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天使の呟き
『どうしてこんなことをしたんだい?』
そんな当たり前のことを聞かれても困る。この人は一体何がわからないのだろう。
小さい会議室の片隅に埃が積もっていた。
扉の開閉で舞った埃が小さい窓から差し込む太陽光に照らされている。
あの日を思い出した。
『初めて会ったその日から好きだった。いじめられている私に手を伸ばし、救い出してくれた天使。
彼女の瞳に映る自分以外の全てのものが、憎くてしょうがなかった。
一日中見守って安全な日々を過ごしているのかを確認することが日課になり。
私の世界は彼女を中心に回っていた。だから私だけを特別に思ってくれるように頑張ったの。
その手に撫でられた罪深い生き物にはもう近づく気が起きないようにしたし。
優しく接する人間にはかげぐちを刷り込み嫌悪の対象に変えた。
私だけが彼女によりそい、いつでも味方だったの。そうして信頼関係を育んできた。』
『彼女の瞳に映るのは私一人で充分』
天使は微笑んだ。




