それはちょっと‥‥
「イチ、『ミウの実』スイーツ、私も食べるっ!」
着ぐるみ頭の姫様の登場で、修羅場と化したが、「まだありますよ~」と少年の一言で、何事もなかった様に、その場は平和に収まった。
「お姉さんは規格外だと、ある程度は覚悟してたんですけど、想像以上の斜め上にいってました」
うまうま、とケーキに口を運んでいると、ため息がお姫さんから漏れた。
「欠損が戻るのは想定内として、あの『黒い塊』は何だったんです?」
「あ~アレね。ちょっとウザかったから消した。まあ、詳しい事は後でいいじゃん。今はコレよコレ」
うま─────とクリーム付きの『ミウの実』にありついた。
「そう言えばこの『ミウの実』どうしたの?」
「リオさんからのお裾分けで、作ってみました~」
「なんか高級品扱いみたいね。美味しいからかな?」
「それもですけど、流通数が少ないです。出荷元もどこで栽培しているのか、採取しているのか分からないらしいですし─────お姉さん、もしかして畑で栽培とかできます?」
「畑‥‥‥‥」
頭の中にわちゃわちゃと騒ぐ、オネェ畑を想像した。
「‥‥‥‥ちょっとキツイかな」
─────いろいろ。
「やっぱり難しいのですね‥‥‥‥」
しょんぼりするお姫さんには悪いが、アレが正常な状態ならば、その育てているであろう場所は、さぞかし騒がしいであろう。自分としてはあの騒ぎは、数分が限界だ。頑張っている人がいるとしたら、尊敬に値する。
「まあ、しばらくしたら育つだろうから、また取りに行けばいいし」
─────採りに行けるの?私も行きたい!張り切るお姫さんには可哀想だが、お断りしておいた。
「─────だって、『深淵の森』の奥だもん」
転移マーキングはしてあるから、お姫さんでも行けないことはないが、そういう事にしておいた。
「お姉さんは『深淵の森』にいたんですよね?『仙桃の桃』も持っていたし『他にもヤバいモン持ってません?』」
─────変な所で日本語混ぜるな。少年が不思議そうにしてるじゃん。
ヤバい物は持ってないが、ヤバい事はしたかな?─────池とか山とか。
「そ、そんなに持ってないよ?─────あ、後これぐらい?」
ひょいと、『走るキノコ』こと『松茸』ちゃんを取り出す。
「ああぁぁぁぁ─────っ!!」
おかめ顔が急接近。─────めっちゃ引いた




