ぷすぷす
「あ、いやいや。俺達のはコレなんでっ!」
─────ズビシィっと指差した先には、莉緒たちが倒したものとは違う、かなりサイズがちんまりとしたビッグボアが二匹転がっていた。
それもかなりやり合ったらしく、かなりボロボロの状態。
対して、莉緒たちが倒したのは、巨体ばかり十匹以上。それも眠っているかのような状態。
いくらフェンリルがいたとしても、実力の差は歴然。
「だんな方!俺らはこれだけあれば問題ないんで─────ではっ失敬!!」
─────冒険者達は逃走した。
「‥‥‥‥口止めしておいた方が、よかったかな」
「誰もまともに、信じやしませんよ」
「‥‥‥‥だよな」
自分達の獲物を担いで、逃走を図る冒険者の背中を見送りながら、二人同時にため息が出る。
背後では、獲物の山を前にラングが興味深そうに、ビッグボアを調べている。
「おい、これどうなってるんだ?」
「────こう、プスっと刺すでしょ。そこからビリビリってやると感電して一発で済むし、お肉も綺麗」
えいえい、と刺す動作をしながら莉緒はご機嫌で説明するが、その背後には小山のようなビッグボア。
「‥‥‥‥そんな簡単に刺さんねぇよ」
ビッグボアの皮は硬く、そんな可愛らしい動作で刺さるものではない。
ラングから、あきれたため息が漏れた。
「それにしても数が多いな」
「三頭は今ある荷台に乗りますけど、残りは後から回収するとして。問題はこの一番大きいのですね」
「これは時間がかかりそうだな」
─────このまま放置するわけにもいかないし。
「ちゃんと持っていくから、問題ないよ」
シュッとアイテムボックスにしまったら、なぜか驚かれた。あれ、この能力ってまあまあの人間が持っているんじゃないの?と疑問に思えば、能力じゃなくて量の方でした。
持っている人間はそれほど珍しくないが、せいぜい手荷物二つ分ぐらいらしい。
でた、イマイチ分からない比較。
「どれぐらい入るんです?」
副隊長さんが、ギラリとした目で訊ねてくる。
「─────それなり?に入るよ」
とはいっても、自分も○〇〇ドーム比較で容量もよく分からないし、本当の事を言ったらなんか面倒くさい事になりそうだから、適当に流した。
とりあえず荷馬車に乗る分を残し、後はアイテムボックスにナイナイした。
「わふっわふっ」
シロ君の尻尾が、ご褒美の期待に揺れている。
「シロ君が『焼肉定食』を所望してます!」
「「─────なんだそりゃ?」」
─────何という事だっ!『焼肉定食』が通じない、だ、と




