スーパードッキリ作戦 前編
「止まれるわけないな・・・。」
「え?」
思わず本音が口から出る。勿論、今まで頭の中で考えていたことが彼女に理解出来るわけなく聞きなおす。
「何でもない。」
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喫茶店 Yes
「あら、たっちゃん。眠そうね。」
「ん?あぁ、サヨさん。」
俺は部員全員と喫茶店にいた。Yesの店主の一人娘 大田サヨさんは俺より4ぐらい年上のNACAの職員だった人。NACAについては詳しいだろうとここに来ていた。
「サヨさん。あのニュース見た?」
ここで俺は早速本題に入った。飛行機墜落の真相のヒントと例の冷蔵庫の解明。まだ高校生の俺たちには限界があった。NACAに手渡すことはしないが、それでも真実は欲しかった。
「飛行機のことね?あれに関しては何も言えることは無いわ・・・。」
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科学同好会 部室。
「で、これが見せたかったもの・・・ね。」
「はい。是非、これの解明に力を貸して欲しいんです。」
サヨさんは暫し考える。
「いいわ。だけど、条件もあるわ。実は今度街を上げてホラーイベントをするの。」
「・・・それに協力してほしい・・・。ってことですね。」
「えぇ。ここには機材が揃ってるから物質を活用出来るわ。」
実は非公式とは言えど、ここの機材はサヨさんの力を借りてNACAの中古品ばかりで一流のものばかり。
「利点はたっちゃんが工業高校の生徒ということね。」
「ちょっと、私もその方に話を聞きたいの。」
ここで今まで黙っていた睦美が口を開いた。
「宇宙に放り投げた様な死体って何故地球上で出来るんですか。」
「・・・。それに回答出来るのはまだ先ね・・・。この冷蔵庫。ガリレイ・リフリジレイターがその真相も解くかもね。」
「・・・。」
「それでそれでサヨおねえちゃん!イベントって?」
ケイコが話についていけず本題に入ろうとする。
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【名古屋 大須の商店街でバイオハザード!?】
Yahuu!!のニュースに早速そんな見出しが出た。
バイオハザードと銘打たれているこのイベント。最初はイッチャンなどの掲示板で火種をおとし、本当に起こったように見せかける日本をネットでドッキリをしかけるらしい。
俺たちの出番はニュコニュコ動画にUPさせるための最終決戦動画を生放送の本番限りで実演。
無重力と量子テレポーションを実演するのだ。※あくまでCGとして処理。
「うまくいくといいねぇ!」
「闘うのはサヨさんと谷岡か!これは期待。」
「ん。ピザ、おいしい。」
今までどこにいたのか睦美がピザを食べながら現れる。
「あ、鏡ちゃん!俺にもピザ。」
「長川くん。私を使わないで。」
「・・・はい。」
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「でも、怖くなったねぇー。商店街。」
「あぁ。」
うっすらと暗い商店街。どことなく異様で生暖かい空気を放っていた。
「こんな場所でも二人で歩くのは怖いねぇ。」
「ゲームの世界みたいで俺は楽しいけどな。」
話していると何やら異形の存在に出会う。
「きゃぁ!ゾンビ。」
「ん?あぁ、こういうイベントだもんでコスプレする奴も多いんだろう。」
「そっか。」
そこでケイコがとととっと俺の前に出る。
「明後日はがんばってね♪」
「・・・・。あぁ。」