揚げ物
『おおぉ─────。いいじゃん、いいじゃんっ!』
キラキラエフェクト出しまくりの中、長い金髪と緑の大きなお目目をした、可憐な少女という文字がピッタリなお姫様が、その場に誕生した。
いやいや、これがお姫さんの元々の姿なのだが。
『本当ですか─────?いや待って!視野が広い!顔に触れるっ!髪があるっ!!』
きゃぁぁ─────っ!やったぁぁ!!
お姫様ムーブを放り出して、ぴょんぴょんその場を跳ねまくるお姫様。
まあ、『陣』自ら発光しているから、周りからそのはしゃぎまくる姿は、まず見えないだろう。
─────よしよし。なんか結局ゴリ押しでやってしまったが、なかなかうまくいったではないか?空から光の柱が凄い勢いで向かってきた時は、「うわ、やっちまったか!?」と思ったのだが、結果これが正解だったようだ。
『今日はお祝いできるね~』
『もちろんですよっ!今日はご馳走たんまりですよっ!でも私は、フライドポテトのデカ盛りがほしいですっ!味変もしたいですっ!』
────ぐっと握りこぶしを作るお姫様。きらきら可憐な容姿でフライドポテト、デカ盛りを所望とか‥‥‥‥。味変ねぇ‥‥‥‥塩以外この世界に何かあるのかなぁ~。
あ、いかん。揚げ物の事を考えていたら、向こうの料理が恋しくなってしまう‥‥‥‥。
『‥‥‥‥う~ん。トンカツが食べたくなってきた‥‥‥‥』
『トンカツっ!!この世界にないんですよ!リオさん出来ます!?』
トンカツと聞いて、お姫さんがぐいぃんと正面に詰めてきた。─────おかめさんでなくなったお姫さんは、ちゃんと美少女でかわええ。まあ、おかめさんコスプレもそれはそれで可愛かったが、本人には言うまい。
どうやらオークの肉を代用にして、挑戦はしたようだが説明が上手く伝わらず、成功しなかったようだ。
というか、材料は揃うんだっ!いけるぞっトンカツっ! よしよしうんうん─────うん?
「─────お姫さん。上に誰か浮いてるよ?」
跳ねまくるお姫さんの頭上に、人型をしているが明らかに人でないものが浮かんでいる。
お姫さんより更に豪奢な黄金色の髪をなびかせ、全身に花を散らせたその姿は、明らかに人ではない。
なぜなら、人よりはるかに大きく半透明で、なにより全身が仄かに光輝いているのだから。
『え?ええっ!?女神ファル・レンサール様!?─────えぇ!?私、呼んでないのになんで?』
『ほほぅ~~これが噂の、神の顕現か~なかなか派手だね~。この女神さまが姫さんの守護神って事?』
『そ、うなんです‥‥‥‥けど』
─────うん、言いたいことは解る。
お姫さんの上に顕現した女神さまは、半透明様な身体を自ら発光しているのか全身をキラキラさせて、まさに人外という風情だが‥‥‥‥。
その瞳は閉じられ、何故かこちらに頭を下げている‥‥‥‥。
‥‥‥‥なんで、この女神様は頭を下げてるんだろう‥‥‥‥。




