同棲!?



 「大丈夫。僕は何にもしないから。安心して」



 な……何言い出すのコイツ!!

 顔がかあっと熱くなっていく。



 「ねぇ、セナ」



 少し呟くように言ってみる。

 部屋の中が変に静まり返っているものだから、余計に私の声が響いた。



 「まず、この事は学校には内緒。んで、プライベートにはあまり干渉しない。食事はセナが作ってね」



 冷静に笑いながらまくしたてた。

 ふぅ……緊張した。



 「んーまぁ、それぐらいなら守れるかな。食事は萌花も手伝ってね」



 にっこり笑いながらセナは握手を求めた。


 

 「よろしくお願いします」

 「よろしく」



 握手にこたえようと、握り返した。

 途端に腕を引っ張られて、抱き締められてしまった。



 「な、何してんの!!」

 「同居生活を祝して、祝いのハグ」



 更に強く抱き締められる。

 意味わかんない!! 意味わかんない!!



 「よろしく」

 

 

 耳元で低い甘い声で囁かれた。

 途端に私の思考は停止してしまった。

 

 



 

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